🌳「かしの木」キャリアトーク💼　ー第一回：竜石堂未来さんー

こんにちは。オンライン学習広場「かしの木」です。

今週は「かしの木」キャリアトーク」と題しまして、かしの木OB/OGの方にインタビューを実施し、かしの木での活動と現在歩まれているキャリアとの繋がりについて深掘りしていきます。「教育分野に興味があるが、何から始めたらいいか分からない」「ボランティアの活動がどう将来に繋がるか不安」「現在高校生・大学生で進路に悩んでいる」、そういった方の参考になれば大変嬉しく思います。

第一回の今回は、2020年の団体立ち上げから約4年間かしの木で活動され、現在はシンクタンク（様々な分野における調査・分析や政策提言を行う機関）で働かれているOGの竜石堂未来さんにお話を伺いました。

Q.　本日はお忙しいところありがとうございます！どうぞよろしくお願いします！

「よろしくお願いします！」

Q.　かしの木では2020年5月の発足時から活動されていたとのことですが、どういった経緯で始められたのですか？

「まず、私が感じた教育に対する問題意識の発端はコロナ禍にありました。コロナ禍によって、家庭環境や地域資源が子どもの育ちに与える影響が顕在化し、生まれによらない学習や経験の機会の確保に関心を持ちました。
　私が大学に入学した2020年はコロナ禍の最中で、緊急事態宣言が発出され、全国の小中学校が休校になりました。そこで、連日報道されるニュースを通して、休校になっても塾などの他の学習機会で学び続けられる子どもがいる一方で、給食が無くなって食べるものに困る子どもや、家庭に居場所がなくて苦しんでいる子どもがいることを知りました。また、当時地元には高校生向けの塾がほとんどなく、同じ入試で合否を判断するにも関わらず、（特にコロナ禍では）地域による学習資源に差があることにも問題意識を持ちました。

そこで、自分でも何かできることはないかと考え、友人と活動計画を策定し無料の学習支援活動を初めてみました。しかし、全く経験がなかったためきちんとした形にならず半ば挫折していました。

そんなときに、たまたま同じクラスだった代表（畠中さん）が子供の貧困をなくすためのボランティア団体を立ち上げようと、企画書を出して立ち上げメンバー募集をしていました。そこで、ぜひ参加させてほしいと手を挙げて立ち上げから関わることになりました。以来、4年間かしの木での活動を続けてきました。」

Q.　コロナウイルスの流行がきっかけになったのですね。今年の4月まで活動されていたとのことですが、かしの木では主にどういった活動をされていたのですか？

「コーディネーターという運営側の活動と、1人の子の勉強タイムを4年間担当していました。コーディネーターとしては、申込みをしてくれたご家庭や学生スタッフと面談をし、子どもとその子どもを担当するスタッフを繋いでサポートしていく仕事をしていました。また、集団自習室やLINEチャットサービスの立ち上げとその運営を主担当として担っていました。その他、今のかしの木の現状をどう変えていったらいいかの意見出しも積極的にしていたかなと思います。」

Q.　発足時から精力的にご活動されていたことがよくうかがえます。そのように沢山のお子さんや学生スタッフと関わる中でどういったことを学ばれましたか？

「主にコーディネーターとして、保護者、子ども、同世代のスタッフなど様々なバックグラウンドをもつ様々な世代の方々と関わっていく中で、物事を多面的に捉える大切さを学びました。

例えば、勉強よりゲームやSNSのほうが楽しくて、勉強を全然やりたがらない子どもがいたとします。保護者はその様子を見て心配から、もっと勉強しなさいと叱りたくなるでしょう。このような時に、われわれスタッフは、まだ学生の身分であり子どもの気持ちがよくわかる一方で、保護者との方が年齢が近いこともあり保護者の気持ちもよく分かります。さらに一歩進んで考えると、子どもがゲームばかりしているというときに、それがただ怠けているからではなくて、学校で辛いことがあるなど現実逃避したい何らかの事情が隠れているのかもしれません。反対に、保護者の方が勉強させたいと考える背景には、保護者の方のバックグラウンドなどが関係しているのかもしれません。

さらに、担当スタッフとの関係性づくりがうまく行っていないために、得られる情報に偏りがあり適切な支援ができていない可能性もあります。多様な人が関わって一つの支援の形を作っていく以上、表に見えてくるものだけで判断することはできません。

