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つい先日まで30度越えの真夏日・・・なんて季節感の無いニュースが流れていると思っていたら、今日は初冠雪のニュースが。どうなっちゃうんでしょうね、気候。


さて、今日は知り合いの方のご紹介でとある企業の人事の方とお茶を。
初対面の方だったのだけれど、ひとしきり人事あるあるというか、共感する話がいくつも出てくる。

人事という職種の人々が、日常的にどんな仕事をしているかというのは、あまり適切な認知がされていない。

人事=採用 
というイメージを持たれていることが多いのだけれど、実際には採用というのは人事業務の一部にしか過ぎない。

給与の支払い手続き、社会保険の云々かんぬん、評価、社内外で発生する諸問題への対応、CX(顧客満足)とEX(従業員満足)を向上させるためのあれやこれや、それらのことが円滑に進むようにするための事前準備やネゴ、根回し、etc,etc,。

企業規模によって、組織の成熟度によって、人事担当者の位置づけによって、人事担当者の役割は異なる。
「面接を年間2,000件くらい実施します」という人もいれば、○○ハラスメントの調査と対応ばっかりやっていますという人もいるかもしれないし、制度設計みたいなことに取り組んでいる人もいる。

このように、会社という組織において、人事が関わらない仕事は無いんじゃないかというくらい、実は幅広く対応している。陰で。

にも関わらず、なぜ人事という組織が、なんとなくベールに包まれたような存在なのか。

単純に取り扱う情報の機密性が高いことが多いので、誰それに話して共有することが出来ないのだ。誰がどういう評価を受けている、誰それと誰それがハラスメントでバチバチしている。上司の○○さんには深刻な持病がある。そんな情報は個人情報でもあるし、広く開示したとろで問題が大きくなることはあれど、プラスの効果が得られることはほとんどない。

その他にも「期待権」という考え方がある。
例えば「契約更新を行う」ことを検討していて、人事がそのことをあるマネージャーに話したとする。その情報をマネージャーが部下の契約社員に伝えてしまうと、契約社員は「契約が更新されることを須らく・・・期待する」 すると、実際には契約更新の手続きを進めていないにも関わらず、契約を更新しないという選択肢を取ることが難しくなる。(期待権の侵害)
(この辺りは法律関係の知識や過去判例と照らし合わせながら個別ケースごとに検討するべき事案なので、これくらいのざっくりした説明にとどめておく。)

要するに、人事というのは先々の会社の動きについてかなり早いタイミングから把握をしていることが多いのだが、後々のトラブルリスクを回避するために、それらの情報が不必要に外部に流れ出ることを防ぐために必死なのである。
従って、人事がどのような業務に注力しているかということも、大ぴらに語れなかったりもするし、そういったことをなんとか探ろうとしてくる社員からは一定の距離を取ることが必要となる。

結果、人事は何をやっているのか分からない となる。


一方で、人事と現場の距離が離れすぎてしまうと、現場で何か問題が起こっていても、人事まで共有されるのに時間が掛かり過ぎてしまうリスクにつながる。(人事に共有される頃には収拾がつかないほど炎上していたりする)

そうならない程度に、人事は他部署の社員と交流や情報交換をしようとする。普段は部屋に籠って出てこないのに、たまにフラフラと現場に人事が顔を出すのはこのような意味合いもある。


とまぁ、こんな人事の事情というのは、人事未経験の方は預かり知らぬことだったりするのですが、人事同士であればアルアルというか、企業規模や業界が違っても人事として置かれている状況に大差はないので、共感しかないという感じになる。

ただ、企業規模、組織の成熟度、業界などによって人事のスタンスや注力ポイントは全然違ったりするので、時々他社の人事とお話をすることは非常に面白い。(といっても、私はもはや人事ではないのだけれど)


今日はたまたま共通の知人がいて、縁をつないでもらったのだけれど、こういうつながりってもっとカジュアルに得られればいいのにな。冬眠させているLinkedInでもたたきまくってみるかなー。


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