katsuya_noriko

心理学の研究をしています。研究テーマは難聴者の精神的健康、情報リテラシー、当事者研究、…

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心理学の研究をしています。研究テーマは難聴者の精神的健康、情報リテラシー、当事者研究、障害者支援、抑うつなど。落語を聴くの演るのも好きです。研究、難聴、落語に関する記事を書きます。

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難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(21)

昔の日記を掘り起こして加筆修正して自分の体験をまとめている。 ほそぼそ難聴者の研究もしつつ、軽度難聴のわたしにはどう聞こえるのか、どう困るのか、書きためるようになった。 難聴の方へのインタビュー科研費研究でこのところ難聴の方にメール,対面,チャットなどいろいろな方法でインタビューをしています. お尋ねしているのは,聞こえの状態,聞こえにまつわる困りごと,ストレスに感じていること,それらにどのように対照しているかなどです. 目下進行中でありますが,まとまりましたら来年度の

    • 難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(20)

      昔の日記を掘り起こして加筆修正して自分の体験をまとめている。 軽度難聴のわたしには、どう聞こえるのか、どう困るのか、書きためるようになった。 こんなふうに聴こえる2軽度難聴のわたしには、どう聞こえるのか、どう困るのか、書きためています。 ---- 調査に協力してくださった方も書いておられたが、音、音声の出ている方向を 間違えることがたまにある。 教室で学生から正面以外の方向から呼ばれた時、 ぜんぜん違うあさってな方向に振り向いてしまいました。 「先生、あっちだよ」とつっ

      • 難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(19)

        昔の日記を掘り起こして加筆修正して自分の体験をまとめている。 就職が決まった2012年、例年になく平穏に過ごしていた。 今年のパーソナル三大ニュース実家に戻って。 年賀状を書こうという矢先に切らしてしまったプリンタのインクを大量に確保し、一日ぶんくらい食べ、ウルトラマン将棋で七歳児に負け、今からうちに戻るところ。 今年のパーソナル三大ニュースは、 ・就職した。 ・**大学の大学院に入った。 ・引っ越した。 でありましょうか。 今年もいろいろありました。 来年もどうぞよ

        • 難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(18)

          大学院で臨床心理学を学びながら大学で助教として勤める生活。自分自身の聞こえの問題はあまり考えなくなり、難聴者の研究をほそぼそと続けていた。当時のSNSの日記から。 今年の某心理系学会某心理系学会の今年の出番が終わった。 きのうは難聴研究関係のワークショップと難聴研究のポスター発表。 きょうは新型うつ関係のワークショップ。関心のある方が多かったのか、持ってきた資 料70部がなくなったうえにメールでの資料送付希望もいただいたのはありがたかった。が、話題提供の時間配分に失敗した

        難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(21)

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          ◆落語稽古日誌:第20回仔鹿寄席

          同じ落語教室でともに落語を学ぶ有志による落語会「仔鹿寄席」。ひょんなことから初めて幹事をつとめることになった記念すべき第20回。 出演者の皆さんとお客さまにたすけてもらってどうにか無事終えました。自分のネタは「湯屋番」でした。ご来場ありがとうございました。細かい話はまたいつか。 次回の高座は某高齢者施設の予定。

          ◆落語稽古日誌:第20回仔鹿寄席

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(17)

          大学院で臨床心理学を学びながら大学で助教として勤めるという生活となった。大学院の面接試験で難聴であることを伝えていたが、身体障害者手帳を取得できない程度の聴力なので大学に障害学生として届け出ることもなかった。困ることはあるけれど大学を通じて配慮依頼をすることもできない微妙な立ち位置でだった。当時の日記から抜粋。 大学院の授業大学院の授業。「心理査定演習」「研究指導」「心理基礎演習」の3科目。 -わたしが耳悪いことを知っていて、いろいろ配慮してくれるのはありがたかったのだが

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(17)

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(16)

          ポスドク中からの就活6年を経て、やっと常勤職に着くことができた。 就職しました昨年度で某大学某学部研究員を退任し,今年度より某大学某部の 助教(任期付)としてつとめることになりました。 昨日辞令交付式と教職員研修などを終えたところです。 某大学に在籍中は大変お世話になりまして誠にありがとうございました。 就活を6年してようやく常勤職につけましたので,精一杯つとめてまいります。 某大学大学院に受かった後に就職の話がきまったので,入学辞退するか迷いましたが, せっかく受かった

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(16)

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(15)

          自分の病気がわかる6年前のことである。 TOEICを初めて受けた。言葉の聞き取りができない病気なのも知らずにリスニングを必死に勉強するが何の効果も出ない。 TOEICの結果リスニング140,リーディング280の420だった。 リスニングはほぼあてずっぽうだったので予想していたとおりだったが, リーディングが予想以上に悪かった。 文章読解の問題では,書いてあることがだいたいわかったというのに。 文法問題での取りこぼし and ケアレスミスが多かったのかも知れない。 顔洗って

