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『幼年期の終わり』読書感想。



地球上空に突如現れたエイリアン・オーバーロードたち。
彼らは人類の保護者として人間たちを平和的方法で支配し、ユートピアを与える。
彼らが人類を保護するには人智を超える理由があったのだ。。


湧き上がってくる感情が多すぎて読後すぐは気持ちの整理がつかない。

最初は明かされない謎がどんどん解明されていく謎解き要素も面白いし、良し悪しの域を超えたラストにも驚かされる。

オーバーロード対人間、旧人類対新人類から科学対非科学まで様々な対が錯綜していて、一片通りの見方では処理できない深みがあった。

超科学的才能があるジーンは論理的な恋人ジョージに軽蔑されることを恐れてそれを公にしないけれど、それが超人類誕生の口火となっていたり、知能で圧倒的に劣る人類に対してオーバーロードが持つ感情が侮蔑的なものではなく一種の憧れめいたものだったり。

価値観が一つによらない所が本当に素晴らしく、そこが時を経ても読み継がれる普遍的な魅力になっていると思った。

アーサーcクラークはきっと愛情深くどんな人にも尊厳を見出せる視野の広い人だったんだろうな。

そんな人となりも見えてくるような小説だった。




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