見出し画像

ユーザーを起点に、業界の構造を変えたい|王者のいるEC業界にスタートアップが挑む

2023年10月、カウシェは取締役1名と執行役員3名を新たに迎えた新組織体制を発表いたしました。
今回新たに取締役として就任した山田悠太郎(以下、yutaro)は、コンサルティングファームからスタートアップ、そして上場企業の執行役員と今までカウシェにいなかったような経歴の持ち主。今までどんな経験を積んできたのか、そしてなぜ今カウシェに入社したのか、話を聞いてみました。

山田悠太郎(Yutaro Yamada)
東京工業大学大学院MOT修了。2012年にドリームインキュベータに新卒で入社、その後独立系ファームでの執行役員も含め大企業への戦略コンサルティング、ミッドキャップ企業のバリューアップに従事。2017年にはAnyPayにてブロックチェーン事業の立ち上げ・責任者を経験した後、2019年ツクルバに参画。翌年より執行役員として事業開発を担当後、GMV100億円への事業成長を事業部長として牽引。2023年8月よりカウシェに参画、同年10月取締役兼執行役員に就任。

常識を疑い、新しい価値を生み出すスタートアップでの仕事とは

——本日はよろしくお願いします。新組織体制になり、カウシェ代表で右脳派のMonさんのもとに左脳派なyutaroさんが参画し、バランスの良さを感じていました。新卒ではコンサルティング会社で仕事をされていたとのことですが、当時のことを教えてもらえますか?

よろしくお願いします。学生時代、「これがやりたい!」が明確ではなかった私は、まずは自分の基礎力を最短で鍛えて伸ばし、将来やりたいことが見つかった時に選択肢が広がっている状態になりたいと思い、戦略コンサルティングファームに入社しました。
当時の仕事を通して、本当に鍛えられました。普通の人の2-3倍は働き、体力的にも精神的にも辛かった分、実質5倍くらいの成長ができたと思います。

一般的な戦略コンサルティングファームだと、コスト削減やデューデリジェンス(企業の経営状況や財務状況等の調査)など、手順の決まったプロジェクトが多かったりしますが、私は新規事業立ち上げプロジェクトに多くアサインされました。そこには答えも道筋もないので、知識・論理整合だけでは付加価値が出ず、何か非連続なアイデアや業界内では絶対に出てこないような考えを持ち込むことが求められます。
決まったことを決まったお作法でやるのでなく、いかに新しい価値を創り出していけるのか...ある意味、人とは違うひねった考え方を常にする癖が強制的につけられた感じでしたね。それがその後の、常識を疑い、新しい価値を生み出すスタートアップでの仕事に生きているのかもしれません。

——その後、スタートアップに転職されましたね。

はい。戦略ファームのクライアントである大手企業は当然それまで築き上げた事業アセットを保有しているため、新しいことをしようにも既存の仕組み・商流をケアしながらやっていかざるを得ないんですね。しかし、本当に世の中に求められる事業やサービスは、何のしがらみもない状態でゼロからでないと創り出せないのでは、と疑問を持ち始めました。
本来は、時代が変わればビジネス環境もテクノロジーも人の趣味趣向も変わり、最適な事業・サービスの在り方も変わるはず。その再構築を最も動きやすい立ち位置で、そして自らの力で創り出したいという思いが強くなり、スタートアップに入ることを決意しました。

ユーザーを起点に、業界の構造を変えたい

——確かにyutaroさんの経歴をみると、スタートアップの1社目は金融、2社目は不動産と、大企業が既存市場で大きな力を持っている業界に挑戦してきたイメージがあります。

まさにその通りです。
例えば前職で従事していた不動産業界。実は不動産仲介業者の数はコンビニより多いと言われています。それでもその多くが高利益率という特異なマーケット(普通は事業者の数が多いと競争で利益率は下がっていきます)。その理由は、家の売買という人生の中で経験することが極端に少ないイベントだからこそ、顧客と事業者の間に圧倒的な知識差が生まれ、そしてその差が利益の源泉になっているからだと思います。
事業者からすればこの構造のおかげでどの規模の会社でもある程度利益を出すことができるので、わざわざ業界を変える必然性は生まれにくい。そんな市場であえて顧客優位なサービスを作り上げることで、お客様の体験を大きく変えながら会社としても成長し、また業界の変革ができるのではないか。こういった思いで不動産業界に入り、執行役員、事業部長という立場で仕事をしていました。
実際には、働く中で大きなハードルがあり、100%やり切れたかと言えばそうではありません。様々な理由でやりきれなかった悔しい気持ちを、次こそはという思いで、カウシェに参画しました。

yutaroさんがカウシェ入社時にメンバーに披露したプレゼン「成し遂げたいこと」

勝てる事業を作る、勝ち切る

——次のステップとしていくつもの選択肢がある中で、なぜカウシェを挑戦の場として決めたのでしょうか?

