見出し画像

【かすみを食べて生きる 30 リハビリ病院1か月目⑦】ワレンベルグ症候群による嚥下障害のリハビリなどの記録

脳梗塞 発症28日目:リハビリ病院7日目
・食事:飲み込みができないため絶飲食。食事は鼻からの経管栄養。
・状態:歩行訓練中。日中、歩行器自立。終日、車いす自立。
・嚥下:嚥下訓練中。首を左に向ければごく少量の水を飲み込める。

体調は良かったけど忙しい一日。
夕方にはぐったりだった。

これまでのお話はこちら『かすみを食べて生きる 序文と目次』
発症27日目:リハビリ病院1か月目⑥
 
発症29日目:リハビリ病院1か月目⑧>


リハビリ合宿の一日

今日は理学療法80分、言語聴覚30分、作業療法60分のフルコースに加え、週に2回のお風呂デー。1回の食事は90分近くかかる。
今日一日のスケジュールを振り返る。
▲:食事 〇:リハビリ(自主練含む)

【朝】 
0615起床
0635▲朝食600ml
0750>おわり
0755 はみがき、洗顔
0800〇パックしながら自主練
0840 >パック終了、着替え
0850〇理学療法リハビリ
1010>おわり
1030〇言語聴覚リハビリ
1100 > おわり
【昼】
1115▲昼食400ml
1255>おわり
1305お風呂準備
1325おふろ
1405髪乾かす
1430氷がりがり
1450〇作業療法リハビリ
1550 >おわり
1610休憩>右後頭部痛み、仮眠
【夕】
1725▲夕食600ml
1900>おわり
1920休憩>洗濯に行きたいのに動けない
2030はみがき
2100テレビ
2200就寝

学生時代の吹奏楽部の厳しかった合宿並みにハード。
お風呂が入るとどうしてもスケジュールがタイトになる。
午前中の理学療法80分は身体をしっかり動かすので、午後の作業療法に入るころにはすでにぐったり。
左まぶたの眼瞼下垂も目立ってきて、作業療法士花井さん(仮)を心配させてしまった。
夕方後頭部に軽い頭痛も出てきたので少し昼寝。
昨日はリハビリを1日に3セットとか考えていたけど、今日は無理。
洗濯に行きたかったけど、夕食終わりは身体もだるくて断念。
夜は文章も打てず、ぼんやりテレビを眺めた。
圧倒的に体力が足りない。

妖怪氷わり

急性期病院で、飲み込みができないので氷を噛むことで飢えをしのいでいた私は、リハビリ病院に来てからもしばらくは氷をもらって噛んでいた。
しかし一つ問題があった。
急性期病院の氷は1.5cm角程度で小さかったのだが、リハビリ病院の氷は3㎝角程の大きな氷。
試しに噛んでみたが結構かたくて下手すると歯が割れそう。
何よりその大きさのものを口に入れるのは誤嚥が怖い。
そこでネットで調べる「アイスピックなしで氷を割る方法」。
あった!
「スプーンの丸い部分を氷に軽く叩きつけるように当てる」。
家族に次の荷物にスプーンとビニール袋を入れてくれるようにお願いする。
後日、ビニール袋に氷を入れタオル敷いて、スプーンで氷をたたく!

氷をたたく

われた!意外と簡単に弱い力で割れた。
心配していた音も、そんなに大きな音は出なかった。
大きさは不揃いで一部かき氷状態だけど、これなら口に入れる量を調整できる。
そして私はベッド上でちょくちょく氷を割る、妖怪氷わりとなった。

われた氷

新たな刺激

先日家族がICE BOXを差し入れてくれた際、一緒に保冷剤を入れてくれた。
私の右半身は温痛覚が鈍くなっている。
試しに右手に保冷剤をのせてみる。

温度がわかりにくい右手

うーん、わかりにくい。
しばらくあてているとぞわぞわとした不快感。
今度は異常のない左手にのせると、つめたい!
しばらくあてていると少し痛くなった。
あれ?もしかしてこのぞわぞわする不快感は痛み?
了解、覚えよう。
鈍っている温痛覚が、形を変えて少し残っていることがわかった。

後日この話を作業療法士さんに話したところ、「感覚を試すのは正常な方からやりましょう!」と言われた。
いきなり感覚の鈍い右でやると、気づかぬうちにやけどやけがをしかねないから。
ごもっとも。気をつけます。


ーー振り返って

リハビリ病院に入って一週間くらい経つ頃のスケジュール、今見てもなかなかストイックだなと思います。
特にお風呂は日中のど真ん中で時間も決まっているので、不自由な体で頭から足までを制限時間内に洗いきるタイムアタック状態。
体力も使うので入った後はふらふらになりながら、午後のリハビリを受けていました。
急性期の頃の点滴やルートが腕に刺さっていてお風呂には入れない、という状態と比べたら入れるだけ幸せですが、リラックスというよりはハードワークでした。

氷が割れた時はちょっと感動でした。
病室内のベッドの上でできることの可能性を感じました。

右半身の感覚異常、ぞわぞわした感覚が痛みかもしれないと思ったときは、生き別れた兄弟にでも会ったような感じでした。
姿は変えても残っていてくれてうれしかったです。


この記事が参加している募集

今日の振り返り

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?