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雨は読書の天敵なり

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今日も1日中雨模様。今日みたいなザーザー降りの雨が降っている方が、個人的には気分が良い。

朝はお隣さんのカーシェードに落ちる雨音に耳を傾け、仕事中は会社の窓をつたって流れ落ちる雨水を眺める(働け)。

お花に水をやる手間も省けるし、なんか雨が街を洗い流してくれる感覚が好き。

そんなわけで雨は嫌いではないのだが、雨で本が濡れるのだけは避けたいところ。

かつてウィリアム・ブレイズが「書物の敵」で語っていたように、火や紙魚、無知と同じように、水(雨)は書物の敵なのだ。

特にこの時期は湿気で本が波打っちゃうのが悩ましい。部屋に書物くらいしかないからこそ、本の痛みが目に留まる。

物語でも、突然の雨は不吉の前兆や、好まざる出来事として使われる事が多い。

小川洋子さんの「博士の愛した数式」では、キャンプに行ったルートが、雨に打たれて風邪を拗らせてないか、気が気でないお母さんの姿。

住野よるさんの「また、同じ夢を見ていた」でも、自分は友達のために庇ってあげたと思っていたら、その友達は私のことを批難して、不登校になったように。雨が降っていた。

森見登美彦さんの「ペンギン・ハイウェイ」では、台風の日のお留守番のときに、「お母さんが死んでしまう」ことに気づいた妹がしくしく泣いているシーンがある。

不思議だよね。あれくらいの歳になると、誰もいない夕方、急に気づくんだよね。人間はいずれこの世を去るってことに。

町田そのこさんの「52ヘルツのクジラたち」でも、冒頭から雨に打たれてうずくまるキナコ(雨が直接的な原因でないにせよ)。

でも、止まない雨はない。新海誠さんの「天気の子」でもない限り、いつかは雨は止む。

むしろ、同じく新海誠さんの「言の葉の庭」のように、雨の日の公園で読書していたら、素敵な出会いに巡り合うかもしれない。……やらないけれども。

要は心の持ちよう。雨の日は億劫になることもあるだろうけれども、別の角度から見たら良いところだってたくさんあるのさ。それではまた次回!

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