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就職活動が長期化しまくっている件について考えてみた。

大学3年の夏、どう過ごすのか。

下記は、リクナビに掲載されていた、
2023年3月卒予定の大学生向けの就職活動スケジュールだ。
驚くことに、もう就職活動は始まっているらしい。

2023_就活スケジュール

入社予定が2023年4月だとして、
2021年6月から就活を始めた場合、約2年近くも活動を行うことになる。
もちろん、内々定が出た段階で活動自体には一区切りつけることは出来る。
それにしたって、1年半くらいは就活に費やすことになるスケジュールとなっている。


正直な感想というか印象を言うと、

まぢ、大変そう。


いや、もちろん大学3年時にスケジュールされている、
自己分析とか、業界研究とか、インターンシップとかって、
就職活動においては、助走というか、極論をいうと全くやらなかったとて、就職は出来ると思います。

けれど、実際にはどれも大事だし、周りの友人たちが活動を開始して動き始めている中で、自分だけ別のことに取り組むというのは、精神的に結構タフだし、焦りとか不安も感じてしまいそう。


なんだけど、
でも、感覚的に大学生活(4年として)の半分近くも就活に充てないといけない状況っていうのは、ちょっと違和感を感じる。


そもそも論を言っちゃうと、
大学は自分の学びたいことを好きなだけ学び、より深い知識を得るための場所であったり、より多くの人と出会ったり、様々な社会経験を積み上げるための場所だと思うのですよ。
なのに、就活にこんなに時間的なウェイトを割かないといけないとすると、負荷がかかり過ぎている気がする。たぶんこれが、私の感じる違和感の正体なのだと思う。


というわけで、
上記の就活スケジュールの前半に充てられている、
「自己分析」「業界、企業、仕事研究」「インターンシップ」が本当に必要なのか、ちょっと考えてみようと思う。



自己分析 は必要なのか?

結論から言うと、自己分析はやった方がいいです。
ただ、私は自己分析大好き人間なので、ちょっと自分の価値観を押し付けている部分もあります。

でも、平たく考えてみても、
自己分析はやった方がいいかなと思います。
けど、そこまで突き詰めてやらなくてもいい、それくらいの感じです。

現状の自分について、下記くらいの項目が埋められればとりあえずいいんじゃないかと。

・好きなこと / 嫌いなこと
・興味があること
・得意なこと / 苦手なこと
・大切なこと
・仕事を通じて得たいもの(知識、技術、経験など)
・上記の理由(なぜなぜと3回くらいは掘り下げる)
(・上記の背景にある一貫性や繋がりが見えていれば尚良し)


私は15年くらい自分自身に対する自己分析を続けてきましたが、
自分の状況やライフステージなど、積み上げた経験によって自分像は変わりますし、たぶん自己分析に終わりはないと考えているので、
就活時期としては「20代前半の自分としては・・・」くらいで、その後に変わること前提でよいのかと。
(自己分析系の過去記事、よかったら参考にしてみてください)


業界、企業、仕事研究 はどの程度やる?

キャリアにおいて、こんな言葉があります。

人は、自分が知らない仕事に就くことはできない

当たり前っちゃ当たり前なのですが、
選択肢を増やすためには、多少の研究は必要かもしれません。
恐らくですが、学生の視点で見えている職業というのは、世の中にある様々な職種のうちの5~10%くらいな気がします。
#これぞ当てずっぽう。


では、何から始めていけばいいのか。
色々な方法があると思いますが、
業界については、業界本を一冊買って端から読んで、
そこに出てくる企業について、IR情報を見て、売上や利益、資本規模などを見て・・・・なんてやっていると、すぐに疲れて飽きてしまうので、
経理/財務職を希望する人以外は、興味があれば・・・くらいでいいと思います。

※逆に経理/財務職を目指す人は、IR情報は必読。余裕があれば、財務諸表からその企業が抱える課題や強みくらいは分析しておくとよいでしょう。

では、どういうアプローチを進めていくか。
例えば、こんな方法はどうでしょうか?

