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【初出版『最強の法則』100】 vol.98:映像化は権利料よりも実売増狙い

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皆さんは、書籍の「二次利用」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
出版社と結ぶ出版契約書に、条項として必ず盛り込まれている、重要な項目です。

具体的には、翻訳、ダイジェスト、演劇・映画・ドラマ等、他のコンテンツの原作になること、テレビやラジオなどの放送・録音・録画に使われることです。

身近な例では、コミックや小説がテレビドラマや映画、アニメの原作になっていますよね。
もう珍しい話ではなく、書店さんでも常に「原作本」コーナーができているほどです。

ビジネス書や実用書でも、映画やドラマの原作になるケースは増えています。

240万部以上の大ベストセラー『嫌われる勇気』はフジテレビ系でドラマになっています。
「もしドラ」の愛称で親しまれた『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』は漫画、アニメ、映画化。
「ビリギャル」こと『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』も映画になりましたよね。

全て、大ベストセラーになった書籍の「二次利用」です。

二次利用の場合、原作料が支払われますが、書籍自体の売上げに比べたら微々たるものです。
出版社が二次利用で狙うのは、これまでとは違う読者層の開拓、それによる書籍自体の売上げ増、そして映像のネット配信やDVD発売による版権使用料です。
当然、著者にも印税や版権使用料として還元されます。

コミックやラノベの場合は、初めから映像化が決定しており、それを前提で収益プランを考えていることがあります。

多くの場合、二次利用に関しては出版社を代理人にする契約が結ばれます。
あなたの代わりに担当編集者が窓口になるケースがほとんどですが、
出版社によっては専門部署があったりしますので、そこに委任することになります。
彼らは決して著者に不利になるような契約はしませんので、安心してください。

アニメや映画が制作される場合、ほとんどのケースで製作委員会が組まれ、
出版社が出資するケースも多々あります。

権利関係も細かく複雑になりますので、著者が関わると大変な思いをします。
出版社にお任せしたほうが余計な労力を払わないで済みます。

私も以前いた出版社で、コミックのアニメ化、小説の映画化に携わりました。
製作委員会の中で他社との条件交渉をしたり、事業計画書を作ったりしました。
なかでもコミックはアニメ化によって、コミックスが多くの売上げを上げたことがあります。

ビジネス書の映像化のハードルは高いですが、事情を知っておくことは損ではありません。
次回は翻訳や音声コンテンツの件をお話します。
ではでは!

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