見出し画像

ちょいと遠征中。

in岐阜
しております。



見出し画像は、岐阜駅でお馴染みの、金の織田信長像。いまだにマスクしてて一見ダース・ベイダーみたいです。



それはさておき今回は、


岐阜の老舗劇団、

劇団はぐるま

の、
10月の公演の大道具製作のため、
やってきました。


さて、今回の公演は、


ミュージカル ふしぎの国のアリス

チラシがまた今までと印象が違ってnewな風が吹いてきた感じがする💚


誰もが知っている、アリス。

ですが、

そんじょそこらのアリスじゃないですよ。


脚本・いずみ凛氏
音楽・日高哲英氏


の、最強コンビ。


いずみ凛氏の魔法のエッセンス効き過ぎの脚色に、一度聞いたら耳から離れず帰りにきっと口ずんでしまう日高哲英氏の音楽。


いや、ミュージカル興味ないし...

という人に是非観てもらいたい。

人生観変わるはず!


そもそも私もミュージカルにはあまり興味ない。

この劇団はぐるまのミュージカルが面白いのだ。


しかも、前代未聞の希少なミニシアター御浪町ホールで開催。

全国に星の数ほどミニ劇場はあれども、


幅も奥行きのたった二間半足らずのミニ舞台に、ちゃんと袖と文字ありのまるで望遠鏡を逆にしてみてるような感覚に陥ってしまうような小ささ。


前回は2006年、もっと大きな小屋で公演で、装置は、大阪の故・板坂晋治氏。私は大道具と舞台背景画描きであった。それは贅沢な舞台装置でした。


そのミュージカルをミニシアターで再演というのだ。

これは前代未聞だ。

一体どうなる?!笑

それは観てのお楽しみ💚



御浪町ホールとは↓


私は岐阜に在住の頃、こちらで三回個展をやらさせていた。

知人のライブも開いたり。
表現者にはたまらない場所である。


"AUSSTELUNG" 1998年
アンダーグラウンドサイケのミュージシャンたちが、ここ御浪町ホールに集った。


"しみ" 1999年
まだ固定の客席が無かった頃。


↓こちらは前回の劇団はぐるまの公演のnote。御浪町ホールの写真が少々あります。


このホールは、地元の劇団にはこよなく愛されていますが、宣伝活動はこれといってしていないため、それほど利用率は多く無い。

御浪町ホールに興味のある方は是非、劇団はぐるままでご連絡を!




そんな岐阜関連でもう一つ。


いつもお世話になっている宿泊先、

ウィークリー翔。


ウィークリー翔は、建築事業を営む株式会社希望社が2001年に開業した宿泊事業です。
「工事に関わる労働者が安く泊まれる施設をつくろう」という思いではじめました。

確かに、岐阜第一ホテルがウィークリー翔だった頃は、いかにもといったオジサンがパンツ一丁で廊下を歩いていた…。

各部屋に置いてある
株式会社希望社の社長の書いた本。


実は、このホテルを経営している希望社という建築会社の本店一階にあった「希望社ギャラリー」で、人生で一番最初の個展をしたのだ。

ハタチそこそこだったかな。

すでに、大道具の仕事はしていて、大道具の作業場で夜な夜な私は自分の作品づくりをし、寒い日もストーブ使わせてもらったり、余った木材もらったり、その頃は舞台会社も大らかであった。

大道具の作業場なんてものづくりの人間にとっては宝の山である。


この個展をやった時に、劇団はぐるまの座長・故こばやしひろし氏と伴侶の現在の演出家、マコちゃんこと汲田正子さんも見にきてくれた。


とても印象的だったのは、

「座れない椅子」

という作品を見て、「サッちゃん、おもしろい!」こばやし氏とマコちゃんがとても喜んでくれたのだ。


私の作品は100%、作った先から粗大ゴミである。

そんな私の創作癖は子供の頃から親には全く理解してもらえなかった。

二階の私の部屋に転がっていたどうでもいい立体作品を、親が見るに見かねて、

「もうこれいらないよね」

といって2階のベランダから1階にタタキ落としたくらいであった。これを持って階段から降りるほどの価値もないと。


私の作品を見て喜んでくれる大人がいるんだと、その時驚いたと共にとても嬉しかったことを覚えている。



余談であるが…、

当時、北野武の「たけしの誰でもピカソ」という番組があった。

「芸術をフツーの目線で楽しむ」というコンセプトの下に行われていた番組で、ありとあらゆるアートとそれらを手掛ける芸術家たちを紹介。(wikipediaより)


今でも、芸術というのは特別な人がやるものだという固定観念があるが、私の親も同じくで、その番組を見た親はようやく、うちの子はこのテレビに出てる人よりは少しはマシかも、と思うようになったようだ。

北野武氏には感謝せねばなるまい。


実はその「座れない椅子」は、当時ギャラリーの担当の方が気に入ってくれて、希望社の屋上に置いてあるということになっていたが、あれから20年以上たち、その担当の方とは連絡がとれなくなってしまった。

それこそ今頃とっくに粗大ゴミであろうと想像する。



こばやし氏はよくこう言った、


犬や猿などの人間以外の動物は創造することができないが、人間は創造することができる。

それはとても素晴らしいこと、と。


創造とは、新しいものをつくりだすこと。


当時100円ショップがあちこちに出来た頃。今でも庶民に欠かせないお店であるが、何でも安価で売っているから買えば済む。

こばやし氏はそれを嘆いていた。

アイデアも何もかも誰かが考えてくれて、商品になって、売っているのが当たり前だ。

人は、考えることを、創造することをやめてしまった、とこばやし氏は嘆いていた。


舞台装置というもは、そもそも既製品など無いので創意工夫で作らなければいけない。

そんな世界がいまだに残っているのは素晴らしいことだと思う。


そして、それが舞台美術と、音楽と、演技と、多くの要素を織り交ぜた総合芸術なのだ。


「芝居やってる」


なんて言うととは世間からはなかなか理解してもらえないようだが、「総合芸術を創作している」と言ったらいい。


と、言いつつ、

うちのアパートの隣のおばちゃんには、舞台の仕事で遠征してるんで留守をよろしくなんて伝えたところ、最初から私は女優やってるということになってしまっている。

面倒なのでそのままにしている。



そんなこんなで、


劇団はぐるま

ミュージカル「ふしぎの国にアリス」

こう御期待!


すでに満席になっている回もあるので予約お早めに!











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