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親子のこと

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親のこと、子供のこと、その関係についての考察や自分の思い出話、などなど家族に関することなら何でも ※映画の感想については含めません
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#息子

人それぞれの道を自分の力で歩いて行くしかないけれど

 他の人の人生まで背負うことって難しい。自分の親であっても子供であっても。その人の人生はその人にしか進めない。  だから考え過ぎてもどうしようもないんだ。私がコントロールするものではないし、できない。責任があってもすべてを一緒に歩くなんてできないもの。時々寄りそって時々支える。あっちへ駆け寄り、こっちに駆け寄り。私はそんな自分の人生を愛おしくも思う。  それでも息子の心を思うと、ついついずうっとそばで支え続けたくなる。多分はたから見ると、サッパリしているように見えているかも

キミの発達を見守るしかない私は、どんな言葉をかけてやれば良いのだろう

 急に札幌に行くことになって、この一週間バタバタしてしまった。  3月上旬、息子が帰省すると、ちょっと前から精神状態があまり良くないのだと打ち明けてくれた。自らカウンセリングにも通っていると言う。  内容を聞いて、私がどうにかしてあげられるのかわからず、夫も私も息子の気が向く時に話し相手になる。  2週間ほどでだいぶ気分も落ち着いてきたようだったけど、札幌に戻りたくないと言い始めた。真意がはかりかねて引き続き息子の気分の変化など待った。  細かなことは、何年後かに笑い話と

くりかえし旅立ちを見送る

 新幹線の、進行方向に向かって左側窓際が息子の席。ホームからだと一番奥になった。  席に座ったのを窓から確認して、3人席の間が空いているとラクで良いねと夫が言う。  まあ1時間半くらいだけどね。  なんて言っていたら、隣りに若い女の子が座った。  ああ。お互いにちょっとだけ気を使うんだよねと私が言う。  まあ1時間半くらいだからね。  夫と私が互いに言い聞かせる。  奥の窓側だからこちらに気付いていないかな。  アナウンスがあって新幹線が動き始めた。  息子がパッと左

子供の優しさを感じた日~発達障害グレイゾーンについても考える~

 20歳を超えた息子が、最近自分の好きなことで成果を上げている。すごい! と、その集中力に驚くと共に、それ以外の多くのことは面倒くさがっては無難にこなせない息子に「息子らしいね」と夫と笑ってしまう。  うまくやり過ごしたりこなしたり、できない部分があっても、そこまで本人が不自由しておらず、周りを傷つけたり困らせたりしていないのならかまわないんだよ。  こんな風に思えるまでになるなんて、幼少期の息子で悪戦苦闘していた私に教えてあげたい。  幼稚園や保育園での行事と言えば、多

バナナを見て涙が止まらない日を越えて

 この前の春休み。二週間ほどだったけど、息子にしては長めの帰省をしてくれた。  息子が家にいない間は、そんな日々が当たり前になり、週末にリモートで話すのが私の楽しみだ。  でも息子が帰省すると、今度はそちらの方が当たり前に感じて、息子がいない日々が想像しづらい。本当にいつもいないんだっけ。とすら思う。  幼稚園時代から繰り返してきた。長い休みの前は毎回、「日中、子供がずっといっしょの生活なんて思い描けない」と思う。そして休みが明ける前も「日中、子供がいない生活なんて思い描

きっと自由な気持ちが、寂しさを上回っているんだろう

 息子がひとり暮らしを始める時に、夫の提案でぬいぐるみをプレゼントすることにした。2年くらい前かあ。もう2年なのか、まだ2年なのか。よくわからないなあ。  一つはウチに。  「コタロウ」と名が付いて売られている柴犬のぬいぐるみを。  70センチちょっとある大きなぬいぐるみの表面は、つるつるとした手触りで、中身はむっちりした心地良い反発感。  そして息子にはその黒柴ヴァージョンの「コテツ」を。  つまりペアで。   リモートで時々「コテツは元気?」と聞く。その辺に転がっ

もてあます部分も自分で受けとめられますように~信じる気持ちを伝えたい~

 息子が帰ってきた年末年始。お正月はゆっくり休んでほしいから、少しだけうるさくしないよう気を付ける。  結果、めっちゃ時間あるやん(息子、めっちゃ遅くまで寝てるやん)。で、noteをじっくり楽しめた。年末年始はコメントのやり取りが忙しくなってしまって、忘れないようになるべく早く反応するようにしたけど、もしスキやコメント返信忘れてたら気軽に声をかけて下さい~!  今回は息子と久しぶりにゆっくり話し、この先を不安に思って迷っているのがよくわかった。  今後どうするかは息子の人

