見出し画像

【かすみを食べて生きる 25 リハビリ病院1か月目②】ワレンベルグ症候群による嚥下障害のリハビリなどの記録

脳梗塞 発症23日目:リハビリ病院2日目
・食事:飲み込みができないため絶飲食。食事は鼻からの経管栄養。
・状態:歩行訓練中。終日、車いす自立。昨日体温37.5度のため、カーテン内隔離中。
・嚥下:嚥下訓練中。首を左に向ければごく少量の水を飲み込める。

これまでのお話はこちら『かすみを食べて生きる 序文と目次』
発症22日目:一般病棟⑳>リハビリ病院1か月目①
 発症24日目:リハビリ病院1ヶ月目③>


祝!隔離解除

昨日の午後から37.5度の発熱でカーテン内隔離中。
朝の食事後の8時半頃、主治医の四谷先生(仮)がPCR検査を取りに来た。
鼻の中に綿棒をぐりぐりする検査。
そして11時過ぎ、PCR検査陰性の連絡が入る。
閉ざされていたベッド周りのカーテンが開けられる。
やったー!これで病棟内を自由に動ける。

おなかがいっぱいになると眠くなる

私の食事は引き続き経鼻での栄養。
リハビリ病院に移っていくつか変わった点がある。
まず種類。
アイソカルサポートからクリミールに変更になった。
アイソカルは200mlで300kcal。
クリミールは200mlで200kcal。
カロリーはアイソカルが高かった。
でも量が変わる。
急性期の病院では最大でも300ml程度だったが、リハビリ病院ではリハビリで体を動かすことも加味され、朝夜600ml、昼400mlと飛躍的に量が増えた。
さすがに600ml入ると満腹感が違う。
500mlのペットボトル一本以上の重ための液体が胃に入っていく。
食事が終わるとぐったりして眠くなる。
朝はまだましだったが、特に昼の食べた後ひどく体が重くてリハビリまで1時間弱昼寝をした。
昼寝をしたのは久しぶりで、まるで病人みたいだなと思った。
いや、立派な病人なのだが。

Happiness!!

これまで食事の時は栄養をパウチパック的なものに入れて吊るしていたが、600mlを吊り下げるには、バケツのような容器を使う。
テーマパークでポップコーンを入れるような感じのバケツ。
そして本日の滴下筒がこちら。

お!これはいい感じの速さ。
……トン、トン、トン、トン、トン、トン、走りだせ~走りだせ~明日をむか~えにいこ~…!
………『Happiness』!嵐!
しかも400mlを1時間程度で滴下!いい時間!
最適解、来たなこれ。

その夜のお食事。

おぉぉ…ここにきて最速来たな。
X JAPANの『紅』かなぁ。
いや、これは速すぎる。
身の危険を感じ、看護師さんに申し出る。
私「す、すみません。ちょっと速すぎるのでもう少し遅くしてもらえないでしょうか。できれば嵐の『Happiness』位がちょうどいいのですが…(伝われ~)」
看護師さん「(苦笑)」
そこでは苦笑で終わったのだが、申し送りはきっちりしていただいたようで、その後食事を持ってきてくれた看護師さんに
「『Happiness』ですよね。あまり知らないので歌ってください」
などと言われるようになった。
申し出た手前やむなく歌う。
なかには「お食事です!♪Yeah,Yeah,Yeah!♪」と歌いながら持ってきてくださる看護師さんも。
ありがたいので一緒に歌う。
そして私は病室で『Happiness』を歌いまくる患者になった。

やたら手を振ってくる

新型コロナウイルス感染対策のため、急性期病院に引き続きリハビリ病院までも、リハビリ室の使用は見送り中。
リハビリ室に行けない患者たちは各病棟でリハビリを行う。
ベッド上で、ベッド横で、廊下で、デイルームで、あちらこちらでリハビリが行われている。
私が入った病棟はナースステーションが真ん中に設置され、その周囲に病室が並んでいるので、病棟内をぐるっと一周することができる。
今日の理学療法士田中さん(仮)のリハビリでは、病棟内を歩行器で3周歩いた。
歩くたびに、リハビリを受けている他の患者さんに出会う。
何周かすると何度も会うので目が合う人もいる。
挨拶の一つもしたくなる。
そこで私は気づいた。
会釈をしようと頭を軽く下げるとめまいがして気持ち悪い。
会釈ができない。
少し頭を下げたいだけなのに、できない。
でも挨拶はしたい。
そこで私は会釈代わりに手を振ることにした。
胸の前あたりでちょっとだけ小さくバイバイ。
軽く会釈をする間柄の人に手を振るのは距離感が近すぎる気もしたが、挨拶はないよりあるほうがいい。
手を振ると相手はうなずいてくれるか、笑ってくれた。
そんな人たちとはそのうち挨拶をする間柄となった。

ーー振り返って

今日も、作業療法士さんと言語聴覚士さんは代打で、担当の方にはお会いできず。
担当が休んでも他の方が入ってくれて、365日リハビリが受けれるのは、セラピストさんの在籍数が多いから。
リハビリ病院すごい。
コロナのためリハビリが病棟内で行われているので、日中の病棟は賑やかでした。
あちらこちらからセラピストさんの声が聞こえてきます。
担当以外のセラピストさんを見かける機会も多く、主担当が休みの日に入ってくれるセラピストさんも全く見たことがない方、というのは少なかったです。
セラピストさんもそれぞれ個性があって、それがわかり始めると少しおもしろくなりました。

この記事が参加している募集

#今日の振り返り

23,082件

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?