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#大間マグロ

マグロ相対売買を隠ぺい、取引データを「その他鮮魚」に偽装~静岡市中央卸売市場の卸売・三共水産

マグロ相対売買を隠ぺい、取引データを「その他鮮魚」に偽装~静岡市中央卸売市場の卸売・三共水産

 データを偽って報告するなんて、公共インフラの一つでもある「中央卸売市場」に事務所を構えて商売する卸売会社がやることではありません。静岡市中央卸売市場の水産荷受け、三共水産は青森県大間のマグロを「その他鮮魚」だと偽って、マグロの相対取引が禁じされていた2019年当時から市場外の仲卸業者に販売していたことがわかりました。そのようにしてまでしてマグロを売ろうとした理由は一体何なのでしょうか?

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大間マグロの謎を解く⑤漁協の出荷シェア3割~脇売り業者隆盛の背景「ヤミ漁獲」

大間マグロの謎を解く⑤漁協の出荷シェア3割~脇売り業者隆盛の背景「ヤミ漁獲」

 大間でのヤミ漁獲の調査が長引いているもう1つの原因は、その問題の根深さにあります。昔からヤミ漁獲が当たり前のように行われていたのです。

「大間漁協の前で水揚げをみていたって、全部がわかるわけじゃないからね」

 2014年12月下旬、翌年から始まる沿岸漁業へのクロマグロ漁獲規制の影響を大間漁協周辺で取材していると、ある寿司屋の店主がいいました。

「マグロを揚げる場所は何カ所もあるんだよ。教え

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大間マグロの謎を解く④「捜査官」派遣で未報告が新たに40トン判明か⁉

大間マグロの謎を解く④「捜査官」派遣で未報告が新たに40トン判明か⁉

 2016年には長崎県・対馬、2017年には北海道・松前でヤミ漁獲が発覚したことがあります。当時は水産庁が調査を始めてから1~2カ月後には違反事実の概要を発表し、自治体や漁協に再発防止を約束させました。

 今回、青森県大間町で発覚したヤミ漁獲は、2021年9月から調査が始まっているのにいまだに違反事実が公表されていません。

 大間と対馬や松前との違いはなんでしょう?

 1つは、2018年にク

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「大間まぐろ」とは「大間沖」でとれたクロマグロのはず〜豊洲市場の目利きたちに問いたい初歩的な商品審査の現実

「大間まぐろ」とは「大間沖」でとれたクロマグロのはず〜豊洲市場の目利きたちに問いたい初歩的な商品審査の現実

初セリの落札価格の予想だけでよいのか?
 まもなく新年です。例年この時期になると、豊洲市場のマグロの初セリに関する話題や、初セリ最高値の常連、青森県大間の漁師たちが津軽海峡で巨大マグロを釣ろうとする姿を描くテレビの特番に注目が集まります。

 

 例えば、写真のような時事通信水産部による「2022年のマグロ初競りはどうなる」という記事がその典型です。

 この記事では2021年はコロナ禍を意識

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