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宝くじが当たったら、仕事辞めます? -週刊カツオ #3

宝くじが当たったら。
ジャンボ、ロト6、BIGなど、テレビCMでもおなじみの宝くじ。人生が変わっちゃうくらいの高額当選が可能な宝くじはたくさんありますよね。

「宝くじで高額当選したら、仕事を辞めますか?」
という話題で、職場の人と盛り上がったことがある方も多いのではないでしょうか。

宝くじに当たったら、仕事辞めますか?
それとも、続けますか?

これは、妄想の話に留まらず、
「仕事の目的は何か?」
という深い質問ではないかと思うのです。

何のためにはたらく?

何のためにはたらくのか。
何のために生きるか、という質問と同じくらい重い質問ですね。

私は、家族と生きるために、はたらいています。
簡単に言えば、私のはたらく目的は、この一言に尽きます。

「家族を養う」という表現がありますが、100%自分が与えているという意味合いが自分には馴染まないと感じて、「家族と生きる」という表現を使うようにしています。
たしかに、家計の大半を占める収入は、私の仕事から得られる給与ですが、自分が働けているのは家族のおかげです。
過労によるストレスでメンタルクリニックに通ったこともあり、自分一人ではここまで仕事を続けて来れなかったのではないかと思います。

繰り返しになりますが、自分にとって最も大きな「はたらく目的」は、家族と生きることです。

ただ、それが100%か?というと、そうではありません。
(人間って単純な生き物では無い、とつくづく思います)

人はパンのみにて生きるにあらず、とよく言いますが、仕事に何らかの価値ややりがいを見出し、それが自分の原動力になっていることは間違いありません。
今回は、自分の仕事観について考えてみたいと思います。

はたらくは、傍楽

私がはたらく上で大切にしているのは、自分の周囲の人を楽にすること。
「はたらく」は傍(はた)が楽(らく)になること、と思っています。

私のTwitterの固定ツイートにも「はたらく意味」として掲げています。

このツイートをした背景には、以前在籍した部署が、社内政治によって、仕事が押し付けられることが多い状況になり、徒労感のある仕事が増えた時期がありました。
このままメンバーが忙殺されるだけではウチの部署はダメになる、何かしら価値に転じていけないか?と考えるようになりました。
そうは言っても、評価されるわけでもなく、仕事は増える一方。
理不尽な仕事の依頼を自分の中に消化するための、苦しい中での発想の転換でした。

今の苦しみは長くは続かない、いや、続かせてはならない。
自分たちが仕事を引き受けた分、誰かが楽になり、組織全体に少しでも貢献することができれば、まずはプラスになると考えよう。
落ち着く頃を見計らって、制度や手続の変更の改革を実施しよう。

同僚と一緒に、そのように考えて、臥薪嘗胆の日々を過ごしました。
改革案を考えて、実行しようと考えていた時に、私は現在の部署に異動となりましたが、その時の改革案はかつての同僚が少しずつ形にしてくれています。

ちなみに、ドラマ「半沢直樹」の中野渡頭取役で有名な俳優の北大路欣也さんも、共演する若い俳優さんに「君の演技で周りの人を楽にするんだ、それが"はたらく"だよ」とおっしゃっているそうです。

自分の仕事観を整理してみる

「はたらくは、傍楽」という言葉に集約される、自分の仕事観がだいぶ明確になってきましたので、整理してみたいと思います。

大きな仕事を成し遂げるのは大切ですが、その前にまずは自分の周りの人が充実した仕事ができる状態になることを大切にしています。
自分の周りの人が幸福感や満足感、納得感をもって仕事ができれば、組織全体が活性化し、それが成果につながるという考え方です。

これまでの仕事を振り返ると、直接お客様に対応する仕事も経験しましたが、どちらかというと情報システムや総務といった、インフラに関する仕事が長く、「縁の下の力持ち」といった分野が自分の性に合っているように思います。
そのような背景からでしょうか、自分の専門性を生かし、周囲を助ける仕事に喜びを感じるようになりました。
助かった、ありがとうという言葉をもらうと嬉しいですし、何よりトラブル無く日々の業務が円滑に進んでいくこと自体が、自分たちの存在価値だと思います。一方で、トラブルは無くなりませんので、トラブルを自分の力で解決した時の自己効力感も、仕事のやりがいにつながっています。
以上から、私の仕事観は「縁の下の力持ち」という言葉がぴったりかなと思います。

武器は変われど、人の助けはできる

さて、組織に貢献するには、何らかの強みや得意分野という、自分の「武器」が必要です。今まで、複数の部署に所属して仕事をする際に、武器が変わってきました。

情報システム部門では、不具合や業務プロセスを技術の力で解決。
広報担当としては、取材の丁寧さとニュース発信のスピードで勝負。
総務の管理職として、丁寧な調整や制度設計によって、ヒト・モノ・カネに関する諸問題を解決。

「武器は変わっても、人の助けになることはできる」というのが、異動を経てたどり着いた、私の心の置きどころでした。
▽2020年2月29日のツイートより

「武器になる」とはいえ、異動してしばらくは、その部署の仕事に関しては初心者ですので、武器を使いこなせるようになるまでには、つらい修業の日々があるのも事実です。
特に総務への配属初年度は、環境の変化がつらくて、悩み、苦しみました。
部署には自分より経験豊富な同僚と部下がいる中で、マネージャーとして職責を果たさないといけません。
しかし、その経験も今では血肉となり、情報システムにまつわる業務改善において、私自身の武器となっています。

若いころの苦労は買ってでもしろと言われますが、買ってまでもしたくはないというのが本音です。
ただ、修業せざるを得ない状況になれば、思い切って修業に没頭する方が、後々の強力な武器になってくれる可能性が高いと思います。
災い転じて福となす、という言葉もありますが、後から振り返ると、人生で起こる様々なハプニングは、成長の糧であったことは間違いありません。

最後にもう一度。宝くじがあたったら、仕事辞めます?

宝くじで高額当選しても、私は仕事を辞めないと思います。
(というより、宝くじが当たらない確率が高いです 笑)
厳密に言うと、はたらくことを辞めないと思います。仕事は年月を経れば変わっていくでしょうし、転職や起業など、自分から仕事を変えていくかもしれません。

当然ながら、私も年を重ねて老いていきます。
老いるまでに知恵や経験を得て、人を助けていけるような人間になれたらと思います。
老害と呼ばれないように、自分の傍らの人々が、楽になるように。

人を助け続けて、人生の終幕を迎えたい。
はたらくは、傍楽。

お読みいただき、ありがとうございました。

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