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娘がアメリカの名門ボーディングスクールに進学した話(2) 私について

はじめまして。となりのくまさんです。 書き始まる前に自己紹介します。

私は日本で生まれ25才のときにアメリカの大学院に留学。その後、3年間の日本駐在を除いて約25年間アメリカで生活。7年前に帰国して日本で外資系企業の社長をしていましたが、2020年にビジネスから引退。今は静かに余生を過ごしています。 

私が初めてボーディングスクールの学生たちに会ったのは2001年のボストンでした。大学院で教育を専攻していた妻がマサチューセッツ州のフィリップスアカデミーで教鞭をとることになったのです。学校を訪れた私が驚いたことはその広く美しいキャンパスではなくそこの通う学生たちが大変礼儀正しくマナーの良い子供たちだったことでした。フランクで、行儀が悪い典型的なアメリカのティーンエイジャーを見慣れていた私とってボーディングスクールの生徒たちは新鮮な驚きをあたえてくれました。 丁寧な言葉遣い、清潔な身だしなみ、目を見てハキハキと話す元気さ、旺盛な知識欲。そして教師や保護者に対する尊敬。自分の子供もこうあって欲しいと心から思いました。 アメリカの中等教育について無知だった私がその学校がアメリカの学生の憧れのボーディングスクールであることは後に知ったことです。あの学校の生徒たちに会ったときの衝撃は忘れたことがありません。それほど学生たちは輝いていました。

名門ボーディングスクールというと、エリートだ、富裕層だというイメージがあります。ある程度それは正しいのでしょうが、私が何よりボーディングスクー ルに興味を持ったのはとても「善良」な学生が多いということを肌で感じたからです。ここならば安心して子供を預けられると心から信じることができました。それほど彼たちが纏った空気は違ったのです。

それから18年後、自分の子供が高校進学するに当たってボーディングスクール進学を考えたのはこの経験があったからです。一人っ子を13歳から外に出すことのリスクは十分承知していました(私の娘は1年飛び級しています)。当然家庭がさびしくなることもわかっていました。それでも子供にとって最高の選択のひとつであることを疑いませんでした。アメリカの子供達にとってボーディングスクールが唯一の教育オプションというわけではありません。他にも優れた教育システムが多くあります。そして教育の基本は間違いなく家庭にあると信じています。しかし本人が強く進学を希望したこと、そしてあの学生たちのことを思い出し、あのような学生たちを一緒に生活するのならば大丈夫だろうと思い受験することにしました。私は一度もボーディングスクールへの入学を勧めたこともありませんし存在を教えたこともありませんでしたが、娘も強く進学を望みました。こうして娘のボーディングスクール受験が始まったのです。

コンテンツの内容は私の子供がボーディングスクール(BS)を受験した際に得た学校、そして受験に関する知識を基に書いています。また私の妻が以前BSで教師をしていましたので、彼女からの知識も入っています。私たちの学んだ知識を幅広く共有したいと思い立ち上げたものです。

グローバル化する社会。未来の世界を担う愛する子供の教育に興味を持っていらっしゃるご父兄は多いのではないかと思います。子供の教育にはいくつかのオプションがあります。何が最良なのかは判りませんが、親としていったい子供に対してどのような教育オプションがあるのか知っておくことは重要だと思います。 多くの保護者の方がアメリカのボーディングスクールについてご存知でいらっしゃると思いますが、受験の方法について書いてあるものは少なかったので作りました。興味を持っていただければうれしく思います。

私たちが受験を通じて学んだことはボーディングスクールやエリート大学への進学が大事なわけではなく、それにいたるまでの考えと過程が私たちにとっては重要であったということです。親が子供にとって何を残してあげられるかを考えたとき、私が考えた最も良いプレゼントは「自信」であり、「他人への思いやり」であり「教養」であると思っていました。このプレゼントはどこで教育しようとも、どの学校で勉強しようと達成は可能ですが、私たちは受験を通じで今までより一層これらのプレゼントの大事さを感じるようになりました。子供や親を見つめなおすよい機会になるのではと思います。


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