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健康ヲタクをやめると健康になる法則【きまぐれエッセイ】

あたしの昔話。健康食品ヲタクだった頃の話。
『ネットワークビジネスという名のねずみ講』に乗せられて、次から次へと健康食品を買わされる羽目になった。気がつけばキッチンには、見たこともないサプリメントや謎の粉がずらりと並んでいた。

スパスパあるあるガッテンもんた。
塩分控え目で健康家族。次は「塩分不足が健康を害する」。水は一日二リットル以上飲みなさいっていうから一生懸命飲んでみれば「水の摂りすぎが病気の原因だった」なんて言われる始末。
三食しっかり食べて健康に!っていうからきちんと食べれば「一日二食で病気知らず」だってさ。
TV、ラジオ、雑誌、新聞、書籍、Web、そしてあの恐ろしいネットワークビジネスという名のねずみ講。

モノを売るために情報をばら撒く人と、それをせっせと拾うあたし。情報過多のこの世では、情報を仕入れれば仕入れるほど訳がわからなくなっていく。サプリメントをおかずにご飯を食べるなんて、本末転倒もいいところ。

健康結構、もうけっこう!

健康ヲタクをやめたら急に健康になったなんて話。
実はよくあること。
目覚めた人たちはこう言うのさ。

末端価格三万円の健康食品よりも、納豆――特に3パック98円のおかめ納豆(小粒)――に勝る健康食品はないと。

結局、身近な身体の健康維持から、国を善く治めるための共通した法則があるんだよ。つまり、さかしらな知恵を振りかざして治めようとするのは愚かしいこと。道(タオ)に従って、たおやかに歩むことが大切なんだ。

人間ってのは、もっとシンプルに生きるべきなんだな。健康を追い求めるあまり、健康を害するなんて、本末転倒もいいところ。

だからこそ、今夜もおかめ納豆とご飯で乾杯!


古の善く道を為す者は、以て民を明にするに非ず、将に以て此を愚にせんとす。
民の治め難きは、其の智多きを以てなり。
故に智を以て国を治むるは、国の賊、智を以て国を治めざるは、国の福。
此の両者を知るも亦た、稽式なり。常に稽式を知る、是れを玄徳と謂う。
玄徳は深い矣、遠い矣。物と反せり。然る後に乃ち大順に至る。
[老子:第六十五章淳徳]


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