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纏うは装うこと?(ドレス・コード?展感想)

コロナ禍と、無職無収入な中でなかなか足を運べなかった美術展。

コロナ後一発目の展示は、新宿オペラシティギャラリーで開催中の『ドレス・コード?ー着る人たちのゲーム 展』になりました。

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広告ビジュアルからして、かなりサブカルを意識したつくりの本展。

入ってすぐ、円状の大きなミラーが壁に。

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ここで自身を自撮りして、自らを映し、自らを展示品の一部にさせるという…まさにファッション展示らしい仕掛け。

昨今はSNSを意識した写真OKなエリアや作品、ハッシュタグの指定を促す美術展示が主流だが、ここもそういった取り組みがみえる。

本展ではここを含めると全部で6ヵ所カメラがOKな箇所がある。

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私はすべては映していない。それはまぁ…見てみればわかる。


▼オペラシティギャラリーは、二階に別れたつくりで…一階(3F)を巡ったあとに二階(4F)に上がって終わるという順路。

今回私は、一人で回ったんですが…一回エリアだけで2時間も要した…

二階に上がる前にもう疲れちゃって…休憩挟んだのもあるけど…15時~入館して…退館したの18時半って…(爆)すんごく見ごたえはあるんですが…情報量が多すぎるので心してかかってください!めっちゃ目と頭がつかれます!

この展示の前に何か用事を入れるべきではないし、この展示のあとにも用事は入れらえない!と思ったほうがいい。

▼印象的なスポット毎のテーマ。

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一階のエリアで、一番見ごたえがあったのは、

▼02組織のルールを守らなければならない?

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個人的にスーツがすきなのもあって、ずらーっと並べられた1950~2015年代の男女のデザイナースーツを着たトルソーが並ぶ。

2体が縦一列に18体、中央手前に1体。計19体。

圧巻でした。時代とともにスーツも進化し、トレンドに合わせたデザインやカットになってるのも懐かしさを感じるし、こうやって並べられないと変化に気づきづらいのがスーツという正装着なんだと思い知らされる。

▼03働かざる者、着るべからず? 

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画像はパンフレットからの抜粋だが、要は以前は”労働服”であったデニム”軍服”だった『迷彩着』『トレンチコート』が時代と共にその根源を変え、ファッションという世界を席巻していったとう軌跡をたどれる。

デニムや迷彩のデザイナーを見ていくと、私のような30代や40代には馴染みのある『ギャル全盛期』を思わせる浜崎あゆみやエイベックスアーティストがよく多用していたデザインやブランドが見えて…すごく良かった。

トレンチは確かに今や春秋の定番服にまで上り詰めていて、その根源を知る者は少ない気がするが、ユニクロのそぎ落としを果たしたコートのデザインが如何に昨今のトレンドを作っていったのかが垣間見れる。

▼06教養は身につけなければならない?

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今展の最大の魅力がこのトルソー展示なのだろうが、単なる『ハイブランドファッションの展示』だとくくるのは勿体ない部分もある。

確かにブランドに偏りがあり(コムデギャルソンがとにかく多い)、見ていてあまりにも現実味のないファッションが多いと感じてしまうが…ブース毎の意味を理解して進んでいくと、そのトルソー一体一体に変化や気付きがあることを忘れないでほしい。

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メインビジュアルにもなっているこのコムデギャルソン2018年春夏の3体。

▲この3体は写真がOKなので、すみずみまで見てほしい。

デザイナーである川久保氏の概念を垣間見れるデザインの誇張。2年前のサブカルブームを全面に出した『ジャポニズム』の総称のようなこの着物ドレス。

↑のトルソーは柄を見やすいように袖を広げて見せているが…私からすれば着て歩いているシーンのほうがもっと魅力的だった。

後ろから見ると羽織の様な着物かと思いきや、前にまわると…実はドルマン袖のシャツになっている。赤子紐のような前掛けがどこかショルダーバックの様で、幼稚さとかわいさを助長していて面白い。

▼是非このブースに同時に流れている2018春夏コレクションの動画もみてほしい。この3体以外にもたくさん魅力的なドレスが多々見れる。

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↑上記デザインには、竜の水墨画をインクジェットプリントされていて、裁断の仕方にも意図が感じられる。

女性が着た時に現れる曲線を服にもあえて誇張させてバルーンにさせたり、あえてフリルを足したり…肌を見せたい場所も、脚線と曲線がうまくおりなってるなと思える。

▼名画をプリントしたドレス

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このデザインも、前後で全く違うシルエットを魅せる。

名画のプリントにばかり眼が行ってしまうが…よくよく見るとその手の込み方が異様だ(笑)

袖付けが前はまったくパフにする必要性なんてないのに…あえてパフ。

どちらかというと…この服はサイドから見たほうが面白い。着せ替え人形に服を張り付けるかの様な縫製。プリントの配置も、あえて暗い色味をウエストや裾再度にもっていくのも視覚効果があって美しい。

▼07服は意志をもって選ばなければならない?

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このブースでは、女性の社会進出に大きく貢献した『シャネルスーツ』の遍歴や、昨今の ♯MeToo 運動に焦点を当てた展示が多くあった。

シャネルスーツは、私の世代からすると…すこし古い印象が多かったが、こうして並べてみると、時代にあったデザインだったのだと改めさせられた。

ツイードのデザインは、昨今ではあまりピックされていないが、イギリスの伝統の一つであり…『タータンはロックの象徴』というのがこの先(09ブース)にもあるのだが、ツイードは女性的なモチーフなんではないか?と思うわせる。

是非、細かなツイードが魅せる『女性の柔らかい中にある抗拒性』を感じてほしい。

▼08 他人の目を気にしなければならない?

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▲ハンス・エイケルブーム作の衝撃的なスナップ写真。

彼は世界中の町中を歩く老若男女問わず首から下げたカメラで納め続けて…被写体をテーマごとにまとめてフォトノートにした作品(1992~2019年)

08ブースの狭い壁一面にびっしり彼のフォトスナップが飾られており、テーマは書かれていないが、いつどこでどの時間に撮ったものなのかが記されており、彼の作品を眺めているだけで楽しいので…個人的には彼の個展があったら行きたいくらいだ(笑)

同じTシャツ、おなじショッパーを持った人、同じ色のジャケットやコーヒーを片手に持った人、、とにかくその多種多様なテーマを探るのが如何に楽しいか。

08のテーマである『他人の目』を主観、客観。どちら側からも鑑賞できる。

よくお気に入りの服やものを身につけて町に出た時、まったく知らないおばさんやおじさんが同じ服やものを身につけていて…良くも悪くも複雑な気持ちになる。というあれだ(笑)

↑上記のスナップ作品には少し古いが日本の一部都市でのものもあるからチェックしてほしい!


以上は01~09までに印象の残った感想でした。

そして今回、私が一番疑問に感じたブースが、この先の10~12の中に隠れている…。。。


▼▼2020.8.21 追記▼▼

会期中は、有料だった後半の記事がnoteの不具合なのか消えてしまっていました…。。

なので申し訳ないんですが…もう一度書く気力はないので…削除しました。。
楽しみになさってくれた方…ごめんんさい。。


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