続・カタクリに想う
先日、天気が良かったのでお弁当を持って家族と公園に出かけてきました。
公園には子供連れや犬の散歩をしているファミリーが目立ちましたが、少し標高の高い所にあるせいか人出はそれほどでもありません。
まだ桜が咲いていました。品種はオオヤマザクラ?
とってものんびりしたひと時を過ごすことができました。
思いがけない出会い
お腹もいっぱいになったので、公園の一番高いところまで散歩してみることに。
・・・っと、こんな所に!!!
マイヅルソウ(もっと山奥で目にする植物では?)
意外な所で意外なものに出会って驚いていると、少し先にピンク色の花が・・・。
カタクリ(まさか、この公園内で見られるとは思いもしませんでした)
群生という程ではありませんが、足元にも周囲にも点在していました。
(あやうく気付かずに葉っぱを踏むところでした;)
よく見ると、若いカタクリの葉が密集していたり、
こんな小さなものも(明らかにここ数年で育ったカタクリです)
この間、裏山のカタクリが知らない間に消えていて悲しい という記事を書いたばかりだったので、思いがけない出会いに、公園に来て本当に良かったと思いました🌷
ウバユリ (かつて裏山にカタクリと一緒に生えていた植物)
何が違うの?
公園の環境は裏山(昔カタクリがあった場所)と何が違うのだろう?
そう思って、家に帰ってから あれこれ比べてみました。
1.カタクリのライフサイクル
まず、カタクリの1年間の生活サイクルについて調べてみました。
カタクリは、「春の妖精」(スプリング・エフェメラル)と呼ばれる植物の一つである[14]。エフェメラルとは、もともと「はかない命」という意味で、カタクリが1年のうちで地上に出ている期間は、春先の2か月足らずに過ぎず、葉で光合成をして栄養分を鱗茎に蓄えて、夏には葉を枯らし、翌年の春まで土中の鱗茎のまま休眠状態で大半を過ごしている[14]。光合成ができる期間が、1年のうちでわずか2か月ほどしかないため、栄養を蓄積するまでに長い時間を要してしまうことから、種子から発芽して花を咲かせるまでに8、9年ほどの歳月を必要とする[15]。
【引用:Wikipedia】
カタクリは、ほんの2ヶ月足らずの短い期間に効率よく光合成を行って栄養分を鱗茎に蓄える必要があることがわかりました。
2.林の密度と立地条件
次に、裏山と公園のカタクリが生えていた場所の比較です。
【裏山】
・公園に比べると木の本数が多い(間隔が狭い)
・枝打ち、間伐がされており管理状態は良い(比較的明るい)
・林道沿いの南向きの斜面の一角にかつて群生していた
・周辺は林に囲まれている
・近くに沢が流れており湿り気がある
【公園】
・木の本数が少なく間隔が広い(林と呼べるのか?というレベル)
・周りより1段高い丘状になっている(360度光が入りやすい)
・カタクリは北側から東側の斜面に多い
・写真の右手に実は小さな用水路がある
( 写真 左:裏山 vs 右:公園 )
公園の方が木の間隔がとても広く、日の出から日の入りまで太陽光が入りやすい環境であることがわかります。
また、裏山と公園はどちらも近くに小川が流れていました。
もしかすると適度に湿り気のある場所というところもポイントなのかもしれません。
3.林(樹木)の種類
最後に、裏山と公園のカタクリが生えていた林(樹木)についての比較です。
【裏山】スギにヒノキが混じる常緑樹の林・・・春先も葉がついたまま
【公園】針葉樹だけど落葉樹のカラマツ林・・・春先は葉が落ちている
( 写真 左:裏山 vs 右:公園 )
裏山のスギ林には葉が茂っており、林内が暗めの状態になっていました。
一方、公園のカラマツ林には春先は葉がないため、林内がとても明るい環境になっていました。(その他の環境面の違いももちろん大きいですが)
それぞれ、カタクリと1年間のライフサイクルを重ねてみました。
裏山(常緑樹)の場合
公園(落葉樹)の場合
他の植物が葉を広げる前に一足早く葉を広げ、短期集中で光合成を行うカタクリにとって、葉に注がれる太陽光が弱くなってしまうことは死活問題だというのがよくわかると思います。
カタクリの生育に適した環境とは
子供の頃に裏山で見たカタクリは、どちらかというと日陰に生えていたイメージでしたが、実際に公園のカタクリを見ると葉に直射日光が当たっており、思った以上に明るい環境を好む(必要とする)植物なのかもしれません。(他のカタクリ群生地の写真をみても直射日光が当たっているものが多い印象です)
そういえば、家の庭でかれこれ20年以上花を咲かせてくれているカタクリを見て、どこか弱々しい感じがしたのですが・・・
庭のカタクリ(3月20日)
庭のカタクリ(3月26日)
その理由がわかりました(・・・やっぱり😨)
庭のカタクリ(4月21日)
近くに植えてあった他の植物に埋もれていました。
これでは光合成も十分にできず、来年の養分が蓄えられないですよね😰
ということで、今週末に周りの植物をもう少し間引いてあげるつもりです
(手遅れかも😢)
最後に
少し前まで、僕は自然に任せておくのが(人が介入しない方が)カタクリにとっても良い事だと思っていましたが、実際には下草刈りなどで手を入れてあげないとだんだん林が暗くなり、カタクリは生きていけなくなる…
など、調べてみると思った以上にシビアな環境の下で命をつないでいることを知りました。
分かっているようで全然分かっていなかったなぁ・・・。
やっぱり関心を持つ事って、とても大事だなと改めて思いました。
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