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国家公務員総合職 就活体験記(3) ~官庁訪問~

いよいよ官庁訪問です!
官庁訪問のプロセスは、すべてが謎に包まれていますよね。

通常、官庁訪問は6月下旬から7月に2週間くらいかけて行われ、第5クールまであります。
これは大変ですよね(泣)

しかし、技術系では、去年以前に最終合格してる人向けに、既合格者6月官庁訪問をやっています。
私もそれを使いました。
第3クールまでの4日間で終わりますからね~
楽ですよ。

私の省では6月、7月同じくらいの人数を採用してました。
省庁によっても違ってくるんじゃないかなーって思いますが、特に6月だから不利とかは感じませんでしたね~

あと、6月で落とされても7月に再訪問して内定した人もたくさんいます。
また、第1クール2日目で訪問(第2志望って言ってるようなもの...😧)しても内定した人もたくさんいます。
まぁ、第1希望なら第1クール初日に訪問しましょう(笑)

1日目、2日目はオンライン、3日目は現地でした。

第1クール

前日にメールで12時30分集合と伝えられました。
うーん、これ、実は結構遅いんですよね💦
ネットや先輩からの情報では、朝イチの9時集合が1軍(採用可能性が高いグループ)って言われてますから。
2軍なのかなぁ、なんてモヤモヤ🥺
結果的には全て杞憂でした。
集合時間は関係ないみたいです。

最初に、若手職員が面接の流れを説明してくれました。

入口面接

1回目の面接は、課長補佐級の職員でした。
緊張してたのですが、すごく物腰のやわらかい方でした。
何を言ってもめちゃくちゃ褒められ、単純な私は非常に気分を良くしました(笑)
いい感じのスタートと確信。

人事面接

2回目は、個別説明会でお会いした室長級の人事でした。
この時点で、もう採用の可能性が高いことを告げられました。
和やかな雰囲気で、特に質問されることもなく、以後、もっと位の高い方と会うので、肩の力を抜いて自分の素を出せば大丈夫という話でした。

原課面接

3回目以降は、課長級以上の数人の面接官との面接が続きました。
どんどん位が上の人と会っていきます。

ESに沿って、志望動機についてかなり踏み込んだ質問をされました。

民間企業の内定状況はどうか?
なぜ民間企業ではなく、国家公務員なのか?
他の省庁はどこを受けたか?
なぜ他の省庁ではなく、この省が第1希望なのか?
研究内容について教えてください
なぜ研究の道には進まないのか?
他人からどんな性格だと言われるか?
他人と衝突した経験はあるか?
気が合わない人とはどう接するか?
自己PRをしてください
学生時代に力を入れたことは何か?
リーダーシップを発揮した経験はあるか?
趣味、ストレス解消法は何か?
キャリアプランは何か?
10年、20年先の自分はどうなっていると思うか?
興味を持っている仕事内容は何か?

など、根掘り葉掘り聞かれましたが、まぁ全て想定内。
あらかじめ準備していた回答をしました。

事前にあらゆる質問を想定し、回答を考えておかないと全く太刀打ちできないです、正直。
ワンキャリアや外資就活など、就活サイトに登録し、情報収集するといいですよ~

近年、役所ではコンピテンシー面接が主流です。
過去のエピソードを話させて、学生の人となりを調べるのです。
とはいえ、面接官の心を打つ巧みなエピソードは、その場ではなかなか思い付きませんよね。

大賀英徳著「公務員試験現職人事が書いた面接試験・官庁訪問の本」は、官庁訪問対策にオススメです。

よく聞かれる質問と、模範回答、NG回答の例も付いていて、目から鱗が落ちる名著。

出口面接

最後に、今後の流れが説明されます。
選考通過者には電話やメールなどで連絡します、もし連絡がなければご縁が無かったということで、という趣旨でした。
まぁ、採用担当の話し方的に、ほぼ確実に次に進めた感じはしましたね。

当日の夜に電話とメールが来て、次のクールに進めることが確定しました。

まぁ、この1日目が鬼門なのは間違いないですね~
学生の4割がここで脱落します。

第2クール

グループディスカッション

まず、グループディスカッションが行われました。

他人の意見を否定せず、尊重しながらうまくまとめていく姿勢を問われてると思います。

さて、ここで司会者に名乗りをあげるか、という問題が生じます…(笑)

司会者はハイリスク・ハイリターンの、諸刃の剣なんですよ~
うまく行けば司会者の一人勝ちとなり評価は爆上がりですが、議論がグダグダになると戦犯にされかねません…

私はというと、この時点で自分の評価は高く、冒険する必要はないと判断。
司会者は回避し、ヒラで無難に乗り切る選択をしました。

グルディスで差をつけるのは、正直難しいと思います。
あまりにも問題のある人だけをふるい落とすだけな気がします。

正直茶番な感じはしました()

