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読書記録「マイアミ沖殺人事件」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回読んだのは、デニス・ホイートリー 土屋政雄さん 訳「マイアミ沖殺人事件」中央公論社 (1982)です!

デニス・ホイートリー「マイアミ沖殺人事件」中央公論社

・あらすじ
1936年3月8日 マイアミ沖からバハマ諸島へ向かう途中、ホライソ・ブレーン氏が投身自殺をするところから事件は始まる。

ブレーンはイギリスの大手石鹸会社 アルゴス石鹸の経営者。競合他社との価格競争に破れ、気が狂ったが故の投身自殺と思われた。

しかし、事件現場のカーテンに血痕が見つかり、これは殺人事件だと発覚する。

事件現場で採取したカーテンの一部

警察の見立てでは、殺害想定時刻は17:45~20:30 までの45分間。刑事は船の乗客一人一人のアリバイを聞いていく。

容疑者は9人。
競合他社の経営者 ロックサベジ
ロックサベジ氏の愛娘 フェリ
ロックサベジ氏の大株主 ウェルター夫人
ウェルター夫人の娘 パメラ
とある伯爵家の次男でパメラの夫 ジョスリン
ブレーン氏の古い友人 ビュード主教
石鹸の取引に来た日本人 林伊之助
カードゲームが得意な伯爵 ポゾディーニ
ブレーン氏の秘書 ストダート

現場に残された手紙や証拠品の数々。だが、話を進めていくと、犯行時間における全員のアリバイが確認されてしまう…。

さて、名探偵の貴君。現場の写真や証拠品を見て、犯人を探し出せるかな?

ミステリーと言うよりは、推理ゲームブックというべきか。面白いのは、証拠品や手紙、写真などが印刷ではなく、別に揃えられていることである。

現場にあった手紙
犯行現場の写真

読者はまるで刑事の話を隣で聞きながら、まさに探偵として推理をする。求められるのは、何者をも逃さない鋭い目と、広い知識と、曇りない推理力である。

大事なことは、文字や言葉だけではない。現場をよく観察することである。

残念ながら犯人を特定することはできなかったものの、一つ一つの違和に気付くこと、そこに真実はある。勉強になりました。

レトロゲームのような表紙に、まるでそこに居合わせたかのように引き込まれる、そんな面白い本でした。それではまた次回!

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