「給料ドロボー」と呼ばれたことはありますか?
「給料ドロボー」
なかなかのパワーワード・・・いや、現在ではパワハラワードですね。
古いドラマや漫画の世界では、見聞きすることもあったこの言葉ですが、実際に直接的に言われたことがある人は、案外少ないのではないでしょうか?
中には、あまり成果が出せなかった時に、自分自身に対して「これじゃ給料泥棒だなぁ」と、自虐的に感じてしまう人がいるかもしれません。
さて、この給料ドロボーという言葉を使った記事を見かけました。
記事の内容を要約するとこんな感じ。
・勤務時間中に本来割り当てられている休憩時間とは別に、タバコを吸いに行く社員がいる
・喫煙しない社員は不公平さを感じている
・本来的には社員には職務専念義務があり、勤務時間中の私的行為は制限を受ける
・しかし、1日中ずっと仕事に集中し続けることは実際的には不可能であるため、”常識の範囲”でストレッチをしたり、同僚と雑談をするなどの行為は許容範囲とされる
・喫煙もストレッチなどの私的行為と位置づけは同じ
・よりよい就業環境を作るために、適度な休憩や私的行為は認められるべき
皆さんの職場では、休憩や喫煙に対してどのようなルールや慣習がありますか?
前職で人事を担当していた時に「業務時間中にネットサーフィンしている人がいる」という報告が上がってきたことがありました。
対象の社員は所謂コールセンターのオペレーター的な方で、お客様からのコンタクトがあれば即時対応、コンタクトがない場合は待機または自習という指示がされていました。
はてさて、この待機時間中の「ネットサーフィン」について、どのように判断をするでしょうか。
人事の基本、まずは事実確認から。
本人に対して聴き取りを行ったところ「業務に必要な商品情報を確認していた」と。
ふんふん、なるほどね。
前職はかなり多品種を扱う小売業でしたので、おおよそどんな商品を見ていたとしても「完全に業務と関係ないよね」と指摘することはできません。
が、
それくらいで人事をかわそうっていうのは、ちょっと甘く見過ぎです。
「どのような業務(お客様対応)で必要だったの?」と、さらに掘り下げてみます。
もちろん、人事だって暇な時間にネットサーフィンくらいしますし、それくらいでイチイチ目くじらを立てるつもりはありません。
正直に「暇だったんでネット見てました」と言ってもらえれば、「そういうこともあるよね」で終わりです。もちろん、暇にならないように業務量の調整などを後日検討します。
ただ、誤魔化したり嘘をつかれるような気がしたときは、きちんと”事実”を確認したくなります。これが人事の性なのか、先輩から指導された影響なのかは分かりませんが。
結果、すぐに業務とは全く関係がないことが本人の口から明らかになりました。
本人へのフィードバックとしては「暇だったら上司に何かするべきことがあるか確認しよう」という程度にとどめました。肝心なのは上司へのフィードバックです。部下の業務量と状態をきちんと把握しとるんかい?と。
冒頭のネット記事にも書かれていた通り、ずっと業務に集中し続けることは不可能ですし、ギチギチのルールで固めてしまうと働きにくい環境になってしまうので、息抜きも重要です。
ただ、それは大枠で管理・調整されていることが大前提。この時の上司はまだ若手で不慣れなところもあったので、目が行き届いていなかったこともあり、フィードバックをすることで改善を求めました。
管理と自由(+責任)、バランスが難しいところです。
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さてさて、
「給料ドロボー」という言葉、実際に言われたことがある人はいますか?
私は、過去に1度だけ直接的に言われたことがあります。
新卒で小さな小さなベンチャー企業に入社してすぐの頃、あろうことか勤務時間中に居眠りをしていたことがあり、先輩に「会社は給料ドロボーを雇っているわけじゃないんだよ」とフラットに言われて、一気に目が覚めたことを今でも覚えています。
それ以来、仕事中に眠くなることが全くなくなったので、当時の先輩には感謝しています。
給料ドロボーというのは、強い言葉ではあるので、いつでも誰にでも使えるわけではありません。特に最近ではハラスメントに対する考え方がとても厳しくなってきていることもあるため、適切な言葉とは言えなくなってきています。ただ当時の私にとっては、まさに目が覚める言葉だったということは間違いありません。
皆さんは、どんな言葉を使って気付きを与えますか?
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