連載完結！縦スクロール作品の1年を振り返る①連載までと執筆の大変だったこと
というわけで、本日(24年6月2日)縦スクロールの連載が完結しました。
最終回記念で期間限定で29話無料で読めますのでこの機会にぜひ✨
本当に素敵な作品を描く機会をいただけて、皆様に大きな感謝をしています。
念願のきらびやかなフルカラー縦スクロール異世界恋愛の作品の作画ができたことは本当に嬉しく、無事最後まで走りきることが出来てほっとしております。
最終回の2人の幸せそうな笑顔を描きながら、この笑顔を描くために1年描き続けてきたんだな、と感無量の思いでした。
今回は作画としてお仕事をするまでと大変だったことをお話します。
(次回はよかったことやメリットについてお話したいです。)
縦スクロールの連載をとるまで
エッセイでしか連載をしたことがなかった私は、まず出張編集部で名刺をいただくところがハードルでした。
効果的だったのは異世界コミカライズコンテスト用に作成したわかりやすい異世界系の作画原稿です。
このあたりの持ち込みの話はこの記事に。
数社名刺をいただいて、だからといってお仕事になるわけではありません。
名刺をいただきこちらからご連絡をしても、それは「登録しとくね」であって仕事になる訳では無いからです。
体感的にご挨拶メールにお返事があるのは半分強くらい。
ちょうど自分向きのジャンルでいいタイミングで原作の話が程よく進んでいる案件がないとお声はかからないし、登録から数ヶ月で埋もれてしまうのでよっぽどの事がなければもうお声はかからないと思います。
(何度か持ち込みし直してチャンスを伺うのはありだと思いますが、待っていても進まないでしょう)
ちょうどいい案件が時期的にたまたま合致すればコンペ、トライアルへ進むことが出来ます。
ここをさらに突破するのがもうひとつのハードルです。
私もコンペ落ちは経験していて、そちらの立ち絵は規約上、作品情報を出さなければOKだったので、そのあとの持ち込みには使っています。
コンペで全力絵を描いて落ちても次に繋がればラッキー！という気持ちで行くといいと思います。
トライアルに合格してやっと作画としてお仕事に入れるわけですが…
スピードの壁
持ち込みの際に作画スピードを聞かれるはずです。
レーベルによりますが縦スクロールの納品は、平均は週1本で1話70コマ前後かと思います。
ネームはあるので純粋に作画の話になります。
女性向けの平均コマ数を1p4-5コマと考えると、1週間で約15枚のペン入れを描き続ける(月産60枚)ことになります。
ロマンスファンタジーに関して言えば、ドレスデザインやフリル、アクセサリーをつける作業もあるので単にペン画だけの換算はできませんよね。
私は背景入れも行っていたので、白黒原稿で言えば、ほぼ下絵から仕上げまでの絵入れと同じ手間時間数はかかっていたかと思います。
縦スクロール以外の読み切りもあったので、多い時は月に白黒原稿換算でアシなしで月産75枚描いていた感じになります。
縦スクロールは背景ソフトも一般的では無いスケッチアップでしたし、その背景と調整しながらネームと構図を擦り合わせ、ラフな下絵からペンを入れていたので(きっちりした下絵を描く時間が無い)アシさんの入る余地がなかったですしね。
週間納品になってからは曜日を決めてノルマ通りに描き続けていました。
2日で背景作成、背景入れと下絵
3日でペン入れと人物装飾です。
木曜締切でしたが火曜納品を徹底していました。
その話のコマ数を日数で割って、それがノルマになります。
1日8-10時間。フルタイムのお仕事と考えると妥当な線かな…
残りの2日でどうしてもおわらなかった分や修正リテイク、ほかの横読みのお仕事もこの残りの日に回します。
もちろん長期休みや余裕がある時は前倒しでどんどん進めることで、遊びに行くことも横読み分を併走することもできるわけです。
(ちなみに横読みは昨年は55枚を6月からネーム、8月から作画で12月頭に納品、12月は別件の読み切り22枚を納品しました)
ただ背景工程がない場合は1週間で70コマの線画はそこまでの作業量ではないかなと思います。
(特に現代物はフリルなどの人物装飾が少ないのはメリットです)
自分の作業スピードを把握するのは大事だと思います。
多分目安としては
★白黒原稿を下絵から仕上げまで1日2枚を毎日描けるくらい。
★月に完成原稿(下絵から)を45枚以上。
その速さがあれば作画で縦スクロールをやっても折れないと思います。
作画に関しては結構やってみて序盤に辞退した話は聞くので…
また大変ポイントとしては、準備期間がとても長いことですね。
一般的に縦スクロール作品は初回10-15話前後の一気配信になります(うち5話くらい無料で残りは待って無料で読むか課金して読みます)
線画の後に着彩仕上げの工程が入りますので、それに加えて数話分、作画工程の人は先行して進めなくてはいけません。
初回分のストックはフルタイムで黙々と描きためをするわけです。
情報を出せず進捗も出せず(レーベルによりますが)描き続けるのはつらいですね…
でもWeb全盛の今、縦横限らず新連載の時は複数話配信が一般的なので、皆さんひたすら潜って描きためをしています。
本当にすごい！
漫画家さんみんな頑張ってて偉すぎるので、新連載の時には皆さんの応援を全力でお願いします。
縦スクロールの作画の実際の話はこちらに。
次回更新はよかったことや作品についてです！
また読みに来てくださいね❤
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