webtoon 人物装飾について
手のかかる男
さて、縦スクロールで私は背景と人物線画をやっているのですが、人物線画には「衣装の装飾」もふくまれます。
ドレスの地模様などは着彩さんが入れてくださるのですが、フリルやアクセサリー、指定のあるキャラデザに含まれるものは線画が入れます。
ヒロインのドレスはお着替えも多く、シンプル目にした方がきれいに見えるので、最近描いた部分はフリルなどは最低限にしていますが、問題はヒーローの軍服です。
そこまで装飾は多く見えないですが、装飾同士が重なり合う部分が多いのでとても手がかかるのです。
というわけで亡国王女のヒーロー、リアム様の装飾を見ていきましょう。
亡国王女はこちらから。よかったら見てくださいね!
装飾レイヤー5枚
では今日は、描きおろしのこのリアム様の軍服に装飾を付けていきます。
このスタイルの軍服は皇国に戻りコートを脱いだ後、10話からです。
(この絵が緑なのは目を守るレイヤーを入れてるからです。
今回は下書きなしでペンから入れています)
装飾を付ける場合、どれとどれが重なり合ってどっちが上か下か考え、パース変形するものはほかのものを巻き込まないようにレイヤーを分ける必要があります(その方が面倒臭くなく早いです)
まずは一番下のレイヤーに裾の飾りを入れます。
2枚目はメインのふち飾り。この銀モールが全体のメイン装飾になります。
このモール、アップだとし下が少し透けますので重なりがある場合上下をきちんとする必要があります。
飾りのふちは切りっぱなしにならないように端を消しゴムできれいに消したりペンで端っこを描き足したりします。
(これはフリルなどもそうなのですが、ブラシですと「まわりこみ」はできませんのでドレスのフリルなどは端っこだけ変形と手描きで回り込みを付けています)
次はもう一度一番下のレイヤーにもどり、飾紐の肩からボタンの下にくぐったところまでを付けます。
紐の先にボタンが来るように、軍服にボタンを付けます。
ボタンはモールの上に来ますから、3枚目のレイヤーに分けておきます。
ボタンはブラシですのでどうしてもパースに違和感が出ることがあります。真正面ならいいのですが、パースは可能な限り合わせます。
レイヤーを分けておかないとボタンだけをパース変形できません。
さて、4枚目のレイヤーに飾緒その2です。
飾紐はボタンの下から下がっていますが、下の部分はボタンの上に紐がかかっています。
根元のボタンにかかった部分はボタンの形にカットして、下に自然に垂らします。
5枚目のレイヤーを作り、紐の先に飾りを付けます。
飾緒はペンシルというペン状の飾りが紐の先についていますので紐先に合わせて配置します。
このブラシは角度調整が難しいので別にレイヤーをつくって変形で合わせるほうが早いです。
あとはベルトと勲章!
ベルトは銀モールより上、勲章も近くにあるボタンやモールと同じレイヤーにならなければ変形の際に干渉しあわないので、上の方のレイヤーなら大丈夫です。
勲章はパース以外をあまりいじることはないですが、体が傾いたときにリボンで止めているメダルが傾きに沿っていないとおかしいのでメダルだけ角度をいじることはありますね。
画像は12話サムネイルですが、ボタンのパースはもちろん、勲章のメダルが重力に沿って下がるように傾いているのがわかるでしょうか?
というわけで、全部確認したら統合して1枚にまとめて、私の工程はここまでですが、ざっくり色を入れるとこうなります。
ヒーローのメインの軍服はお着替えがないですし、やはりヒーローは豪華な衣装を着ていてほしい!という気持ちは私にもありますから、頑張りがいはあります。
リアム様が軍服でひきのカットが続く回などは、正直「うえええええ軍服いっぱい来たああああ」という気持ちになるのですが、背景と同じで「違和感なく読み飛ばされるために手をかける」のは絶対必要だと思いますので、毎回愛をこめて装飾を付けています。
リアム様が軍服で出てきたときには「お、がんばったな!」と思っていただければ幸いです!
ではまた!
webtoonのお話はまたしていきますので読みに来てくださいね!
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