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地域建設業をDXでおもしろくするために、noteを書きます。

はじめまして!
加藤桂太と申します。この度、noteを始めることにしました。まずは簡単に自己紹介をさせていただきます。

プロフィール

加藤桂太(かとうけいた):1985年、愛知県瀬戸市生まれ。私立東海高校卒、慶応義塾大学理工学部卒、慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。
現在、家業の(株)加藤工務店にて専務取締役を務める(4代目後継ぎ)。

主な経歴
新卒でAccentureの経営コンサルティング部門に入社。その後、政府系投資ファンドの産業革新機構にて、投資・M&Aおよび投資先の経営支援に従事した後、孫正義率いるSoftBank Vision Fundの東京オフィス立ち上げメンバーとして、主に海外を中心としたベンチャー投資に従事。
2019年より現職。

※先日マイナビニュースに自分のことを取り上げていただきました。もし宜しければ、ご覧ください。


加藤工務店について
愛知県瀬戸市に本社を構える、地域密着型の中小建設会社。愛知県内の公共工事を中心に、主に土木・舗装工事を手掛ける。
自社プラントを保有し、アスファルト合材の製造・販売も行う。


実現したいこと--「
地域建設業×DX」

noteを始める現在、加藤工務店に入社してちょうど1年半が経ちました。この間、建設業界のこと、土木のこと、経営のこと、現場のこと、採用や広報のこと、自分にとってはその殆どが初めてのことを経験してきました。

そして、自社がより魅力ある組織として成長していくために何ができるかをずっと考えてきました。

建設業界はレガシー産業の代表格であり、新製品の開発やマーケティングで一発逆転、という世界ではありません。ただし、教科書的に言えば、地域建設企業の経営戦略としては、”まちづくり”(地域内での事業多角化)、”サービス化”(コンセッション事業といったインフラ運営の民間受託)などなど、いくつか方向性があります。

私自身、これまで投資やM&A、新規事業立案に係わる仕事をしてきましたので、自分の特技を生かすべく、そのような可能性も模索してきました。しかし、そもそも資本も人材も不足している我々のような地域建設企業にとっては、事業の多角化やM&Aなどを自社のリソースでやるのは無理ゲーです

やはり、正攻法で行くしかなさそうです。技術者たちが日々現場に向き合うように、経営者も正面から土木に向き合い、コツコツと技術(現場)と経営の質を高めていくしかない、そう考えるに至りました。

では、どうすればその質を高められるのか?その答えは、最近バズワードのように取り上げられることの多い、DX(デジタルトランスフォーメーション)にありそうです。

DXと言えば、我々の主要顧客である地方自治体において取り組みが加速しています。建設業界においても、i-Constructionといって、測量・図面の3D化や建設機械の自動化など、国土交通省の主導で積極的に推進されています。

i-Constructionには入社当初より着目してきました。しかし、地域建設企業にとっては、i-Constructionはかなりハードルが高いです。技術的なハードルと言うよりは、そもそも、それに適したスケールの工事現場が無く、導入したところで大した生産性向上に繋がらないのです。一方で、導入に伴って追加的に発生するコストもあるわけで、まったく意味ないじゃんということになってしまうのです。

ですが、改めて社内の業務プロセスを見渡してみると、i-Constructionだのなんだの言う前に、IT・デジタル技術を活用してできることはたくさんあるように感じました。経営管理も、施工管理も、施工も、あらゆるところで変革の余地があります。

自分のこれまでのキャリアを振り返ると、仕事をするうえで多くのIT・デジタルツールに支えられてきました。Slack、Zoom、トムソン・ロイター、ユーザベースなどなど、様々なアプリケーションを自由自在に使うことで、仕事が捗る→良い成果が出せる→仕事が楽しくなる→そしてまた仕事が捗る、というポジティブなループが生み出されていたように思います。自分が本来持つ能力なんて大したことなくて、実際には、そのようなツールや職場環境のおかげで、仕事ができていたのです。

