川崎の大人紹介#1 ひでさん [前編]
川崎のまちをフィールドに活躍している大人にインタビューをする企画「川崎の大人紹介」。若者時代のお話や、活動のヒントを川崎の若者にお届けします!
記念すべき第一回目はかわラボも大変お世話になっている、石井秀和(いしい ひでかず)さんにお話をお聞きしました!
石井さんは大家さんとして、ハードだけではなくソフトも大切にしながら武蔵新城エリアのまちづくりに携わっています。
今では川崎で活動する人の中で知らない人はいないくらい大活躍の石井さんですが、どんな学生時代を経て今の活動に至ったのか、私たちもワクワクしながら聞いてみました!
1. プロフィール
(イラスト by はなちゃん)
2. 人生のお話(前半)
事前に紙に今までの人生をグラフ化していただき、それに沿って今までのお話をお伺いしました。
【新城での幼少期と中学時代】
- 石井さんってご出身も新城ですか?
そうだね。
生まれも育ちもここ(新城)で、外に住んだことがない。というか出してもらえなかったんだよね。「外に出たら帰ってこないでしょ」って言われてて。
家がずっと大家だったので、生まれた瞬間からこの家を継がなくてはと思っていた。
- そうだったのですね。小さい頃はどんな子供でしたか?
実は幼稚園の頃は体弱くて半分も通えてないんだよね。
でもスポーツを始めてから段々強くなってきて通えるようになった。中学の3年間はずっと軟式テニスを部活でやっていました。
【挫折から新しいコミュニティに飛び込んだ高校時代】
- グラフを見ると17歳で少し下がっていますが、ここではどんな変化があったのですか?
高校に入学してからは、軟式から硬式のテニス部に入りました。でも、めちゃくちゃ強い学校だったので高1の夏休みに部活をドロップアウトしちゃったんだよね。
その後、スポーツやめたら自分には何も無くなっちゃった気がしてしばらく悩んでました。部活に力を入れてる学校だったこともあり、途中から他の部活に入るとかもできなくて。
そこから、高2は何もできなくて、高3の時に「誰もやってないスポーツやってやろ」と思って、学外のアメフトサークルに入りました。
- ええ、突然アメフトに。
当時アメリカのプロスポーツが流行ってた時期で、アメリカのスター選手が日本のテレビのCMをやってたりしたんだよね。
それもあってアメフトやってみたいなと思って、当時はインターネットなんてないからサークル募集用の雑誌見て電話して「入れてください」って。
【アメフトで新しい価値観に出会った大学時代】
- サークルではどんなことをされていたのですか?
社会人サークルだったのですが、高3で入り、大1の時に運営に誘われて社会人リーグの運営に関わっていました。
そこでの活動で人と話したり交渉したりが得意になったと思うんだよね。
- そこで新しい一面というか、石井さんの中に秘められたものが見えてきたのですね。
そうだね。
一個下のメンバーとかも「石井さん」とは呼んでくれてるんだけど試合に入るとそんな歳の差なんか関係なくて。やっぱりフィールドのスポーツだから。そういうのを経験すると、高校の時なんで一個上の先輩にあんなにペコペコしてたんだろうって思っちゃったんだよね。
それまでは他人に気を使いすぎて自分を表現するのが苦手だったから、人間関係が大変だったけど、交渉で自分のことをちゃんと説明できるようになったり、逆に周りみんな大人だったから許してくれる環境で。そんな環境にいると自然と自己表現ができるようになったんだよね。すごく人間関係が楽になった。
- そうだったのですね。でも最初サークルに電話をかけてとか緊張しなかったんですか?新しいコミュニティに入るのって尻込みしちゃいます。
多分ね、一年半悩みすぎたんだと思う。
中学の頃からずっと目標を持って頑張ってきたテニスをやめちゃって。でも諦めきれなくてテニススクール通ったりはしてたんだけど、そんな強くないから「俺は何ができるんだろう」ってすごく悩んでた。
夏休みになってもやることなくて、今でも覚えてるけど「タッチの再放送見続ける」みたいな生活をしてた。あと、部活辞めたおかげで学食にも行くのが怖くなったし、学校を辞めようと思ったことも。
それだけずっと悩みきってて「とにかく自分を変えなきゃ」みたいな意識がすごいあったんだと思う。
だから今でも「何していいかわからない」って他人が言ってるとその気持ちがすっごいわかる。
- そんな悩みから一歩踏み出して外のコミュニティへ。その変化がすごく大事だったのですね。
すごく楽になったんだよね。
インハイとかの目標は無くなっちゃったけど、大人に信用されて仕事を任されることが嬉しかったのかなと思います。単純に大人と一緒に遊んでもらえたのが楽しかったし。
- なるほど。家族でもない、学校の中の人でもない「ナナメの関係」が大切って言いますけど、石井さんが「ナナメの関係」に出会ったのはこのサークルでだったんですね。
ほんとにそうだったと思う。
歳の差3年に集約された1000人くらいの環境しか知らなかったのに、学校外にぽんと出てみたらすごく価値観が変わって。
わけわかんないとこ連れてかれてたり、くだらないことしてたけど楽しかったんだよね。今でも思い出すくらい。ほんとに自分にとって原点かもしれないですね。
だから「違う価値を見つけられる環境なら外でもあるよ」って今は子供にもよく言ってます。学校で悩んでるなら積極的に外出てみなって。
- すごい。いろんなヒントになる言葉が…
この原体験へのお礼もあるから、自分の中では今でも続いてるんだよね。
いろんな新しい人と出会って新しいことをやってみる。怖いけど。きっと何か変わるよ。
川崎の大人紹介#1 の前編は以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
後編では就職から今の地域での活動を始めたきっかけなどをご紹介します〜
お楽しみに!!
後編も読む→ https://note.com/kawa_lab_/n/na7ee0b36bfc7
取材メンバー
(聞き手)えびちゃん(書き手)はがちゃん(写真)ひーちゃん
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