【小説を書く⑤】説得力を持たせづらいからといって、キャラクターの人格を修正する必要はない。むしろそのくらい難しい人格の方が、書ききったとき魅力的になる

読者の求めるキャラクターを書くのではない、と前回言った。 なら何を書くのか。自分の中から生まれるキャラクターを書く。 あくまで自分の中にある初期衝動は、大切にしなければならない。 肝要なのは、最初に生まれたものを、手癖でなく誠実に、一文字一文字の精度を上げながら執筆し、それを見返すなかで、「読者への説得力はあるか」を考えること。 見返していると、説得力がないな、と思うときもくる。 そのときにやることは、キャラクターを変えることではない。説得力がないから人格を修正する、はあ

【小説を書く④】一貫した行動原理を持ったキャラクターは本当に正義か

【22世紀の家庭像】「模範的家庭」の押し売りに、うみねこの声を聞いた

【親しい人の死と風化】悲しい思い出を、時とともに忘れるのは善か悪か

【小説を書く③】中性的な文体をもっとも魅力的だと感じる理由

【運のよしあし】運が悪い、という人は実際に運が悪いのかもしれないが、それを言うことでいよいよドツボにはまっている

【無垢の盾】現場で純粋に頑張っているアスリートやアイドルがかわいそうだから、という理由で黒幕のダークグレーを裁けない風潮

【結局デザインが勝つ】僕たちは思ったよりも非合理的な印象に左右されている、という合理性

【境界の誤謬②】俺は長年、いくつもの例を見てきたから知ってるぜ、こんなのは○○じゃない、と声を上げるとき、選別する側でなくされる側

【境界の誤謬①】教え子と同じツールを使ったことのない先生が、教え子の青春の機微を想像するのはむずかしそう。でもそれが悲劇かというと、どうだろう

【彼の見ている私は誰か】チャップリンがチャップリンものまね大会で敗退した日の幕間

喜劇王チャールズ・チャップリンはチャップリンのものまね大会に、本人であるにもかかわらず出場し、敗退した。

【本の中は逃げ場という感覚がそもそも違う】物欲から解き放たれてはいないものの、僕らはきっと心理の重要性に気づきはじめている。ではその先の幸せは、どんな形をしているか？