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スタートアップファイナンス

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スタートアップのファイナンスやIPOに関するnoteをまとめています。
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#VC

上場から時価総額10倍以上、1,000億円超!IPO後も大きく成長する企業とは

1. はじめに2024年5月21日、東証から「市場区分見直し後の状況と今後のフォローアップについて」が発表されました。 https://www.jpx.co.jp/equities/follow-up/nlsgeu000006gevo-att/mklp770000007bcn.pdf こちらの資料によると、グロース市場に上場した会社の新規上場時からの時価総額成長率の中央値は、1.03倍。 49%が新規上場時の時価総額(公開価格ベース)から下回っており、半数近くの会社が

DNX Ventures 倉林✖️Resilire 津田の対談。「シリーズAでResilireにリード投資をした裏側」

Resilireは2024年4月に、リード投資家としてDNX Venturesを迎え、シリーズAラウンドで総額6.2億円の資金調達を実施しました。今回、DNX Venturesの倉林陽さんをお招きし、当社代表取締役の津田と対談を行いました。シリーズAの投資意思決定に至る背景や、シード期から見る中でのResilireへの印象の変化。そしてResilireへの今後の期待についてお伺いしました。 ■初めのResilireの印象について 津田: 改めまして今回はシリーズAでリード出

CFO Tech

前回書いたスタートアップCFOのネクストキャリアがなかなか好評頂いたので今回もCFO関連で。 前職でCFOをしていた頃「こんなプロダクトがあったらいいのに」と思うことが色々ありましたが、ここ1-2年、そんな「あったらいいながある!」を目にする機会が増えてきています。ここでは「CFO Tech」というテーマでいくつかピックアップしてみました。 (現職でも引き続き投資家として様々なスタートアップとは向き合っているものの、CFO職務自体は離れて数年たちますので感覚が古かったらご容

アメリカのトップティアVCの概要|世界を発展させる会社を支えてきた存在の中身

そもそもVCとは ベンチャーキャピタル(以下VC)とは、リスクが高い初期段階の企業に投資し、その成長を支援することで利益を得る投資会社のことを指す。VCの収益モデルは、LP(投資家)から出資してもらったお金を元手に投資先企業の株式を購入(出資)し、その企業が成長して株価が上がった後に、高い価格で株式を売却することから成り立っている。このプロセスを「Exit(イグジット)」と呼びます。Exitには、企業の上場(IPO)や他社による買収(M&A)が含まれる。 VCのビジ

#26 シードとシリーズAの狭間における資金調達の傾向と対策案

*コチラのメルマガからの転載です。 ANRIでは主にシードラウンド(First round)の投資を行っている。7割ぐらいが初めてのラウンドでの投資、3割ぐらいが今回の主題のPre-Earlyのタイミングでの投資である。後者のタイミングでも基本的には追加投資を実行することがほとんどである。そのタイミングでいつも、Early-stageのラウンドまで進むのは本当に大変だなと感じている。いわゆるシリーズAクランチという現象である。(どのラウンドも大変であることは間違いないが。)

【2023年春】スタートアップ資金調達環境お天気図

お疲れさまです! 千葉道場ファンドの石井(Twitter: @takaki_ishii) です! 元起業家で現在千葉道場ファンドというVCで投資家をしております。主にシード・アーリー/プレAまたはレイターステージを主な対象として投資をしております! 最近はAppleのVision Proにワクワクしっぱなしです。確実に買います。もうVisionPro買うために年内US行くまであります。 さて、半年前に公開した【スタートアップ資金調達環境のお天気図】が思ったより多くの方にご

「出資お断り=事業・会社がイケてない」ではないことを知って起業家が「心折れない」ようにするための、10の投資家事情

スタートアップとしてエクイティファイナンス(株式による資金調達)をするのなら、投資家に断られたことが無いという人は皆無だと思う。 スタートアップのCEO、CFOも、傷つきやすい心を持った普通の人間なのでお断りが連続したりすると「ダメだっ。もう、ぜっったい資金調達できない…orz」と思うのも無理はないし、場合によっては「この事業が良くないのかも…」「ピボットしたほうがいいのかも…」さらに追いつめられて「従業員を減らすしかない!」「倒産して自己破産するしかない!」「あの断った投資