子供の帰省を楽しみ、夫と私の日常がまた始まる

 コーヒー豆をひく機械音がして起き上がる。キッチンに行くと、前夜の洗い物の残りが洗われている。缶やペットボトルなど息子の名残も水切りかごに干してある。  「おはゆー」朝の挨拶は、お笑い芸人リスペクトから始まる(なだぎ武が昔言っていた)。  「にゃー」夫の朝の挨拶は、猫リスペクトから始まる(犬や猫を愛でるのがもしかすると私より好きかもしれない)。  日常が戻ってきた。  夫が私より早起きーが当たり前になってしまったここ何年か。  仕事に出る前にコーヒーをタンブラーに入れていき

そこそこがんばっているのね

 リモート画面で見える息子の肌が荒れまくっていて、話が頭に入ってこない。    「ごめん。肌が心配すぎて雑情報になってる」    息子は肌が弱くて。マスクのせいもあるのかな。いや幼いころから、疲れて免疫力落ちてくるとまぶたも含めて顔全体がガサガサになってくる。  この後、体調くずすんだろうなあ。  心配だ。やっぱり話が入ってこない。  試験期間が一段落したと言っているので、多分勉強したしないに関わらず、息子にとってストレスだったのだろう。昔からいつもそう。  でもさ、一

子供の好奇心への追求を応援したい

 アラ。最近こういうのが好きなんじゃないの?  不意に見つけて、息子に声をかけ指をさした。ピンポン玉くらいの大きな分子模型が壁に貼ってある。  「なあにこれ」  興味あるはずの息子が不思議そうな顔をして見ている。  あっそうか。こんな風に大きな形で見るなんて、すぐには一致しないか。  「二酸化炭素とか書いてあるよ」  その紙に書いてあった文字をそのまま読んでみた。  「近くの施設でこの手作りキットがもらえます、だって。行ってみる?」と聞くと「行きたい」と言う。  いつも

一人暮らし初年度を経た息子~親目線で~

 友人と話をしながら、もう一年になるんだな。と振り返った。  昨年の今頃、息子は二番目の志望校を受けに行った。  志望校も全部自分で決めて、申し込みや願書や手続きや、私にはなんにもわからないうちに全部自分で頑張ったんだったね。二度、遠い地に一人で行って、試験当日も自分で下見した会場に、自分で早起きして食事を済ませて行って、ほんとよく頑張ったよ。  それでも帰省してきた息子が、近くの小さなスーパーに向かう背中をしみじみ見ながら、「頼もしくなったなあ」とはちょっと思えない。  

赤ちゃんだった息子をのぞきこんだ気持ちと、19歳の息子を見守る気持ち

 テレビで赤ちゃんが映っているだけでだらしない笑みが漏れ、涙腺も刺激される。条件反射みたいなもんだ。  息子にもこんなちっちゃな頃があった。こんな動きをして、こんな表情していたなあ。      19年前の12月に、息子が生まれた。  私は幼い子供が特に好きなわけではなかったし、どのように接したら良いかもわからなかった。息子ができるまで、赤ちゃんを抱っこした経験もない。  結婚してからの5年半は子供がなかなか授からない苦しみもあったけど、夫と二人の生活も楽しくて、それが変

別れる前の息子と、別れてからの息子はちょっと違う

 まだ言葉も話せない頃の息子に、夫が出張で10日ほど会えないのだと、何とか伝えたかった。  日めくりカレンダーみたいな物を作り、寝る前になると「今日は○○をしたね」と、簡単な絵を描いて息子の反応を確かめる。  息子は言葉が少し遅く、でも理解しているのは伝わっており、数字や文字の理解だけが先走っていた。心配は尽きなかったけど、お父さん大好きな息子に、またしばらくするとお父さんと会えるよ、と伝えたくて。数字が好きなら伝わるんじゃないかと最初から日にちを書き込んでいた。カレンダー

小包を送る喜び、受け取る楽しみ

 親からの小包。とかで検索してみて衝撃を受ける。  「要らない」。「送ってほしくない」。「欲しくもないものを」。「ストレスだ」。「愛なんかじゃない」。  そんな言葉が連なっていて、ちょっと慌てた。  自分が子供の側としてはどうだったっけ。  義母からの小包、困った時もあったよな。趣味の物と違ったり、要らない物が多かったり。  若い頃は「ホントに要らないから」って強く思っていた気がする。でもそれも遠い記憶で、いつの間にやら、段ボールが届くと「何が入ってるのかなあ~」と楽しん