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雫水

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2019年7月の記事一覧

亡き祖国の詩

美しき哉
愛ゆえに平原の草草は風に揺れ
遥かヒマラヤの雪深き山々に我々の詩を運び聞かせる

三つ束の矢よ
我ら家族の結束を星々に刻め
その愛に満ちた目鷹に似たりて
美しき哉

美しか哉
決意ゆえに氏族の旗は風に揺れ
遥かキエフの城にも我々の怒りを響かせる

三つ束の矢よ
我らの血を彼の大地に刻め
その高貴なる爪鷹に似たりて
美しき哉

美しき哉
希望ゆえに子は母の胸に揺れ
遥か星の降る時までこの歌

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備忘録a、薄いピアス

 私は何者で、どこから来て、どこへゆくのか。
 待ちゆく人も同じである。どこから来て、どこへゆくのか、我々は徹底的に無知である。

 しかしながら、私達は出会う。出会うとそこには事実が生まれ、事件が起こり、その時初めて我々は感じる。

「生きているのだ、確かに、この時を。それだけは、疑いようのない…」

 今朝の夢で新たに知ったことが2つあった。唇にあけた薄いピアスに触れた時の危うい愛おしさ。そし

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それに気づかぬ亡者である君に

恋は幻想であることは自明である。

すべてのものが恋を経験し。その後に2つの解釈を得る。即ち、「幻想などいらない」「幻想でも構わない」だ。

話はさらに愛へと飛ぶ。論点を先に言えば、ここで述べるのは恋と愛の違いである。それは、恋は幻想そのものであり、愛は幻想の“産物”であるという点だ。
君は幻想を抱かされる。誰に?“誰かに”だ。親、兄弟、友人、クラスメイト、教師、同僚、価値のない創作物たちに。一人

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