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新教育格差は融けるか?高校生とClubhouseを使ってみた感想

毎週高校生とオンラインで集まって、ゼミを開いています。ゼミと言っても私が何か教えるワケではなく、高校生が各々取り組むプロジェクトをブラッシュアップする「探究ゼミ」や、Society5.0のツールやサービスについての動画を視聴して対話する「未来ゼミ」をやってます。

メガヒットSNSの黎明期を体感したい

アワードが終わり高校生の探究活動も一区切りついた1月27日のことです。「新しいSNSだってー!」と妻からLINE。ネット記事のリンク。

「音声版Twitter」として、今話題の音声SNSアプリがClubhouseです。

くらぶはうす。その場にいた高校生に「クラブハウスって知ってる?」と聞いてみます。「あのー、あれですか。あ、それはライブハウスか。さぁ?」くらい。「ふーん」

数日後、興味本位でダウンロードしたら即、やまちゃんさんに招待いただける。同時にスタッフの広大くんからも「配信してみましょうよ」と声がかかり、1月30日2人でroomをつくって遊んでみる。たまたまroomに入ってきた学生時代からの友人おいちゃんと久々に再会する。これは楽しいね。

じゃあこれをどう使おう。Clubhouse内では連日「どうフォロワーを増やすか」議論が繰り広げられている。稼げるYouTuberを見てSNS市場の先行者利益を一度みんなが実感したからだろう。アベプラでは若新さんが「こりゃ、2流3流が話聞いてもらってちやほやされるアプリだね」と皮肉っている(それは自身も含めた自虐として)。完全招待制のため、招待枠がついにネットで売り買いされている話まで。日本人らしい。いったん乗り遅れるのが怖いとなると気が気でなくなる。おもしろい。mixi、Facebook、Twitter、YouTube、Instagram…メガヒットSNSの黎明期を体感できるなんて、あるようでない。だったら、やっぱり高校生と使って体感してみたい。ゼミのLINEグループに投げてみよう。

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さて、こんなカンジで数名の高校生が集まりました。そして「まるゼミClubhouse部」というLINEグループができて、2月3日「気仙沼の高校生と雑談ルーム」を開設。高校生4名、大学生2名と実験的に遊んでみました。

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受験の話やプロジェクトの話をしていると、気仙沼や高校生というキーワードで知人や知らない人がroomに入ってきます。中には、著名な方もいてびっくり!芸能人とかではないですが。スピーカー希望の人には会話にも入ってもらって、お仕事の紹介や高校生に聞きたいことを聞いてもらいます。「東京で◯◯の仕事やってます」「コロナで高校生活どんな影響受けていますか?」などなど。

1時間半で会は終了しましたが、そこでぼんやり感じた感想を共有します。

偶発的に変な大人?ホンモノ?と出会うチャンスが転がっている

以前、仙台のスタディサプリの営業担当の知人にこんなことを言われました。「都会といなかの教育格差って何だと思う。今までは都市部じゃないといい塾講師がいないとかいう学力の格差が生まれ得たけど、これからはオンラインでどこでもいい授業が受けれるからそういう意味で差は無くなっていく。でもね『この人どうやって食ってるんだろう?』という不確かな大人が身近にどれくらいいるか、が最後まで格差として残ると思う」なんだかとても印象的でした。そう、既存の職業カテゴリーでは上手く分類できない変な大人に会うって大事なんですよね。なんか楽しそう、とか。型にはまらなくても生きていけるんだ、とか思わせてくれますからね。ホンモノである可能性も高いです。でもそういう大人って実はローカルには少なかったりします。震災後いろんなチャレンジが生まれて、移住者も増えつつある気仙沼にはたくさんいますが。自分たちも含めて。

そういう、不審者という意味ではなくいい意味で「変な大人」がClubhouseにはたくさんいるので、そういう人と偶然会話できるチャンスは現在たくさんあります。いろんな挑戦話を聞く中で、あ、大人になってもチャレンジは続いていくんだと実感するでしょう。

マイプロジェクトのPRやブレストの場になる

そうなると、高校生自身のプロジェクト=マイプロジェクトのテーマをそのままroomタイトルにして、インフルエンサーが一人でも入ってくれれば関係者に一気に出会える可能性があります。防災、観光、子ども…それぞれ高校生たちが取り組むキーワードをそのまま打ち出すのです。普段出会えない大人からいろんな意見やフィードバックをもらえる可能性は高まります。驚くほど音声の遅延がないのがClubhouseの強みです。複数人の相槌もズレません。ですので、アイディアのブレストにも適しています。もちろん入ってくる大人は玉石混交でしょうから、モデレーターの腕にかかっていますが。

同時に、見知らぬ大人たちからの心ないフィードバックや悪質なアプローチから高校生を守るために、高校生自身とリスクを確認し合うなどリテラシーアップも不可欠です。

さて、今後どういうユーザーに定着していくのかを注視していきましょう。その層によっては、積極的に高校生の刺激として活用していきたいです。Clubhouseが「格差」を融かしていく役割を担うかもしれません。

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