読書記録「ムーミン谷の冬」
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
今回読んだのは、トーベ・ヤンソン 山室静訳「ムーミン谷の冬」講談社 (2011)です!
・あらすじ
先祖代々、ムーミンたちは11月から4月にかけて冬眠するのだが、この冬はムーミン一家で今まで起こったことがないことが起こる。
なんと、ムーミントロールが目を覚まして、それっきり眠れなくなったのだ。
ママもパパもみんな冬眠しているなか、家の半分は雪に埋もれ、玄関も窓も凍りつき、まるでこの世界には自分ひとりしかいないのではと。
最初こそ不安に怯えるムーミントロールだったが、初めて見る冬の景色に(それこそ、雪なんてものを初めてみたのだ!)、水あび場に住み着いた”おしゃまさん”やご先祖さまなどと、仲良くなったり、喧嘩したり。
でも太陽はなかなか顔を出さず、備えていたジャムも友だちにあげてしまい、蓄えがなくなっていく…。ムーミントロールが、長い、長い冬を通じてちょっぴり成長する物語。
ふらっと神保町の本棚を眺めているときに、ミステリーや歴史小説に紛れて、たった一冊だけあったムーミンシリーズを買った次第。
かねてからムーミンの名前は存じ上げていたが、物語を読んだことはなかった。お恥ずかしながら、トーベ・ヤンソンの作品自体はじめてな気がする。
ふと、最近冬の寒さを実感するタイミングは、往復の通勤時か、朝起きて布団から出る時しかないなと思い出す。
もとより、お外で遊ぶのがそこまで好きな方ではなかったが、子どもの頃と比べたら、冬に外に出るのが億劫になった気がする。まぁ、雪が降れば結構テンション上がるタイプだけれども。
冬は暖房の効いた部屋で、熱い珈琲を飲みながら本を読み耽るのが至福ではある(冷たいアイスがあるとなお良き)。
とは言え、何だかんだ、冬の肌寒さを感じていると、自分はちゃんと生きているんだなって思う。
作中で寒中水泳をしていたヘムレンさんも、こう言っていた。
毎年のことではあるが、年末年始は実家で過ごすため、大抵何もしない日が続く。いつの間にか駅伝の復路を見て、明日から仕事かぁと憂いて。
そんな日こそ、窓を開けて、冷たい外気に触れる。
冷たい風が部屋を通るだけでも、頭の中のもやもや感が、どことなく晴れる気がする。ドイツ語の「Warmduscher」のように。
もちろん、早く暖かくならないかと、春にならないかとも思うけれどもね。それではまた次回!
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