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有名人が政治的発言すると炎上する理由

検察庁定年云々でいろいろな芸能人有名人が反対の発言をツイッターで行い、話題となっている。

私は個人的にはこの法案は大きな問題がないと思っている。それ以前から、政権がお友達繋がりの人を登用したり、罷免したりすることは日常茶飯事。
そして、今回の問題はこの人のまとめによくまとまっていると思う。ことさらこの法案によって日本の三権分立が崩れるといったことではないと考えている。

しかし、今回のような騒動は、もっと根深いところにあると思われる。


① そもそも、政策の成立過程を見ているのか

法律というのは早々簡単に作れるものでもないし、変えられるものでもない。気の長い議論と書類のやり取りがあって、ようやく国会で審議される。そもそも、ゼロベースで国会に出てくることなんてほとんどない。常任委員会や特別委員会と呼ばれる与野党議員がいる委員会で審議されて詳細が詰められ、ようやく国会で審議される。今回の案件は、国家公務員法改正案として審議されていた。平成30年には提出されているのである。
つまり、「なぜ今審議するのか」が問題ではなく、本来なら「なぜここまで遅くなっているのか」を問題にしなければならない。ここにきて有名人がことさら話題にするべきことではない。(そもそも、件の長官だか何だか知らないが、K氏の問題にするのは無理がありすぎる)
種苗法について柴咲コウ氏が騒いだ時にも思ったが、「今なぜそのことを取り上げるのか」というのは、当事者からしてみれば、有名人の方にこそ問いかけたいところであろう。わかる人は分かる。なので、有名人が話題にすることは不可思議でならない。これが批判される理由の一つだ。


②追随する人たちが絡みすぎる

有名人がとある発言をすると、それにフォロワーがいろいろ絡んでくる。たとえは単純だが、例えばある有名人が「私はたけのこの里派です」と言ったら、それだけで戦争が起きる。少なくともTwitter上で。
自分もたけのこ派という人は、『よくぞいってくれた』『わが同志』などとからむし、きのこの山派からは『許せない』『そんな人だとは思わなかった』などとの発言が沸いてくる。
一般の人は多かれ少なかれ承認欲求を持っている(だからTwitterでいろいろ発言するのだ)。そこで有名人が自分と同じ意見を言えば、それにすり寄りたくなるのも自然な流れだ。もちろん意見には賛否ある。なので、自然と炎上していく。


③自分より「有名人」は物事をわかっているor分かっていないと思っている

これはあくまで仮説だが、承認欲求をこじらしているひとは、「教えたがり星人」か「おしえて星人」のどちらかになりやすい。そして前者は後者から『上から目線』として嫌われ、後者は前者から『物(知識)乞い』として嫌われる(GGRKSなど)。
有名人に絡む人は「なぜ知らないくせに発言するのか」or「私もそう思っていたことを言ってくれてありがとうございます」「知らなかった!問題であることを教えてくれてありがとうございます」という反応が多い。
これは、仮説を証明するのではないかと思っている。


④結局、自分も流行りに乗りたい衝動を抑えきれない有名人

有名人は話題になることが自分の価値を上げる。なので、流行りに乗らないわけにはいかない。バトンが流行っていたら自分もやりたいし、それをやっていることで人気のバロメーターだと信じている。
今回の広がりは、おそらく「バトン」と同じような感覚でやっている人が多い。それを見抜いた人からの批判的意見など知ったことではない(けど無視することでますます炎上していく。③の前者の人たちから。)


炎上するのは勝手だが、こうして人の間に意見の分断が深まっていくことを止めるすべがないのは甚だ残念ではある。しかしメディアはその騒ぎを面白く報道するだけで、分断を埋めることはしないのだ。自分たちも普段からその溝を深めることしかしていないのをよくわかっているからだろう。


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