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【初出版『最強の法則』100plus】 vol.112:流出厳禁!編集者のホンネ(1)

編集者が初出版の方に対する場合、本心はどう思っているのでしょうか。
ちょっと気になりますよね。

ある出版社の新著者Aさんの担当編集者Bさんと、上司の編集長の会話をこっそり録音しました(ウソです)。
まずは、2人の会話を聞いてみましょう。

<企画会議を終えて>
編集長「新人のAさんの企画、会議通ってよかったね!
営業の役員から反対意見を言われたときは、ヒヤヒヤしたよ」

Bさん「はい、ありがとうございます!
編集長が強力に推してくれたんで、助かりました」

編集長「そりゃ、俺はあの分野はよくわからんけどさ、売れると直感的に思ったからね。
今月の生産額も足りなかったからなー。
とにかく、今からSNSとか仕掛けを作って、売れるようにしないとね。
Bさん、頼むよ!」


この手の会話は、各出版社で日常茶飯事です。
この会話でわかる編集者のホンネはなんでしょうか?
それは2つあります。

●ホンネ(1)とにかく、売れる本をつくりたい

編集長の話に出ていますが、編集者は「売れる本」をつくりたいのです。
「売れない本」はつくりたくありません。
当たり前といえば当たり前ですが、それが一番のホンネです。

「売れる本になる!」と思えば、
編集長も企画会議で「よく知らない分野」でも援護射撃をして、
その企画を通そうとします。

逆にそう思わなければ、営業担当役員が反対した時点で、
あっさり企画を引っ込めた可能性さえあります。

著者としては、売れる企画に仕立て上げて、
編集者にプレゼンを頑張ってもらうしかありません。
もちろん、それは編集者との共同作業になります。
その点はご安心ください。


●ホンネ(2)ノルマをこなさないといけない


編集者のBさんも編集長も、出版社の社員です。
多くの出版社では、社員は年間の“ノルマ”が決まっています。
つまり、営業でいう「必達数値」ですね。
ノルマは制作する書籍の冊数や部数、あるいは「生産金額」というものであったりします。

部数は、制作部数(刷り部数)ではなく、実売部数をカウントされるケースもあります。
「生産金額」とはたとえば、
本体価格×出版社の取り分(卸値)×制作部数で計算したりします。

本体価格1500円、出版社の取り分が70%、制作部数が5000部としましょう。
1500円×70%×5000部=525万円
これがその書籍を担当した編集部員の「生産金額」です。
(注:出版社の取り分が70%というのは高いほうです。実態は60%台がほとんどです

こうした数字が、各部署・各個人で、年間、半期、四半期、月間と決められます。
このノルマを達成しているかどうかで、社員の社内での評価が変わるのです。
数字を守ることに社員が必死になるのもわかるというものです。

「今月は1冊延期になっちゃった。来月以降頑張らなきゃ…」
そんなことを言いながら、青い顔をしている部下がいましたし、
上長の私も「埋め合わせしなきゃ…」と冷や汗をかいたものでした。

まあ、どの会社、どの業界でもあることです。
著者のあなたには全く関係ないことかもしれません。
しかし、あなたの本の売れ行き次第で、担当者の命運が決まってしまうとなると、
少しは気合が違ってくるのではないでしょうか。

次回も、編集者のホンネ第2弾をお伝えします。
ではでは!

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