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星野源 / Stranger ディスクレビュー

「生まれ変わりがあるのなら人は歌なんて歌わないさ」

この作品は星野源3作目のオリジナルアルバムである
シングル曲は「夢の外へ」「フィルム」「知らない」の3曲が収録されている


この中では「知らない」がアルバムの雰囲気に1番あっていて
いい役割を果たしていたと思う他のシングル曲は良い感じでキラキラしていた

まず1曲目の化物は覚えてしまう曲である
しかも覚えてしまうのが嫌じゃない曲である

なんでこのメロディ頭から離れないんだろう的なメロディで構築されていて
曲全体にポップスの香りが溢れている

この曲の歌詞の世界感ともあいまっていびつな感じも気持ちがいい
後サビのハモリが絶妙でナイスな1曲目に仕上がっている
ライブへの意識も少しある曲かなと感じた

そこから繋がる「ワークソング」も素敵な曲だった
構成的には劇的な曲だけど日常から離れすぎないよう丁寧に作られていて
こういうパターンの曲は好きである
イかれてるはいるが良いイかれ方をしている曲である

後中盤の「ツアー」「スカート」「生まれ変わり」の
アコースティックな流れはこのアルバムの重要な部分であると思う

この流れがあることでアルバム全体が締まった
特に「生まれ変わり」は裏主題歌になる程の存在感だった

必ず時は流れて行くけどだからこそ今居る人今在るものは特別で
その当たり前の喜びと悲しみが全ては順番だからとこの曲で納得できた

そしてその中でどう生きてくか考え出来るだけ喜びのある場所へ行こうと思った
(生まれ変わりがあるのなら人は歌なんて歌わないさ)
この歌詞が今やることをいつでも教えてくれると思う


この作品の曲達は日常を愛でていて生きるということをなんとか肯定している
生きるという事に彼自身も納得と諦めがついたのか歌の強さが以前より増していた

歌いたい事があるから誤魔化さずにまっすぐ飛ばしていて心地良かった
音楽的には味付けが上手いので何杯でもいける仕上がりだった
しばらくこのアルバムしか聞いてないですと言う人も少なくないと思う


何事もそこにある事柄現象だけで仕上がっている訳ではない辛い時こそ
そこに無いものを見て自分でさえ知らない自分に出会うチャンスだと考え
そしていつだって目に見えない手で触れられない場所にこそ大事なものがある
そういった事をそっと教えてくれる作品だと思う

彼の分かりやすい所も分かりにくい所も知ることが出来て
生きている人にも死んでいる人にもオススメの一枚だ


変幻自在のクリエーターユニット「KATANAGARI」です。基本ミュージシャンとライターです。Apple musicなどでカバー音楽、オリジナル音楽を配信しています。 https://itunes.apple.com/jp/artist/katanagari/1288449046