グルディス終了後、グルディスのレポートを書くよう指示されました。

しかも、最終面接の後、採用担当からグルディスの感想を聞かれました。
参加者の名前を忘れており、かなり焦りましたね~

参加者の名前や発言内容などは覚えておいた方がいいです。
メモを積極的にとりましょう。

最終面接

そのあと、局長級数名との最終面接がありました。
非常に重苦しい雰囲気で行われ、なかなか鋭い質問ばかりで怖かったですね...
まぁ何とか切り抜けました。
私の場合、よほど妙なことを言わない限りはまぁ通るので頑張ってください、と採用担当の方から言われてました。
もう採用が決まってる感じはしましたね~

ただ、第1クールの生存者の4割は、第2クールで切られました。
当落線上の人にとっては、ここも山場ですね。

第3クール

最終面接を通過して第3クールに残った人は、実質的な内々定者です。

セミナー座談会を繰り返して、同期と仲良くなっていきます。
ただ、他省庁に行かれないよう、朝9時集合で夜18時まで拘束されます。
みんな疲れきっていましたが、プレッシャーから解放されたからか、どこか余裕がありました。

17時の内々定を待つだけの不毛な時間ですが、仕方ないですね。

という具合で、内々定いただきました。
内々定は口約束なので、書類等はありません。
すぐに民間企業の内々定を断るように言われます。

私も民間企業の内々定を持っていました。
自分を高く評価してくれた会社に、辞退の電話を入れるのは、大変心苦しかったです。
分身して2つの会社に行きたいくらいでしたが、これも定めというものです。

採用基準は?

ところで、皆さんが気になるのは「何が採用基準か」だと思います。

採用のお手伝いをした経験がある先輩はこう話しています。

学生の面接予定表をみると、初日から位の高い人物に会える「勝ち確ルート」の学生もいれば、最初から面接予定がない「負け確」の人もいる。

と。

怖い話ですが、ほぼ確実に取る人(俗に言う1軍)と、絶対取らない人(3軍)は官庁訪問前から決まっているのです。

官庁訪問では、当落線上(2軍)の見極めをしています。

ここからは身も蓋もない話になっちゃいます。
見て不快になる人もいるかもしれません。
そしたら、ごめんなさい。

内々定者のほとんどは、東大はじめ有名国立大の学生でした。
私立だと、早慶が何人かいる程度。
早慶もプラス評価にはならず、むしろマイナス評価になる世界です。
国総はやっぱり東大の学閥です。

人事の身になってみても、やっぱり肩書きが良い人を集めれば、「いい人集めたね」って上層部から手腕を評価される可能性が高くなりますからね...。
学歴が高い方が、採用率は高いです。

官庁訪問は人物本位の採用、という建前ですが、実際は横一線の戦いではありません。
「性格」同様、「学歴」も当然、人物の構成要素ですから…

ただし、学歴がイマイチでも、逆転は可能です。

採用担当は、英語力も大事だとおっしゃってました。
TOEICの点数が良ければ、アピールになるでしょう。

また、筆記試験の席次がものすごく良い場合に限り、アピールになる可能性はあります。
ただ、席次が悪いから落ちる、ということは絶対ありません
席次より学歴の方が圧倒的に重要です。

いずれにせよ、何かしら学力を示せる材料は欲しいですね。
国総の仕事内容的にも、学力はやっぱり必要不可欠です。

ただ、

  • 色んな大学から採用する

  • 女子を3~4割採用する

  • 院卒中心に採用するが、大卒もある程度採用する

など様々な制約を抱えていて、うまく折り合いをつけてるように感じました。

理系には女子が少ないですが、近年はどこの官庁でも女子の採用人数を増やそうとしています。

内定者の学歴をみても、正直女子に下駄を履かせてる点は否めませんね...
また、概して、女子は男子よりコミュ力が高く、面接に強いですから…

それ以外だと「熱意」ですかね。
「訪問する省庁が第一希望です」とアピールすることが大事。

もちろん、人事に「一緒に働きたい」と思ってもらえるよう、謙虚に、礼儀正しく振る舞うのも大切です。
何となくイイヤツだな、って思ってもらえることは結構大事だと思います(笑)
くれぐれも、職員を論破しよう、だなんて敵意むき出しにしないでくださいね(笑)
笑顔を忘れず、気に入られるよう努力しましょう!

最後に、圧迫まがいの深掘り面接をされても、それは面接官があなたのことをもっと知りたい証拠。
グイグイ食いついてきているんです。
助け船を出してくれてる、と好意的にとらえましょう。

これから官庁訪問する皆さん、健闘を祈ってます!

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