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ビジネス発想を鍛えられる本「実践リスキリング」

新年度、あけましておめでとうございます。

最近、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するキーワードで、「リスキリング」という言葉を耳にすることが増えました。

そこで、リスキリング関連の記事や書籍を読んでみたのですが、「実際、何をしたら良いのか」がよく分からないというのが正直なところでした。

そんな中、テレビCM等で著名な生命保険のサービスを実際に立ち上げた方が筆者である、リスキリングに関する連載を見つけました。
この連載では、具体的なDX事例やビジネス変革の着眼点が解説されており、記事をまとめて読みたいと思っていたところ、書籍になったという記事内のバナーを見て、買い求めたのが「実践リスキリング」という本です。

「実践リスキリング」は、どんな本?

この本は、WEB連載がベースになっているのですが、大幅に加筆・再編成され、学びやすい流れに体系化されています。

そのため、学ぶ過程で生じる「この新しい用語はどの用語と同じ階層として理解すれば良いのか」という迷いも払拭できるように、次のような体系に整理されています。

・17のビジネスの仕掛け
・リスキリングに有効な5つの手法
・9つの学びの仕掛け

全体が把握できるため、学習のゴールが見えることにより、学びのモチベーションが上がります。

ぜひ読んでいただきたい「コラム」

全4部からなる本書ですが、各部の最後に短いコラムがあります。

このコラムは、ぜひ読んでいただきたい。

現在は、リスキリングの講演や著作をもつ著者の方々も、元々は技術者であり、ビジネス変革の渦に巻き込まれ、「DXプロジェクトには、長年の経験や技術が役に立たなかった」など、長年培った仕事の取り組み方そのものを立て直す必要に迫られたリアルなエピソードが、4本のコラムに切々と綴られています。

概念や戦略を話して終わる講師が書いた総論的な本ではなく、いわゆる「自分のDX」をしなければならなかった「中の人」の危機感がひしひしと伝わってきました。

ITインフラの業務に長年従事してきた私には、「今、学ばないとヤバい」と共感する部分が多々ありました。そして、自分も学びを重ねれば、実践的なリスキリングの一歩が踏み出せるという勇気を得るコラムでもありました。

特に現在エンジニアをされている中堅・ベテランの方におすすめしたいと考え、同世代の同僚や知り合いに本書の一読を勧めています。

ビジネスパーソンなら誰しもが感じているAIやロボットの台頭、激変する世界情勢なとまの「時代の変わり目」を見抜き、先人が作った"ビジネスの枠組みの中で働く人"から、"ビジネスを生み出す発想をもつ人材"に再度成長できる手引きになってくれる一冊だと思います。

「実践リスキリング」には、単にリスキリングが何かを学ぶだけでなく、「リスキリングの実践」に重きをおいて作られた本です。社内でのリスキリング研修の実例も50ページにわたって紹介されていますので、リスキリングによる人材育成を検討されている方にも心強いガイドになると思います。

以上、「実践リスキリング」のレビューでした。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。


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