リセットのマインドシフト:テック業界の調達環境の現実 Daily Memo - 3/22/2023

今日のDaily Memoは今年から行われるアメリカのテック企業の調達問題について話したいと思います。こちらはOff Topic Clubメンバーシップ向けに最近試験的に投稿している「Daily Memo」ではありますが、長文だったため記事として書かせていただいてます。気になる方は是非Off Topic Clubに参加してみてください! はじめにThe Informationの記事によるとフィットネススタートアップのTonalが$200M〜$300Mの時価総額で調達すること

Spiral Capital千葉様×THIRD、投資家インタビュー❶後編

THIRDの資金調達リリースに伴い、投資家の皆様がどういった点でTHIRDを評価したのか、代表の井上との対談形式でお届けするインタビューです。 本記事はSpiral Capitalの千葉さんとの対談シリーズの後編となります。 THIRDに限らず不動産Tech業界がどのような変遷を辿っているのか、その中でTHIRDがどんな立ち位置で貢献していくべきなのか、過去に不動産Tech企業で経営を経験した千葉さんならではのお考えを交えて伺いました。 インタビュー前編はこちらからご

Spiral Capital千葉様×THIRD、投資家インタビュー❶前編

2022年8月末、THIRDは26億円の資金調達を実施したことを発表いたしました。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000064081.html この資金調達を機に、THIRDではnoteアカウントを開設いたします。 企画第1弾として、投資家の方々に出資を決めた背景を語る対談インタビューをお届けします。 今回対談させていただいたのはSpiral Capitalの千葉貴史さんです。 千葉さんは現在、シード〜レイター

ダウントレンドにめげない?資金調達ラウンドを成功に導く4つの鍵

400F CFOの鵜月です。 本日、当社は12億円の資金調達を発表いたしました。 ここまで力強く伴走いただき、今回のラウンドにも追加出資頂いた既存投資家の皆様、新たに投資を決定頂いた新規投資家の皆様には感謝の気持ちで一杯です。当社は頂いたご支援を活かし、さらに成長を加速させてまいります。 そして今回、初めて最初から資金調達を主導する役割を担い、学んだことや気づいたこと、反省点などを自身で整理すると共に、これから資金調達に動く方のために、少しでも有用なtipsを提供できれ

食べチョクに投資した地銀VCという存在

はじめまして。いよぎんキャピタルの徳永です。 弊社は、愛媛県松山市に本店のある伊予銀行のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)です。先日、食べチョクを運営するビビッドガーデン社のシリーズCに新規株主として参加させていただきました。今回、食べチョクさんのPR力に便乗して初めて投稿してみることにしました。 こちらの調達ですが、地銀系VC(を通じた地域金融機関)との連携強化という打出し方をしていただき、twitterなんかを見ても概ね好意的な評価が多かったように思います。戦略

VCの目にはどう映る?ヘンリーの今までとこれから【フェムトパートナーズインタビュー】後編

株式会社ヘンリーは、フェムトパートナーズ株式会社から2度の資金調達を行いました。 2度目のシリーズBの資金調達に関する情報解禁に伴い、フェムトパートナーズから磯崎哲也さん・曽我悠平さん・大久保克彦さん・山田慎吾さんの4人と、ヘンリー共同CEOの逆瀬川・林とで座談会を行いました。 前編で伺ったのは、ヘンリーとフェムトパートナーズの出会いから、資金調達を通して両社がどのような関係性を築き上げてきたのかなど。 後編ではさらにもう一歩踏み込み、ヘンリーのミッションとしている「社

VCの目にはどう映る?ヘンリーの今までとこれから【フェムトパートナーズインタビュー】前編

株式会社ヘンリーは、シリーズBの資金調達を行いました。 出資してくださったフェムトパートナーズ株式会社は、2012年にシード投資のフェムト・スタートアップLLPから始まり、2013年に第1号ファンド、2017年に第2号ファンド、2020年に第3号ファンドを設立し、運用しているベンチャーキャピタル(VC)です。 ヘンリーは、第3号ファンド(フェムトグロース・スリー投資事業有限責任組合)から2021年1月に1度目の資金調達を行っており、今回は2度目の資金調達となります。 今