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読書記録「かもめのジョナサン」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回読んだのは、リチャード・バック 五木寛之訳「かもめのジョナサン」新潮社 (1974) です!

リチャード・バック「かもめのジョナサン」新潮社

・あらすじ
ジョナサン・リヴィングストンはかもめである。しかし、他のかもめ達とは異なり、飛ぶことを食べるだけの移動手段としてではなく、生きる目的と捉えていた。

ジョナサンにとって、何よりも大事なのはスピードだった。いかに速く飛べることが自由に至る道であり、そのためには他のことを蔑ろにしても構わないとさえ考えていた。

毎晩速く飛ぶための練習を欠かさないジョナサン。ついに時速342キロのスピードで「限界突破」を果たす。しかし、それと同時に、群れから永久追放の烙印を押されることとなる。

とは言え、もとより一人だったジョナサンにとって、追放など取るに足りないこと。

その後も飛行訓練に明け暮れるジョナサン。ある日彼の目の前に現れたのは、同じ考えを持つ、輝く羽を持ったかもめだった。

彼らについていくと決めたジョナサンは、まるで天国のような場所にたどり着く。

果たして、ジョナサンが速さの果てに得たものとは。そして、彼らは何のために飛ぶのだというのだろうか。

先月の東京読書倶楽部の読書会にて、参加者の方から「欲しい人いますか?」と聞かれた際に、いつものように”病気以外は何でも貰う”精神で、厚かましくも頂戴して、この度紐解いた次第。

寓話のような簡潔な文章であり、本文の間に幾度も実際のかもめの写真が挿し込まれているため、スラスラと読み終えてしまった。

最初こそ、公道でスポーツカーを乗り回していた奴が、地域住民から追放された後に、尊敬する走り屋に出会って、周りに迷惑かけないようプロを目指すって感じのストーリーかと思ってたが、どうやら違うっぽい。

読了後に色々考えることはあれど、個人的には「そこまでして速く飛べるようになったけれども、一体それが何なん?」と、思わざるを得なかった。

いわゆる天国のような場所にたどり着いたジョナサンだが、そこで技術を磨いた後に、その恵まれた場所を離れ、同じように群れを追放されたかもめ達に、自らの技術や教義(?)を伝えまわることを選択する。

てっきり、ここで学んだ技術を、世のため人のため(かもめだけれども)に役立てるのかと思っていた。

速く飛べることにより、これまで以上に食料を多く獲得することができる、天敵に襲われなくなるようになるなど、目に見える実益があるならば、群れに戻って、速く飛べる価値を教えるのも良いと思う。

しかし、群れに戻って彼らに教えることは、あくまでも速く飛べるようになる技術であり、最終的には「ここではないどこか」へ”自由”に飛ぶための方法である(ちなみに飛ぶを極めると、瞬間移動も可能となる)。

「まず、自分はすでにもうそこに到達しているのだ、ということを知ることから始めなくてはならぬ……」

同著 75頁より抜粋

この本を紹介された方が仰るに、上の考え方は仏教でいう「色即是空」に近しいものを感じるとのこと。

なんというか、修行を積んだ先にあるのは、天国へ到達する道というべきか。信ずるものは、救われるというべきか。

どちらかというと、この作品からは宗教的な側面が強い気がしたのは私だけだろうか。

無論、そういうことを知っている(あるいは信じる)ことで、ある種救われるというか、考え方として持っておいて損はないかもしれない。たとえそれが、ライフハック的な捉え方だとしても。

ただちょっと、よく分からなかったというのが、個人的な感想。ゆえに、他の人がどう捉えるのか気になった作品でもある。それではまた次回!

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