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書を持ち町へ出よう

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

雨予報は何処へやら、お散歩日和の日曜日。

(諸説あるが)かつて寺山修司はこう言った。「書を捨てよ 町へ出よう」と。

だが私の場合は、「書を持ち町へ出よう」。

近場だろうが、遠出だろうが、取りあえず本を持っていかないと、うまく時間を過ごせない人間の一人である。

そんなわけで、読まなくなった本を大量に持参して、上野公園のイベント「池のほとりの本のみち」へ向かう。

湯島近辺の飲食店や書店さんなどが多数出店する、不忍池周辺で行われるブックイベント。

会場には、持ってきた本を交換できる「持ち寄り本棚」が設置されている。本棚から1冊頂く代わりに、1冊自分の本を差し替えるというシステムだ。

去年訪れた際は、神保町の古本まつりと日程が被っていたため、そんなに本を持ってこれなかった。

今日は私が読まなくなった本を、6冊ほど背負って向かう。

あちこちに持ち寄り本棚

買ったけれども、読む気が失せてしまった経営者の本や、教養のために買ったお酒の本など、持ち寄り本棚に置いておく。

代わりに私は、村上春樹さんの「海辺のカフカ」や酒井駒子さんの「森のノート」などを頂戴する。

改めて確認しに行くと、私が持ち寄った経営者の本がミステリーに変わり、お酒の本は純文学に変わっていた。

私が読まなくなったとしても、別の誰かが手にとって、持って帰ってくれる。ほんのり嬉しい気持ちになる。

ここにも持ち寄り本棚

たまたま私の目の前で、山内マリコさんの「あたしたちよくやっている」を置いていった女性を見かけた。

その本の帯には「毎日を果敢に生きる女性へ贈る33篇」とあったので、もうこの本がなくても大丈夫なんだと、勝手に想像している。

そんな感じで、持ち寄り本棚を眺めたり、公園のベンチに腰掛けて、本を読み耽る至福の時間。

昼食には、暖かい珈琲と、ちょっと贅沢なサンドイッチがあると尚良き。バゲットサンドとか良いよね。

もう10月も後半。日陰は少々肌寒い。けれども、珈琲を飲んで、陽の光を浴びると、体がじんじん温まり、「生きている」と実感する。

「書を持ち町へ出よう」でいいじゃないか。

わたしは、わたしのフツーを生きる……。
それで充分、それがいい。

落合恵子「絵本屋の日曜日」108頁より抜粋

そんな自称読書家の独り言。それではまた次回!

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