ドイツ

先日、日本の去年1年間の名目GDPがドル換算でドイツに抜かれ世界4位になった。子供の頃、日本はアメリカの次に豊かな国と学校で習ったが、気がつけば中国とドイツに抜かれた。何かのTV番組で、ドイツは労働者一人当たりの生産性が高く残業をほぼしないと聞き、毎日残業続きの河内のおっさんは、どんなカラクリで儲かっとるんや?と疑問に思った。

そこで「ドイツではそんなに働かない」(著者:隅田貫)という本を手に取った。

会社の目標達成のために合理化を図りながらも、より快適な働き方を実現するドイツ人の考え方が著者の体験談とともに紹介されており大変勉強になった。

なかでも部下との接し方については考えさせられた。詳しい内容の説明はネタバレになるため割愛させて頂くが、最近、河内のおっさんの身に起きたことに例えるとこんな感じである。

●Before(ドイツ人の考え方を参考にする前)
1)部下A君に任せていた仕事について、仕事の進捗を確認したところ完成品にいくつかの間違いが見つかり、取り急ぎ修正を指示。
2)河内のおっさんからの修正指示を聞いてる間、A君は悪びれる様子なく「そうゆうことっすか」を繰り返したのち、最後には「その考え方っておかしくないっすか?」と自分なりの意見まで述べてくれたが、すべて説明した結果納得し「今日でよくわかりました。明日修正したらお見せします」と自席に戻り、A君への説明で時間を取られたせいで残業する河内のおっさんを尻目に定時退社。(A君の仕事は期限まで余裕があったため残業してまで作業することは求めなかったが、「すみませんがお先に失礼します」の一言ぐらい欲しいところと河内のおっさんは心で思う)
3) 残業中、ふとA君から投げかけられた疑問により自分の中で整理できていなかったポイントに気がつき、頭がより整理され、業務改善に繋がる。しかし、全く悪びれる様子がなかったA君の態度にはイライラ。

●After(ドイツ人の考え方を参考にした場合)
1〜2)上記と同じ。
3) 残業中、ふとA君から投げかけられた疑問により自分の中で整理できていなかったポイントに気がつき、頭がより整理され、業務改善に繋がる。
4)翌日、A君に「君のおかげでより改善点に気が付けたよ、ありがとう!新たに〇〇のやり方を修正するから、これを踏まえて作業にあたってほしい。またわからないことがあったら何でも言ってくれ!」と伝える。こうすることで、疑問点などをすぐに聞ける風通しの良い職場ができ、報・連・相が活発になり、結果的に組織にとってプラスになる。

という感じである。
なかなか難しいが、大切なことは上司としてのプライドを守ることではなく、
①限られた時間の中で、部下の何気ない一言も大切にして業務改善に繋げるなど、組織目標を達成するために必要なことは全てするという意識を持つことと、
②課題の解決方法を考えることは、組織目標の達成のためにより責任を追う上司の役割で、一方、実際に上司が考えた解決策に向かって手足を動かして動くのが部下の役割、という役割分担を明確に意識することが必要だ。部下の態度にイライラしても、生産性はあがらない。

河内のおっさんは、令和の時代にあわせて少しアップデートした気がした。

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