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読書記録「木曜日にはココアを」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回読んだのは、青山美智子さんの「木曜日にはココアを」宝島社 (2019) です!

青山美智子「木曜日にはココアを」宝島社

・あらすじ
川沿いの桜並木がちょうど終わるあたりにある「マーブル・カフェ」。無職だった僕をいきなり店長として雇ってくれたマスターに代わって、今は僕一人できりもみしている。

実は僕は恋をしている。毎週同じ席で、英語で手紙を書く彼女。毎回ホットココアを注文する名前を知らない彼女を、心のなかで「ココアさん」と呼んでいた。

ある夏の暑い日。いつもの席は埋まっていたが、同じようにホットココアを頼む彼女。だがその目には涙を溜めてるのを僕は見てしまう。

駆け寄りたいけれども、僕とココアさんは、ただの店員と常連客の関係でしかない。そんな僕でもできることは…。

彼女がいつも座る席が空いたのをきっかけに、僕はすかさずココアさんに声をかける。

「いつもの場所です。好きなところにいるだけで、元気になることもあると思います」

同著 18頁より抜粋

人の出会いとつながり、そして様々な色をテーマに、東京のマーブル・カフェからシドニーへとつながる12人の物語。

先日神保町を散策している間、続編の「月曜日の抹茶カフェ」と共に並んでいたのを見つけ、迷わず2冊とも購入。その日の内に神保町でビールを飲みながら読み耽った次第。

先日の(と言ってももう1ヶ月も前の話にはなるのだが)、京都のビアバーにおける出会い然り、人との出会いは一期一会である。

私自身、あまり自分から声を掛けるのは得意ではない。読書会主催者のくせにフリートークは苦手だし、そもそも話し始めのきっかけを掴めないでいることが多い。

けれども、何かのきっかけで話が盛り上がったりすると、やはり人と会話するのって楽しいし、なにより知らなかった世界を知るきっかけになる。

もちろん、人と話す以上、意見や価値観が合わなかったり、時には衝突することもある。

それと同じように、ふとした言葉が迷いを吹き消すこともあるし、何気ない会話の中に幸せを見出すこともある。

この作品では、たまたま喫茶店に居合わせた人や、旅先で出会った老夫婦、緑を描く画家に魔女など、様々な巡り合わせをえがく。

その出会いは一瞬の出来事である。しかし、その人の長い人生にとって、大きな影響を与えた日になるかもしれない。

運命の出会いというものは、いつだって人が運んでくる。でもそんな出会いは常日頃から転がっているわけではない。

だからこそ自分から一歩踏み出せるような勇気を持ち合わせたい。それではまた次回!

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