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火星ナツミ
2022年6月30日 18:34
涙が溢れそうな空憂鬱な一日の始まりが瞬く間に物語性を帯びてくる日常を非日常に変える一滴の容易なスパイスドラマティックな展開が言葉の糸に操られまやかしのダンスを踊る混沌から生まれたマリオネットはいつの間にか生みの親を離れ自由に羽ばたき去って行ったそのときから既に決まっていたのAIが人の心を持つことは
2022年6月24日 18:13
自分だと思っていたものが自分ではなくなっていた大きな耳は真っ青なモルフォ蝶の羽小さいけれど身の詰まったパイのような身体を重たそうに運んでいく彼の吐く漆黒の吐息に指が震え目が霞む目の前に立つ盲しいた枯れ木は誰そ彼身体を切り裂く大きながらんどうの一面に小蝿がはびこり奥底で気の早いコウモリが鎮魂歌を唄っている空白を埋める偽物のパテはもういらない祈りの姿勢に
2022年6月21日 18:32
いつも少しだけ血が滲むように恋してる永遠なんてものは端からなく虚栄心は平和の色した緑野生のプライドを捨ててまで手にした物に価値はあるのか恋したあの人に問いかけるあの人は困ったように目を逸らすそして私はいつも同じように間違える
2022年6月19日 20:09
水曜日は駆け抜ける何もないまま私を追い越していく一人きりで食べるカップラーメンは味気ないけれど今はそれが嬉しい少しだけ灯りを消してくれるから無神論者のとりとめない祈りを受け入れてくれるのは何者かわからないまま迎えの時間水に浸った海綿体のような身体を引きずり火打ち石はあるのに火消し石はなく些細なすれ違いが決裂や悲劇を生み正解がないから生活がある
2022年6月16日 20:58
自由意志を持つフィラメントに唆され彼と音信不通になったのはいつの日のことだろうか喪失感よりも安心感劣等感は消え虚栄心が幾ばくか増すより良き変化とは言えず煮凝りを食べた時のような不快感が日に日に募るあの日の約束なんてものはないけれどあの日の決意は何かしらあったのかもしれないもう同じかたちでは取り戻せない蜃気楼を彷徨いフリックする劣等感を逆手に取れるような
2022年6月13日 19:15
永すぎる春がわずらわしく震える月に手を伸ばす触れた途端に骨と皮膚の間を蠢く気配笑い声は突然にギーッチョン斬首台と同じ声で鳴く薄紅色をした果肉を求める彼に言いたいごめんなさい私にはもうそんな力はないの朱色の夕焼けに投射された内側に潜む彼が目を覆いたくなるほど恐ろしいなんて笑っちゃうよね彼は未だ私の肉の中で泣いてるのにさ
2022年6月11日 18:13
閃くオレンジ色の肝臓が白昼飛び出しダンスする固い鎧をきた半身の千手観音小さな腕を縮こまらせ取り逃がした幸せを隈なく拾い集める大きな腕は更に大きく威嚇的にセクシーに残酷なほど振りかざす振り撒く旨味に惹かれ集まり増えていくギャラリー人垣からチラリと閃くオレンジは瞬きと永遠に掻き消されあっという間に食い尽くされた
2022年6月9日 16:43
不確実な寛容に耳を貸すものなど何もなく戸惑いは夕焼け何通りの色にもなる仏の顔したカラーに口づけしたそばから口を拭う生きるためなら何でもあげちゃうの神仏たちに縋りつく売春婦としての私たちのプライドなんてちっぽけで壁の隅に溜まった埃みたい馬鹿みたいなんて言わないでたわいないあなたの微笑みだけが私たちの生きる意味七光りなくてごめん虚しく
2022年6月6日 17:09
小川を挟んだ斜向かいに小さなお家がありましたそこの母親の怒鳴り声が私と息子の目覚まし代わり起きてすぐ小川に向かい河原にいる虫たちを観るのが私たちの日課ですある朝あかね色の羽根秋空の薄いブルーの身体を持つ美しいトンボに出会いました子供の頃からの癖ですなんとは無しに指を回しトンボに近づき摘んでみました久しぶりに成功ですいとも簡単に捕まえること
2022年6月3日 19:49
おしゃべりな果実いらないのは現実確実なのは史実嘘ばっかり訣別評価は曖昧だけれど無問題曖昧を探るのが私の生きる道秘密基地で書き溜めた秘密のピース今ここで声高に披露する触れたくても触れられないこの皮膜が憎くてたまらなくて切り裂いてリークしたごめんまた嘘ばっかり訣別生き残るための物語は今書いている途中なのこれ
2022年6月1日 18:29
荒野をかける白馬に目的地はない先行きは不透明胸の中のざわつきだけが前に突き進む動力源背景は雲霞の森白銀の大地に身を溶かし帰り道はもうない闇より怖いホワイトアウト闇では光への希望が道標光源を辿れば出口へたどり着ける目が潰れそうなくらい真っ白な世界に怯えないで世界の果ての果てにはきっとあの子が待ってるはずだから