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送り迎えの日々は、ようやく終わり

 独り暮らしを始めた息子。心配する気持ちをかき消すかのように、私の方は楽しいことやラクになったことにスポットを当ててみている最近。

 まずは片づけを進めて整理整頓。改めて要るかどうかを考えたり、これが思ったより時間かかりそうだけど、コツコツ進めるのもまた楽しみ。

 そして規則正しい生活リズムを身につけたいなあ。やるべきことを行動にしたいなあ。との思いはあるけど、ちょっと気が抜けたみたいになっている。
 私は時間の使い方に対して、自分のペースがすごく大事なんだって、19年ほど前の妊娠中に気づいた。
 息子中心に生活が回り、自分の時間は自然と後回しになっていったけれど、それでも私にはそれなりの自己鍛錬となったようで。

 だから今の私は、急に自分本位に過ごせるようになって、多少の戸惑いと思わぬ満喫と、何より立て直しに少々時間がかかっている。ちょっとだけ時間の使い方が雑すぎるというか。うまく使えていないなあと感じているのだけど、慌てることもないとも思っている。18年息子と過ごしたのだ。焦らずリズムを作っていきたい。

 さらに私を苦しめ続けた早起きはなくなった。早く起きなきゃお弁当作らなきゃと思うと、どうしても緊張してまい、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりしたものだった。
 それがなくなったため、メニエール症状に悩まされることが格段に減っている。

 洗濯物も皿の洗い物も減ったからその点もラクだ。

※※※

 以前住んでいたアパートで、当時中学生と高校生のお子さんがいる奥さんとすれ違った時。
 「もう朝から送り迎えばっかりしていて、やんなっちゃう。今日だって何往復してるんだか」と、ぼやいてらした。
 田舎だから、公共の交通手段が貧しくて、家族のための車での送迎が大変なのだ。お二人いるからなおさらなのだろう。と思っていたけど。一人でもじゅうぶん大変なのだと、息子が中学生以降知る。

 息子が小学生の頃は徒歩で通学していた。中学生になると、自転車で行く日も多かったけど、車で送る日も同じくらいあった。寒くなる11月頃から、そして雪が降り始める12月~3月いっぱい。それ以外で体調の良くない日や遅刻しそうな日。夫はなるべく、その登校時間に出勤時間を合わせてくれてはいた。
 でもどうしてもでズレると、息子を送って帰宅したら、しばらくしてまた夫を送りに出る。
 帰宅する。
 そんな日に買い物もあると、また出る。
 帰宅する。
 さらに息子が遠くの病院に行く日だと、学校に迎えに行き、病院に送る。
 そこから塾に行く日だと、塾まで送る。
 夫の帰宅も、できるだけ息子に合わせてくれていたけど、やっぱり合わない日は夫を迎えに行き、帰宅。
 夫が息子を迎えに行ってくれる日もあったけど、私が息子を迎えに行き帰宅する日だってある。

 つまり。そんな日は。

 送→帰→送→帰→出→帰→迎→送→送→帰→迎→帰→迎→帰。

 もー私の1日は何だったんだよ。と思う。
 子供一人でこうだから、田舎の交通事情、もう少し何とかならぬものか。そりゃ知り合いに会ったら愚痴も言いたくなる。

 都市に住む人について思いを馳せる瞬間も、もちろんある。
 外で仕事をしていて、子供を保育園や幼稚園の送迎を、自転車でしている人もいるだろう。仕事中に子供の発熱などで突然呼び出される人も。
 今ならリモートで仕事のために、まったく自分の時間がない人もおられるだろう。

 大変だけど、必ず終わるからね。始まりがあれば終わりがあって、終わりがあれば、別の何かが始まる。


#エッセイ #送迎 #車 #息子 #子供 #手が離れる #一人暮らし

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。