【詩】聖母のお腹で人魚姫は踊る
夜の静かな漣が冷たい揺籠を攫おうとして
慌てて波を踏んづけたから
私を撫でてくるこの波が
優しくて暖かいのだと知りました
聖母のお腹で人魚姫は踊る
子守唄の問いには答えたのだろうか
期待にすらも応えなかった
私は誰だと子守唄に問うた
人を嫌い痛み沈む歌に
揺らぎ荒み一人浮かぶ暮らし
未来光り期待浮かぶ歌に
揺らぎ荒み一人沈む暮らし
私はいったい誰なのか おしえて
少年の確かな名声も
少女の綺麗な歌声も
全て海へと還っていった
水の泡へと変わっていった
聖母のお腹で人