まず、先ほどもお話しした通り「主導権を事業者側から顧客に渡すことで、業界構造を変えることができるマーケット」で仕事をしたいと考えていました。そのような業界構造を変える上で、より大きな変革をするために、B(事業者)だけでなくC(個人ユーザー)にも関わるサービスだということが、自分にとって重要な条件でした。

また、今までの経験から、自身が得意とする領域はB向けのビジネスモデルや価値提供を作り上げるところだと自負しており、まさにダウンロード数が150万もありながら、まだまだスタートアップとして価値を作りあげている途中であるカウシェは、自身の力でゲームチェンジができる、挑戦すべき領域なのではないかと思いました。

その後調べていく中で、日本のEC化率はたった9.13%※と、世界と比べるとまだまだ低く、ますます伸びていく市場であるにもかかわらず、巨大ECプラットフォーマー数社が既に市場を席巻し、激しい競争が行われていない状況に違和感を覚えました。既存大手ECのビジネスモデルは「広告ビジネス」がメインです。どんな広告をどれくらいの費用で出すかで、どの商品が売れるか決まっていく。事業者がいいものを作るかより、広告費をいくらかけたかがより重要となっています。広告費がたくさんかかっているから商品が高くてもいいよね、なんて言うユーザーはいやしません。構造を変えるチャンスがあるのではないかと考えるようになりました。
※物販系分野のBtoC-EC市場規模 令和5年8月 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 

カウシェはそんなEC市場の中で、人と人とのつながりをベースとし、「楽しい」を軸にサービスを開発している企業です。この業界では、追求する顧客メリットとして「利便性」を掲げる企業は多くても、「楽しい」を掲げる企業は聞いたことがなかった。ユーザーに対するポジションが他社と全く違うことに衝撃を受けました。

ビジネスをやる以上、我々「株式会社」は必ず儲けを追求せねばなりません。そしてECビジネスを真っ当にやると、儲けるために広告モデルになることは先人が証明しています。しかしそれは本当にお客様のためになるのか。既存のECとは違う「何か」があるカウシェだからこそ、お客様と事業者の幸せを両立させつつ、我々も堂々と儲けを追求しながら作り出せる世界線があるのではないか。情熱的な性格の代表の門奈(Mon)だけでなく、冷静で論理的な性格の取締役の前本(kota)がそう語るのを聞くうちに、私もここで挑戦したいと思うようになり、カウシェへの参画を決めました。

yutaroさんが入社時にメンバーに披露した「自ら掲げるミッション」

——実際に入社してみていかがですか?

実際に中に入ってみると、想像していた以上にやらなくてはいけないことがたくさんありました。(苦笑)これぞスタートアップだなという感じです。
私は今、取締役という立場以外にも、流通本部の本部長も兼任しています。そこではカウシェのお客様が欲しい商品を、事業者にとっても嬉しい状態でカウシェで販売してもらう、そんな新たな仕組み作りをゼロイチで立ち上げています。
ここを起点にB(事業者向け)とC(お客様向け)、そして我々カウシェのメリットを一致させるPMF(プロダクトマーケットフィット)の小さい成功を、どんどん作って大きな塊にしていく。お客様にも、事業者にも、そして我々カウシェにも、三方良しとなる構造変革に挑戦していきたいと思います。

——yutaroさん、今日はお話しをありがとうございました。

カウシェのPodcast「Talks at KAUCHE」でもyutaroさんの回があります。ぜひご一聴ください。

取締役1名と、執行役員3名を新たに迎え、10/2に発表した新組織体制に関するプレスリリースはこちらをご覧ください。


この記事が参加している募集

入社エントリ

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?