最近、自分でお金を払ったモノやサービスについて、
手元にそのモノが届くまでに、どんなプロセスを経ているかをリアルに想像してみてください。

例)洋服を買った。

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大枠はこんな感じ。
デザイナーが服のデザインして、
それをもとに工場で製造して、
店舗で販売された服が、消費者の手に渡る。
だけど、リアルさがまだまだ足りません。ちょっと追加してみましょう。

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ちょっと具体性を増やすとこんな感じ。
アパレル企業がデザイナーにデザインを依頼。
デザイナーがデザインを作って、アパレル企業に納品。
アパレル企業はデザインをもとに繊維メーカーと交渉し、必要な材料を発注する。
繊維メーカーは、繊維工場に依頼し、繊維を製造し、
アパレル企業の製造工場に納品する。
製造工場で、服を生産し、販売店舗に納品する。
販売店舗で、店員が顧客に接客販売し、最終的に消費者の手に洋服が届く。

これでも、まだまだ粗々です。
例えば、製造工場では、工場長がいて、現場で作業する人がいて、その進捗を管理する人がいたり、作業する人に教育する人がいたり、機械のメンテナンスをする人がいたり、品質を管理する人がいたり、梱包用の箱を管理する人がいたり、出荷の準備をする人がいたり・・・・と、実はたくさんの人が関わっています。

このように、自分が普段利用しているような身近なサービスについて、
自分の手元に届くまでに、どれだけのヒトの手を介しているのか、どれだけのモノが絡んでいるのかを、リアルにイメージして、解き明かしていくことが、ビジネス研究(業界、企業、仕事研究の複合版)なのだと思います。

ちなみに、仕事研究のコツは、
その仕事に対価を払うお客様が誰か(価値を感じている人が誰か)を考えると、何のための仕事なのかを理解しやすいです。



インターンシップはすべきか?

仕事理解という意味では、
一部のインターンシップを除いて、やる意味はあんまりないかなと個人的には考えています。

”一部"の意味あるインターンシップというのは、インターン用に企画されたプログラムではなく、仕事そのものを経験できるものです。
そういう意味では、企画もののインターンをやるより、アルバイトを深く行う方が意味があるように思います。(系統の違うアルバイトの掛け持ちは仕事の違いを感じやすい)


他にインターンシップ(企画/プログラム型)に参加する意味としては、
知り合いを増やすということでしょうか。
他の大学の人、その企業で働く人など、
普段の学生生活の中だけでは知り合えない人と知り合うきっかけを持てるというのは、一つのメリットだと思います。

また、企業の中の雰囲気(オフィス、働いている人)などを、
自分の目で見ることが出来るというのもメリットではありますが、
特に大手企業で実施されるような企画/プログラム型インターンシップの場合は、そもそもインターン生が入れるエリアを特定の会議室に限定していたり、フロアを区切ったりしている場合が多いので、そこまで内部にがっつりという機会は限定的かもしれません。



まとめ

さて、色々と書いてきましたが、
大学3年時からの就活「自己分析」「業界、仕事、企業研究」「インターンシップ」について、本当に必要なのか?ということを考えてきました。

結論としては、意味はあると思います。
けれど、そのほかの学生生活を蔑ろにしてまでやるべきものか?と問われると、やはり個人的には疑問を感じてしまいます。

もちろん、特別な機会なので、それらを人生の学びと前向きにとらえている人は、どんどん進めたらいいと思います。けれど、他に優先させたいことがある人にとっては、そこまで気にしなくてもいいのかな、と。


と、偉そうに書いていますが、
私自身は15年も前に就活をしていたので、
現在のトレンドを全く理解できていないかもしれません。
もし、何かお気づきのことや、違う視点での考えなどあれば、ぜひコメントで教えてください。



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ワタクシ、もともとは企業の人事として10年近く働いていましたが、
現在はキャリアコンサルティングやパートナリングを生業にしております。

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