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【詩】愛しのロブスター

閃くオレンジ色の肝臓が

白昼飛び出しダンスする

固い鎧をきた半身の千手観音

小さな腕を縮こまらせ

取り逃がした幸せを

隈なく拾い集める

大きな腕は更に大きく

威嚇的にセクシーに

残酷なほど振りかざす

振り撒く旨味に惹かれ集まり

増えていくギャラリー

人垣からチラリと閃くオレンジは

瞬きと永遠に掻き消され

あっという間に

食い尽くされた

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