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なぜ店長が美術館に行くのか

今日は美術館に行ってきた。

美術館に行くのは約一年振りだ。
1年前はゲストハウスに宿泊して外国人に『オススメの観光場所はないか?』と聞かれて上の森美術館を紹介した。

その時が人生で初めての美術館体験だった。

正直に言って僕は絵とかそういったものに一切興味がなかった。
でも、『オススメの観光場所は?』と聞かれて東京タワー、スカイツリー、浅草、アメ横など東京都出身の僕じゃなくても分かるような観光場所を提案しても彼らは既に知っているのだ。

それらを体感して、なおかつもっと日本の魅力を知りたいからその国の人間、即ち日本人しか知らないようなことを聞いてきたのだ。

皆さんだったらなんて答えるだろうか?
僕はこの時初めて『20年くらい生きてきて初めて自分の国、文化について何も知らないんだな』と衝撃を受けた。

そして、美術館に入り絵や作品に興味とかなかった僕は『うわーつまらないなぁ』と思いながら時間を過ごしていると一緒に行った外国人に質問された。

それは美術館の展示品の時代が戦国時代ぐらいに入った時だった。

『なぜ、日本のブシがちょんまげの理由を知っていますか?』
と聞かれたのだ。

『そんなの考えたことねぇーよ』と思いながらその外国人は丁寧に僕に説明してくれた。

武士がちょんまげの理由は戦の出るときに被る兜の衝撃を和らげる際にちょんまげがクッションになるからだそうだ。

自分の国の文化を紹介しに行ったのに他国の人に自国の文化を教えられるというよく分からない状態だった。

そうして初めての自分の無知さに恥ずかしくなって初めての美術館体験は終わりを告げた。

別にだからといってそこで美術や自分の国について興味を持ち始めた訳ではない。

時が経ちまた美術館に行く機会が訪れた。
しかも、今回は自分が美術館に行きたくて行ったのだ。

一生美術館に行く人の気持ちなんか分からないと僕には思っていた。
でも、自分から行きたいと思う日が1年も立たない内に来てしまった。

なぜ行きたくなったか、というと自分の中でアウトプットする機会が増えたのだと思う。

noteやnoteのバナー画像をたまに作ったり、資料をまとめたり生きてきた中でここ数年が1番勉強していると思う。

そうすると自然と疑問が湧いてくるのだ。

バナーを作ろうとすると
『どの色の組み合わせを使うと1番見やすいのかな』と疑問を抱き
なんでその色の組み合わせを使っているか見に行きたくなる。

アウトプットの出し方とか相談されると
『なんでこの時代の人はこんな物を書こうor作ろうと思ったのか』と疑問を抱きその時代背景とか心情を知りたくなってくる。

美術館はいわば数々の人のアウトプット宝箱である。

作品を見ては勝手に頭の中で想像を広げては楽しんでいた。
初めて行った時は開始5分で飽きていたが、気づいたら1時間以上は経っていて周りの人が飽きていた。

そうやって自分で考え込えこむようになると時間はあっという間にすぎてしまう。

そして考えると勉強意欲が湧いてしまう。

今日行った『ポーラ美術館』は開国後日本とフランスの150年間の作品が展示されていたのだが

『なんで日本は鎖国してたんだろう』
『なんでフランスで浮世絵がそんなに流行ったんだろう』

と作品のことだけではなく歴史などにも興味が抱くようになってしまう。

これが勉強をするということだなと改めて感じた。

今までの年号と言葉を覚えるのはやっぱり勉強とは言えない。
その作品を作った人の当時の心情、時代背景など考えることは現実世界の生活に生かせる。

例えば、開国前の日本は独自の文化を守っていた為に世界を代表する作品を多く生み出して行ったが開国後は作品の質というよりはいかに売られるかになってしまい、段々質が下がってしまった。(質より量の時代の突入)

それで、作品の質の区別がつかなくなってしまう状態に陥ってしまったのだ。

これってよく考えると2021年の日本にも同じことが言えると思う。

歴史は目には見えていないが繰り返されているのだ。

だから、勉強するということは現実世界で生きる為には必要なことなのだ。
同じ失敗を繰り返さない為に。

今日はこうして美術館に興味がなかった僕でも楽しみになれるようになったので、実際何考えて見ているんだろうと伝われば幸いである。

(この絵はただ狼が豚やら鳥を美味しそうに食事しているだけなのだが、なぜか人から狼に食べる人が変わるだけで残酷な光景に見えてしまった。)

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