深い海の底
名前も知らない深海魚と
砂を蹴ろうとして
泳ぎ疲れて
砂にまみれたまま
じっと止まる
私の言葉は
泡となって
昇るだけ
砂にまみれた
キミの美しい言葉に
どんな唄が届くだろう
どんな絵が胸を打つだろう
ほんとうはきっと知っている
ほんとうは私もわかっている
でもキミは。
私は息をのみ
のどがキュと音を立てる
出ない声を振り絞って
大丈夫だよと
うろこを
指でなぞろうとすると
キミは
海になる
涙がわからないように
唄いながら
海になる
泣きながら
海になる
私はそれを描くのに
ふさわしい私になりたい
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