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(15)

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(14)

          難聴者の研究をほそぼそはじめるようになったが、さえない状況が続く。ちなみに自分の病気がわかる6年前のことである。 このところの状況やっと1週間の仕事が終わった。やっと12コマ終わった。 木曜日、10コマ過ぎたあたりから、もう声を出したくなくなります。 もう話すことがない、という気持ちになります。 昨日は午前中に東京某市で1コマ、夕方に神奈川某市で1コマ、 そのあとで東京某市で所属研究室にゆかりのある人で宴会でした。 授業の準備でゆうべ1.5時間くらいしか寝てなかったので

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(14)

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(13)

          前の記事で書いたように地震があって生活が一変してしまった。が、新年度がはじまり少しずつ日常になっていく。補聴器の体験記録は途絶えたが、かわりに手話教室に通い出した。 手話教室に行く先日某中途失聴・難聴者協会に入ったので、中途失聴者コミュニケーション教室に参加した。手話や読話などを学ぶ。 この日は年度始めということもあってか、入門から、初級、中級全体が集まっての合同大会だった。参加者は4,50名くらいはいたと思われる。年代は50代以上の方を多く見かけたと思う。 はじめに震

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(13)

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(12)

          東日本大震災に見舞われたときのこと。 地震による帰宅困難者体験・午前中から某建物6Fにある某研究所でデータ集計の続きをしていて大地震にあった。研究所のある建物は古い建物らしいので、崩れたら死ぬなと思いながら机の下にもぐっていた。とくに物は落ちてこなかったが、自分の机があるフロアの端っこのエリアはくずれやすいところなどと職員の方に言われてフロアの中のほうにいるようにした。うちと親に電話をかけるけど通じない。ネットは使えるのでヤフーやNHKのサイトで地震情報を見ていた。 ・1

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(12)

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(11)

          シリーズ途絶える「補聴器をつくるの巻」シリーズは前回記事に載せた14で途絶えた。非常勤講師の仕事が週に9コマと増え、非常勤研究員の仕事もあって寝ずに準備しないと間に合わない自転車操業になったからである。2010年のパーソナル10大ニュースに と書いている。この年の心理系学会の記録で「明日も難聴研究の★先生とお会いすることになっているので楽しみにしている。」とあってそれが影響したのだと思う。 2011年に入り、補聴器の記述はいっさいなくなった。非常勤で勤めていたある大学のス

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(11)

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(10)

          「はじめに」に書きましたが、過去に限定公開のブログやSNSに書いてきた難聴に関わる体験の記述を誰でも読めるところに公開しようと再編してこちらにのせています。10本目となりました。 補聴器をつくるの巻14補聴器をつくってから半年がたち,調整をしてもらうために補聴器屋に行った. 耳鼻科で補聴器をつくっていただいた技能者さんは不在だったが,かわりに女性のスタッフの方に調整をしてもらった. まずは使ってみた感触として,環境音はとれるようになったが,紙をめくる音や水道の音,コンビ

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(10)

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(9)

          補聴器をつくるの巻13「困ったこと・嫌だったこと」のつづき。 新型インフルエンザの対策で,最近は病院だけでなく乗り物の運転手さんとかお店の店員さんもマスクをするようになっている。これがまた弱っているのである。 マスク越しの声はこもっていて,もごもごとして聞こえるので,どうしても聞き取りにくい。 こないだ熱出して夜間救急診療所に行ったとき,マスクを付け慣れているからかお医者さんのいっていることはよくわかった。が,お店の店員さんなどは,ふだん付け慣れていないせいか,寝言を言っ

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(9)

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(8)

          補聴器をつくるの巻12前回は「補聴器をつくってよかったこと・うれしかったこと」についていくつか書いてみた。今回は「困ったこと・嫌だったこと」についてすこし書いてみる。 -- ◆こんなかんじに聞こえます ・「よかったこと」でも書いたが,環境音・物音は装着しない場合にくらべてよくひろえるようになった。自分の場合は,紙をめくる音,水道の音,PCのキーをたたく音,コンビニやスーパーのビニール袋をがさがさする音(世界で2番目くらいに嫌いな音),は明らかに大きいと感じる。音楽なんか

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(8)

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(7)

          この記事のもとになっているSNSの日記は2009年に書かれたもの。前の「補聴器をつくるの巻10」からずいぶんあいてしまっている。当時は大学の非常勤講師の掛け持ち時代、寝る時間削って授業準備、授業実施、授業の後始末の自転車操業の毎日で、SNSの日記もほとんどそればかりだった。たまに落語鑑賞日記、目標達成状況日記が入ったが。 「聴覚障害者であるということを,わたし自身が受け入れられるようになった」などと書いているが、別に良きものとして受け入れているわけではない。その昔にあった概念

          難聴の原因が希少疾患とわかって人工内耳になるまでの体験まとめ(7)