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【詩】手紙

いたいけな幼子と風船のような、そんな関係が私と貴方との間で繋がっていました。
私の手から貴方がすり抜けて消えていってしまった時、私のこの思いは確信へと変わりました。
貴方はきっと私から離れたかったのでしょう。いつもどこか上の空で私の話にもまるで興味がないようでした。
今、私は悲しみに満ち溢れています。
うっかり風船を離してしまった時のようなどうしようもない、あの悲しみにです。
私はもう二度と貴方の手を掴むことは出来ないのです。
貴方はふわりふわりと私の知らぬところを泳いで、やがて私の知らぬところで腰を下ろして大きな溜息をつくのでしょう。
それでも貴方と手を繋いで歩いた旅は私にとってとても楽しい時間でした。
ありがとう。さようなら。

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