ほんの少しで良いから便利で、煩わしさから解放される。

そんなカイゼンをコツコツしていきたい。必ずしも、すぐに利益に直結しなくたって良いから、DXでポジティブなループをつくり、活気とチームワークあふれる組織にしていきたいと思っています。

世の中を見渡してみると、建設業界のようなレガシー産業をアップデートすべく、多くのプロダクトやスタートアップが生まれています。我々事業者にとって、とても喜ばしいことです。しかし、変わるのは自分たち自身です。自分たちにしか、自分たちのことを磨くことはできません。

「地域建設業をDXで、もっとおもしろく。」

その実現に向け、これから日々取り組んで参ります。

なぜ、noteを書くのか?

noteを書く目的は、3つあります。

①スタートアップとの関係構築
建設会社がDXを自社単独で行う力がないことは想像に難くないと思いますが、実際に大手ゼネコンは大手IT企業とともにDXに取り組んでおり、最近ではスタートアップとの協業にも積極的です。地域建設企業の立場では、そのエコシステムに加わることは簡単ではなく、これまでは自分自身の人脈・ネットワークを活かすかたちで、何社かと関係を築いてきました。

しかし、それにも限界があります。noteを通じて、自社の取り組みを発信することで、もしかしたら興味を持ってくれるスタートアップがいるかもしれない。PoC段階のプロダクトやアイデアがあれば、PoCのパートナー企業としてトライ&エラーを行い、課題の特定やプロダクトを磨いていくプロセスに貢献したいと思っています。

②採用広報
建設業界は、学生にあまり人気がありません。とくに、地域建設業になると、もっと人気が無いと思います。実際、これまで合同説明会などに参加してきて、やはり、3K(きつい・きたない・きけん)という言葉や旧態依然としたイメージが学生の中にあるように感じました。

これから社会に出ていく学生は、デジタルネイティブなZ世代。はたらく環境が、これまでの私生活より不便なものになってしまっては、とてもその仕事をしたいとは思わないでしょう。

地域建設業界は、インフラの老朽化、防災対応など、問題は山積みですが、次世代の担い手不足が、もっとも懸念される問題です。学生にとって魅力ある職場をつくり、加藤工務店で働きたいと思う学生を一人でも多く増やしたい。そして、IT・デジタル技術を自在に操る、次世代型の土木技術者を輩出していきたいと考えています。

③業界の発展に微力ながら貢献したい
地域建設企業には、ITを専門で担当している人は、なかなかいません。DXの推進担当となると、もっといないと思います。日々アンテナを張っているわけではないのだから、社外で色々なプロダクトやソリューションが生まれてきたとしても、その中から自社にとって必要なことを見極め、導入していく術がありません。

担当者が不在で、DXをどのように進めていけば良いかわからない。そんな悩みを持つ企業にとって、このnoteが少しでも参考となり、地域建設業の発展に繋がっていけば嬉しいです。

おわりに

建設業界って、たぶんあんまり世間のイメージって良くないけれど、良いところもたくさんあるなと感じてきました。

毎日が自然との闘いで、目の前のリアルから逃げずにカタチあるものをつくってる。みんなで協力しないと土木インフラってつくれないし、人との繋がりも深い。人情溢れるひとばかり。人間関係が希薄化しがちな現代において、日本の古き良き文化だなと思います。昭和な感じですね。

でも、レトロモダンという言葉があるように、伝統に革新が重なったときって、なんかすごい洒落てると思うんです。

DXって言うと、デジタルでカイゼン!ビジネス変革!みたいなイメージはあるけれど、BPR中毒になるのではなくて、良い文化を大切にしながら、スパイスみたいに新しいことを取り入れていく。そんなことを実現したい。

DXは定義が難しく、正解はありません。私自身、現時点でやるべきことがクリアに見えているわけでもありません。このnoteで読者の方々の反響を感じながら、自分たちならではの手作り感あるDXに取り組んでいきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

最後までお読みいただきまして、どうもありがとうございました。

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