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note小説 三十路のオレ、がん患者   第15回 初日 玉川温泉

ドスン!

バスを降りようとした時、後ろで音がした。

振り返ると、母が倒れていた。

バスが少し動いた拍子に段差から転げ落ちた。

幸い何でもなかったが、たまに母は転げ落ちる。

母が胃がんの時、ある地下駐車場に寄った時に同じような事が起きたのを思い出した。

大した段差ではなかったものの振り返ると同じように転げ落ちていた。

その時は手術を控えていたので、念のために救急車を呼んで事なきを得た。


さて。

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