子どもや保護者、担当スタッフの間に立ってコーディネートする立場で、個々の家庭や勉強タイムに向き合うことができたからこそ、ほかの運営メンバーの知恵を借りながらも、徐々に様々な視点で物事を捉えられるようになったと思います。」

Q.　物事を多面的に捉えることは、多様なご家庭の保護者様やお子さんと関わるうえでとても大切ですよね。かしの木での活動以外でも活きてくる力なのかなと感じたのですが、かしの木での経験が現在歩まれているキャリアや普段の生活等に影響を与えているなと感じることはありますか？

「かしの木での活動は、テーマ軸と働き方の軸の2点で、私のキャリア選択に大きな影響を与えたと思います。

かしの木での活動は、子供の貧困、機会の不平等の問題について考え続ける契機となりました。4年間続けていく中で、大学での勉強も含めて知見を広げることができ、かしの木で出会った仲間との議論や子どもの食堂の方との議論を通して自分の生涯関わりたいテーマとなっていきました。そのため、キャリア選択の際には、自分の感じた問題意識に向き合って仕事ができる環境を選びたいと思いました。コロナ禍の入学時にもった違和感をそのままにせず、4年間関わり続けたことで、自分の中で今後もキャリアの中でしっかり向き合いたいテーマにすることができたと思います。

また、運営としては、無償ボランティアという弱いつながりの中で、どうやってスタッフの心を集めて活動できるか、進めていけるかということに苦心しました。一方で、とても自由に自分たちのやりたいことを実現できる環境ではあったため、自分で考えた仕組みを実践しながら整えていきました。そのなかで、いろんな人と関わりながら、オーナーシップを持って仕事を進めていく時にやりがいを持って働けることに気づき、若手のうちからそういった働き方ができる環境に身を置きたいと考えました。」

Q.　かしの木でのご経験が、やりがいや求める環境を見つけるきっかけになったのですね。もう入社されて約5か月が経つかと思いますが、普段お仕事をされていて、かしの木での経験や活動を通して培ったスキルや知識が活きているなと感じる場面はありますか？

先ほど述べたような、物事を多面的に捉える力は役に立っていると思います。入社して日も浅いので、まだまだこれからではありますが、社会課題を解決をするにあたり、どういう人に影響があるかを考えたり、多様なステークホルダーの立場に立って考えたりする際に活かせていると思います。

多様なな方々と関わり続けたことで得られた力が現在のお仕事でも存分に発揮されているとのこと、大変素敵です！本日は大変貴重なお時間ありがとうございました！今後ともかしの木スタッフ一同、陰ながら応援しております！

いかがでしたか？かしの木で4年間、沢山の保護者様やお子さんとの関係構築にご尽力され、活動を通して培われた「物事を多面的に捉える力」を活かしながら社会人としてご活躍されている竜石堂さん。今回のインタビューから少しでも教育分野に興味を持ち、ボランティア活動とキャリア形成の繋がりを感じていただけたら嬉しいです。

次回のかしの木キャリアトークは10月4日（金）を予定しています。お楽しみに！

【オンライン学習広場「かしの木」 学生スタッフ募集！】

オンライン学習広場「かしの木」では、現在学生スタッフ（ボランティア）を募集しています！「かしの木」は、さまざまな背景をもつ全国の子どもたちに無料で学習支援を行う学生団体です。活動はすべてオンラインで行われるため、全国どこからでも参加可能です。

なぜ「かしの木」？

📝柔軟な関わり方：日々の勉強タイムや集団自習室の実施、団体の運営など、興味やスケジュールに合わせて多様な役割を選ぶことができます。
💻全国から参加可能：オンラインでの活動なので、全国どこからでも参加できます。
🧶学習支援を超えた心と学びのサポート：子どもたちの背景事情を尊重しながら、学習支援を超えた信頼関係の構築に取り組むことができます。

募集要項

対象：全国の大学生・専門学生
活動内容：オンラインでの勉強タイムの実施、集団自習室の運営、団体の運営など
活動場所：オンライン（自宅などから参加可能）
応募条件：公式ウェブサイトをご覧ください。
子どもたちの未来を共にサポートしませんか？ご応募お待ちしております！
公式HP：https://kashinoki.online
Twitter：https://twitter.com/kashinokionline
Instagram：https://www.instagram.com/kashinokionline/