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縁が無いように感じる時(日本刀の話)

ここ数年ひそかに気になっている拵。
値段も私にとっては高いものであり、なかなか手が出せずに気が付けば数年経ってしまった。
もう4~5回程目の前で見ている。
見る度にやはり良いなと思う。
大小にも関わらず同図柄で完全に揃えるわけでは無く、上手く崩すところは崩し、合わせる所は合わせつつ、その崩した所が見所となり「美」となっている。
このような拵は有りそうで意外にない。
全て同じで揃えると見た目は良いかもしれないがどこかつまらない。
侘び寂びの感じる肥後拵も好きなのだが、こういう拵も好みである。

そしてまだ購入意思は完全に固まっていないものの、やはり脳内にずっと残っている事もあり前向きに検討したく現物を改めて拝見したいと思い問い合わせのメールを打つ事を決意。
それが一昨日の話。

慎重に文章を考えなくてはと思い、20分ほどメール文を考える。
そして意を決して送信ボタンを押…そうと思うが押せない。
一度冷静になろうと、半日ほど時間を空ける事に。
そして夜中に意を決して送信ボタンを押す。
すると直ぐに返信が。

「メールの送信に失敗しました。」

「おっふ」という気持ちと、なぜか少しホッとする不思議。
サーバー不調が影響しているのか以前から時々届かない事はあった。
大体確率としては2~3回送ったら1回届くような感じだ。
結局その日はメールを再送するのを辞めた。

そしてそれから1日空けて今朝の話。
やはり気になっている気持ちは変わらないのでもう一度意を消して送信ボタンを押す。

因みに購入ボタンではなく、ただの問い合わせのメールであるのでそれで購入が決まるわけでは無いのであるが、この数年の想いも蓄積されているだけにワンクリックの重みが違う。
この世にこれだけ重い問い合わせボタンがあるのだろうか。

「メールの送信に失敗しました。」

再度である。
ここまで来ると物から避けられているように感じる。
買うな、というお告げのようにも思える。
電話で問い合わせる事も勿論出来るのであるが、取りあえず今はどうも気が乗らない。
こういう時は大抵縁が無く、電話をしても「あ~、ちょうど少し前に売れちゃったよ、もしくはこれは売れないよ」である。
縁がある時はいくら待っても手元に来る気がするし、なければ何をしても手元に来ないし来ても直ぐに出ていく気がする。

さて。
どうするか…。

愛刀の拵を作る方に資金を回したい気持ちもあり非常に悩ましい。

うーん…どうするか…。

…やはり電話してみよう。

刀剣博物館「館蔵品寄託展」より(この拵は本題と関係ありません)


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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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