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火星ナツミ
2022年4月30日 12:18
しっかり不幸になるとこれ以上不幸にならないような気がして安心できる淡い期待さえもが頭に過ぎりときめきで心が踊るゴミ捨て山を養分として出でた西瓜の実同じ因果で生まれたこの特性は私の一部として根付いている教科書では教えてくれないことしか身体には残らないゴミ山から這い出た不幸を食い尽くす黒曜石無尽蔵に交配し続けた突然変異の最果てとしての淡水魚平たく言えば片端のポリアン
2022年4月28日 13:25
泣くことが使命だとしたらそれしか望まれていないとしたらそれが人生で成し遂げる全てだとしたら亡きに泣き無きに泣きいつか乾いてしまうことだろう萎えて縮んでほんの少しでも陽の目を見ることができたならいつかあの人と湯浴みを共にするヘチマのたわしになれるかもしれない斜めに陽の刺す薄暮の時老いたあの人のシミだらけの背中を撫ぜられさえすれば幸せだったと
2022年4月24日 17:38
愛だけが繋ぎ止める精神畸形歪んだ知恵の輪の2人死体の山から咲き誇るのは真紅のカーネション愛さえあれば何処へでも愛さえあれば許される愛だけが生きる意味愛を言い訳にしないでメメント・モリ死体をマリオネットにした英雄奇譚にはもううんざり君は愛と情熱を取り違えている
2022年4月20日 20:37
だし巻き卵に騙されたアカペラ歌手が歌ってた涙の塩味効き過ぎてしょっぱくて涙が出たと赤色のガーベラは歌うそばかすなんて気にしないわ鼻ぺちゃだってお気に入りよ可愛らしい小さなガーベラはしょっぱい卵に騙されて根っこから花びらの先まで斑点だらけかすれた声で歌ってるそばかすなんて気にしないわ潮風に晒されて1ひら1ひら消失してゆく赤い花毛の抜かれたブロイ
2022年4月17日 16:38
口の中でつぶやく魔法の言葉は誰の元にも届かないこぼれでる破裂音が気泡に変わり宙に上っていくのを見た瞬間水底にいることを知る見上げる空から注ぐ光の矢美しすぎて惨めになる悪態をつくと同時に浮かび上がる虹色のシャボン玉の優しさにもどかしくなり下を向く深淵にさえ見放された私は泥を掻き底へ底へと潜っていくいつかどこかで合間見えたあいつの鋏が”こっちにお
2022年4月15日 15:18
消火器の影から見ている目が気になった無言の応酬メンチの切り合い収拾がつかなくなり思い切って覗いてみたそこには行き場をなくしたガーフィールド好戦的とは程遠い目つきに拍子抜けして頭にきて一発ぶん殴ってやった宙に浮かんだガーフィールドは夕日に磔にされた真っ黒なただのデブ猫少しだけ可哀想になってすり傷程度に満たされた
2022年4月12日 16:26
くるくると空回る柔らかく跳ねる羽毛出立のルーティンいざ行かん今行かん何者にもなれないなれない全ての人に捧ぐ愛のメッセージばかうけ型の宇宙船は滑稽で切ない隔たりのシンボライズ鉄壁に弾かれた言葉の行方とは音節、母音、子音、吐息に分解し蜂の羽音と共に宙を踊る微かにガラスの鈴の音が聴こえたのならきっとそれがメッセージ
2022年4月7日 18:21
1日はたわしで撫でられる柔肌によく似ていて擦るたびこぼれ落ちていくひとなでひとなでやさしく丁寧に残酷に洗いざらいになっていく日めくりカレンダーとは違い終わりは見えず少しずつ傷みの総量が増していく削られた1日の最後には赤ん坊色をした桃の匂い静脈の濃い紫やがて滲んだ赤となり白が見えて少しほっとする遠くから汽笛の音が聞こえるリセットの合図今度は
2022年4月6日 18:03
海へ飛び込めバターナイフ食器棚の片隅で陽の目を見ない日々はもう終わりイワシの群れと共に回り銀色の嵐を起こせ鮫の腹をかっ裂き心踊る踊らされる操られる血塗られた夢を見よそれでもバターが恋しいのなら牡蠣殻の上に降りてくればいい甘やかな薫りに包まれて心ゆくまでゆっくりおやすみ
2022年4月4日 17:12
顔すら思い出せないのに音だけが耳から離れない絞め殺された黄昏の断末魔によく似たあの人の名澄んだ茶色の瞳は空間を切り裂く線香花火に囲われた晩夏の太陽いつも火薬の匂いがしてた偽りの記憶が立ち上げる見ず知らずの男手の甲にあるのはアルタイルわし座のかたちそのものでそこに流れる天の川にleap of faithしたかったできなかった心残りだけが宙に舞い
2022年4月2日 17:15
大事なものはいつもどこかへ転がり去ってしまって戸惑いと焦燥だけを残して消えていく遠のく脚音はビブラート最果ての音楽を聴きながら育った植物は汚泥を礎として生まれ閉じる薄いブルーをした果実はスイカの匂いがするけれど中身は透明なブルー薄皮越しに溢れそうな程悲しみが詰まっていた