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消費することの価値

今日は今朝読んだこの記事に関して思うことがあったので、書こうと思う…

文春さんは時たまこういう考えさせられる記事を書いてくれるから好きだ。
まずは上記記事を一通り読みにいっていただきたい。

100ワニ。
コロナ禍前に起こった悲劇的なヒーローだ。

恥ずかしながら、私も100ワニの100日を見送った一人だ。
当時は誰かのリツイートがかならずTLに流れてくるので、自分ではきくち氏をフォローせずとも毎日見ることが出来た。

最終的に起きた事件は彼の連載終了後の盛り上げ方にあったのだが、
今回はこの記事の抜粋から思う私の解釈を追記する。

▼現代の興味関心の向け方

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日本は広告の仕掛け方が上手い国というか…実はアピールがどこよりも過激な国だと思う。
町や電車、今やネットにもこういった『自らアピールしていく行為』がはびこっている。

今回の100ワニに関しても、きくち氏がどこまで戦略的にしかけていったかは謎だが、彼のような『カウントダウン方式』がTwitterの中で創作として扱われたケースは珍しかったはずだ。
私個人としても、創作者っていうのは大体長くつなぎ留めたいがためにダラダラと投稿を続けようとしてしまいがちだ。
ブログやこういったnoteもそうだが、自分を奮い立たせてまで動画や記事を書き続けている人は多くいるのだ。
そんな中、まるでそういった作り手のエゴを欠いてまで自分の作品を限定づける投稿スタイルは『限定品』や『希少価値』が極めて好きな日本人にはもってこいなインパクトになった。

▼企業と作者が思う『消費者』という概念の相違

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先ほどの投稿スタイルで得た、創作者(作り手)としての消費者へのアピールの仕方に対して、
同じ目線で挑めてない企業側が見る消費者との相違。
これが今回の事件の発端にあるのではないか。

私が前職で長く接客を行ってきた中でも似たようなスタイルの相違は起こりうる。

よく買ってくれる顧客が必ずしも新商品や会員優待に積極的かといえば、
彼らほどお店や商品に対する価値観がしっかりしていることに気づく。

それはハウスカードを囲い込んだものの、結局クレジットポイントやマイルがたまる他社併用のカードの方に流れていく顧客と一緒で、
消費者は『自分の中のメリット』を結局選択していくのだ。

▼消費者の興味の値

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話を消費者目線で戻していくと…
私たちは100ワニに何を期待していただろう。

記事でもあるように、『日常の共有や共感』『私たちと同じ世界の様で実は別れ(終わり)のある憂い』とかそういういわば感情面での寄り添いが何より大事であったとうこと。
SNSに対して求めることを企業はまだ把握できていない。

販促としてのSNSの成功例がいまだきちんと確立できていない世界のTwitter。
ただし企業は次々にソーシャルメディアにそういった消費拡散を図ろうと躍起になる。
だが、結局ユーザー先行型のネットワークが主であるが故の代償はこういった企業とユーザーの価値観の相違だ。

感情や精神的な癒しだけを期待して、むしろ作り手と読み手がすでに成り立ったコミュニティに対して、横から新たな価値観を押し付ける企業の思惑は実は嫌悪されやすい。

コンテンツにもよるが、こういったストーリーやキャラクターへの執着があるものというのは本当に繊細なものと思った方がいい。

▼アウトプットの多様化

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最後、こういった文で締めくくる意味にも現代のリスクをうまく利用していく術が隠れている。

良くも悪くも『炎上商法』という言葉がSNSには昨今成功例になりつつある。
今回の100ワニ騒動もそうで、結局消費につながらずとも…100ワニ自体のコンテンツを拡散させることには成功した。

現にこの記事を作成できたこともある意味『気付き』に値する。


ソーシャルメディアにとって何が一番求められているか。

『発言』だ。

言葉や文章に起こすことで発信力こそがTwitterに関しては強みである。
現実世界の消費ではなく言葉を発言することの消費が実は拡散であり、影響力がでる行為だということを教えてくれた気がする。


何はともあれ、天国のワニ君は成仏されただろうか……。。。。

今一度、自分の発言力について考えてみてほしい。

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