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読書記録「N/A」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回読んだのは、年森瑛としもりあきらさんの「N/A」文藝春秋 (2022)です!

年森瑛「N/A」文藝春秋

・あらすじ
中学生の頃、いつもだったら読みもしない保健室だよりが目に止まった。

『低体重は月経が止まる危険性があります』

その日の夜から、まどかは炭水化物を抜くようになった。

現在まどかは高校2年生。女子校の中では顔立ちが良い方で、かりそめの男性として、学園生活を謳歌していた。

まどかには恋人がいる。かつて教育実習生としてやってきた大学生のうみちゃんという年上の女性。

かつて異性と付き合った時、この人は"かけがえのない他人"になれないと知った。男と女では、彼氏と彼女という関係になるそうだ。

その友だちとはかけがえのない他人になりたくて、恋人というものはかけがえのない他人とは違う、どちらかというと遠ざかる気がするから嫌だという説明をすると、友だちは、普通はかけがえのない他人のことを恋人と言うのだと諭してきた。

同著 25頁より抜粋

ならば同性ならば"かけがえのない他人"になれると思った。ぐりとぐらのように、がまくんとかえるくんのような二人組に。

まどかは親友と呼べるような"かけがえのない他人"同士の関係になりたいだけであった。

だが、世間ではそれをLGBTと、レズビアンと、同性愛者と呼ぶそうだ。

そんな少数派に対して、かけられる言葉はぎこちない。コロナが流行りたての頃、どう励ませばいいかわからなかったかのように。

先日読書会にて紹介を受け、会社の図書スペースにあったのを発見し紐解いた次第。

その前にも違う方からSakumag Collective「We Act! #男性特権について話そう 」という本の紹介を聞いた。

女性の権利とか、性別に対する考え方に意見を持っている人が最近多い。

正直私は、あまり考えたことがなかった。と言うよりも、気にしなかった。

多様性を認めるとか、価値観を受け入れるとか、考えなければならないなと思いつつ、でも考えたところで何か答えが出るわけでもないと。

ちょうどその本を紹介があった日の読書会に、とても気持ち分かると語る参加者がいた。登場人物のように、男とか女とかの性別がよくわからないと。

人によることではあるが、周りからしたらとても慎重な話題と思っているけれども、当の本人は気にしていないことも多いと語る。

無論人によっては嫌悪感を覚える方もいる。それは仕方がない。必ずしも全ての人に受け入れられるわけではないとも仰っていた。

私は、今まで知らなかったことを知ることが楽しいと思って読書会をやっている手前、知らない世界に触れると非常に勉強になる。

だから読書会の時間だけは、どんな話であっても受け入れるように、絶対に批判や批評をしないように伝えている。

だから、自分の本音を語れるような場があるのは、とてもありがたいことだと伺った。

そして、気にしないことは、優しい世界に近いとも伺った。

難しい問題だ、と思っているのは、もしかしたら周りだけかもしれない。

ただしこれは、あくまでも一つの回答に過ぎず、もっと真剣に考えて方もいる。同じ立場になったこともないくせに、わかったような口を聞くなと考える方もいると思われます。

1つの本や1つの意見に流されず、自分の考えを持つために、沢山の本を読み、沢山の人に会うことが大事だなと、ちょっぴり考えたところです。それではまた次回!


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